Marquis D'Angerville ○2008 Bourgogne
インポーターはフィネス。Volnay 村内のLes Petits Presの区画から仕込まれるキュヴェ。
<2008年ヴィンテージ(リンク先より転載)>
2008年をひと言で言うと、非常に難しい年。冬は穏やかな気候でしたが、春から夏にかけてはかなり涼しく、また毎日のように雨模様が続きました。そのため、葡萄の成長サイクルは例年に比べてかなり遅く、さらに7月には一部の区画で雹が降り、収穫量に影響が出てしまったのです。また、ウドンコ病、べト病などの病害もオンパレード。このような気候条件下だった2008年は、畑の水捌け状態を良好に保って葡萄の成熟度を高めるためにも、通常よりもかなり多くの時間を畑仕事に費やす必要がありました。ところが、9月に入ると爽やかな快晴の日が続いたおかげで葡萄の成熟度が上がり、冷たく乾燥した北風が腐敗を最小限に留め、水分過多だった葡萄の糖度も上がって、まさにミラクルなヴィンテージとなったのです。収穫は9月26日から開始し、厳しい選別をして健康で成熟した葡萄のみをワインに使いました。不本意ながら2008年の収穫高は平均で20hl/haほどになってしまいましたが、私たちの努力は決して無駄ではなく、その瑞々しくも純真無垢なキャラクターは2002年ヴィンテージを連想せずにはいられません。2008年ヴィンテージの私どものワインは、とてもクラシックなブルゴーニュワイン。赤は果実を噛んでいるかのようなエネルギッシュな風味、繊細ながらも良く熟したタンニン、素晴らしく長い余韻。5~10年熟成させると、その真の実力を垣間見ることが出来るでしょう。白はリッチで心地良いアロマがあり、豊富な酸味がバランスを調和させています。2008年で惜しむらくは、生産量が少ない貴重なヴィンテージになってしまったことだけ。2008年はしっかりとした酸がある分、2007年よりも熟成向きなヴィンテージと言えるでしょう。