金沢での暮らし結婚式まであと1ヶ月という時期になって夫が名古屋から金沢に転勤になりました。バタバタと新居を探し夫は先に引越し。そして後から私の結婚の荷物を運びいれ新しい生活がスタートしたのです。 今振り返ると、金沢での生活はとても貴重で 田舎の無い私にとっては故郷のような感じです。 それに5年7ヶ月という短い結婚生活は全て金沢での暮らしだったので、 夫の思い出はほとんどが金沢での生活の中にあります。 大切な土地なのです。 知らない土地、誰一人知り合いの無い環境でしたが、 寂しさは全く感じなかったですね。 1年後には息子が生まれ、その1年半後には娘が生まれ、 平凡だったけど、穏やかに、また必死に子育てしながらの日々を過ごしました。 私たちが住んでいたのは金沢市内ですがちょっと郊外で、 まだまだ田んぼや畑がのこっている所でした。 でもスーパーや病院も近くに揃っていたし、金沢駅や片町・香林坊といった中心部までも バス1本で30分でいけるとても便利な場所です。 生活は快適でした。 何より気に入っていたのが、四季の移り変わりを身近に感じ取る事が出来た事です。 春には近くの公園につくしがいっぱい顔を出し、摘み取ったりしました。 夏は田んぼの稲が風にゆらゆら揺られ、稲穂が次第に黄色く色づき、 だんだん垂れ下がる様子を眺めていました。 秋には田んぼで刈り取りの風景。またトンボが連なって飛び回り、 子供がそれを追いかけて走り回る・・・ 冬はやはり雪ですね。年に数回はドカッと降るので、すごい格好をして雪かきをしたものです。 長い冬の後の春は大阪で感じる春とは大違いです。待ち焦がれた春がやってきます。 四季折々の風景、きれいな空気、おいしい水。これだけですごい贅沢な事ですよね。 大阪に居てては絶対に味わえない自然を感じながら生活できた事に感謝しています。 そして忘れてはならないのが人の温かさでした。 勝手の分からない土地でしたが、自分から色んなところに出て行きました。 子供が出来てからは、マタニティスイミング、ベビースイミング、地域の子育てクラブなどでたくさん友達が出来たし、 皆さんに本当に良くしてもらいました。 夫が亡くなったときも一緒に泣いてくれて、励ましてくれました。 大阪に引き上げてから数年後に遊びに行った時も お家に泊めてもらって心からのもてなしに感謝の気持ちでいっぱいになったものです。 子供たちは金沢での生活の事はほとんど覚えていないけど、 当時の写真がいっぱいあります。 たまに思い出して引っ張り出すと懐かしさでいっぱいになりますね。 たくさんの人からやさしくしてもらい、自然を満喫しながら過ごした大切な思い出。 当時は早く大阪に帰りたいと思っていたのです。 夫にも「大阪転勤の希望を出して!」と迫ったりしていました。 結局は金沢で夫が急死してしまい、私と子供だけで大阪に戻る事になってしまいました。 大阪に戻ってもうすぐ11年です。 今ではすっかり大阪人に戻ってしまっていますが、 あの輝くような日々は一生忘れる事はないでしょう。 石川県金沢市。いいところですよ。 ジャンル別一覧
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