096677 ランダム
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流れ

焦る心も褪せて欲しいと願う

確かに少年は夕陽を指差し

流れる詩に古の言葉を見た

祖国と呼ぶことも出来ない現実は

目の前に溢れている人々の話しに現れ

悲しくも失った言葉でたどたどしく呟いて見る

少年が母語とする言葉を訳して



焦る心とはきっと

少年の中にある古への

憧憬なのだ

     という深心の層と

現在は相容れないのだ

          ・・・・・・と、さえずるのは

                もう、少年ではなく

                   少年の心のようになりたいと望む

戻せない時間だけが             大人でもないからであろう

歪みを大きくして

心が生じさせたのは

古から流れてくるものの

わだかまり



かすかに聞こえる音が

遠く 遠く

色を彩る匂いの中へ

吸い込まれていく



でも

地に付いた足は

心に確かに伝えるのだ

流れの織り成すもう一つの国があるのだと



耳に詠う言葉がそう囁く



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