巡れば散りゆくあの時とさやけきが 散るのでもなく 波音(はおん)が過ぎる 街なかの あお 瞳は 封筒を はさみで 開けて むかし 縁を 切った あなたを 待つ 過ぎるは 今 来るは むかし の掛け声が 深く 記憶から湧き起こり 契りの古にも 忘却の散漫がある 年月の長さ どうしてなのか どうしてあなたなのか どうしてあなたはここにいないのか 静謐は形を取りとめはしない 遠景の匂いが還りゆく あやしの歌を遠ざけて 再びの一期 ここにも消えそうで しばらくすれば もう思うことも忘れるのだろうか 時がまた巡って来る |