「第5次エネルギー基本計画(案)」へのパブリックコメントを提出
※2023/3/10追記 本件パブコメの募集期間:2018年5月19日~6月16日(資源エネルギー庁) 提出件数:1710件 (リンク)結果公表・資料/2018年7月20日「第5次エネルギー基本計画(案)」への任意の意見募集(パブリックコメント)が行われました。 この計画案は、今年5月16日の第27回・総合資源エネルギー調査会基本政策分科会でまとめられたものです。3.11を経験した国であるにも関わらず、未だに原子力発電(核発電)の利活用が盛り込まれています。 私は3.11を止められなかった有権者の一人です。自分への反省も含めて、この案は看過できないので、14日付で意見を提出しました。(リンク)エネルギー基本計画(案)・本文(PDF・107頁)総合資源エネルギー調査会====私の提出した意見==== とりまとめられた案に対して、「一面賛成・一面反対」の立場から意見を送ります。 エネルギー政策は、「3E+S」「脱炭素」「即時・脱原子力」を基本とすべきです。再生可能エネルギー・EV・蓄電池の普及と低価格化を図る為の技術開発や予算の投入、送電系統の有効活用や利用状況の情報公開を図る為の法令等の整備は、積極果敢に進めるべきです。特に、系統に関しては、通信回線の「ユニバーサルサービス」に等しいものと位置づけ、川上から川下まで、公平・低廉なアクセス・利用を可能な限り追及するべきと考えます。 原子力(核発電)に関しては、即時、利活用を中止し、廃止措置の為の法令の整備・予算の確保に舵を切るべきです。理由は大きく、二つあります。 絶対安全な技術、絶対確実な管理は存在せず、それは、神話に過ぎません。 福島第一原発事故は8年目に入って未だに継続中であり、月間数千人の人達が被曝しながら働き、固体・液体の区別なく、廃棄物は増加し続けています。このような状況で、万一、次のシビアアクシデントが起これば、この国は「核災害二正面作戦」を強いられることになります。二つの事故に対応するリソースが用意できなければ、この国は一体どうなりますか。どのようなメリットを並べても、国を滅ぼすリスクを背負ってまで核発電を使う理由にはなりません。 理由の二つ目が、使用済み核燃料の保管・処理の問題です。核発電を利活用し続ければ、何れは、使用済み燃料の保管容量が物理的な限界を迎えます。これらを何処に保管し、どのように処理・処分するのか、基本計画案では、何ら具体的な対策に触れていません。仮に長期保管するにしても、自然や人為的な事象に対する安全の確保も必要で、コストと人手がかかることです。これ以上、「行き場も処理方法も定まらない危険なゴミ」を増やし続けるのは、未来の世代に対する犯罪でもあります。 如何なる条件を付けようとも、原子力の利活用には反対です。エネルギー基本計画には、「即時・脱原子力」を盛り込むことを強く望みます。 尚、これらの意見は全て私個人のものであり、他の如何なる組織・個人とも関係の無い事をお断りしておきます。====私の意見、ここまで====「3E+S」とは、エネルギー基本計画案に盛り込まれている言葉です。「エネルギーの安定供給(Energy Security)」「経済効率性の向上(Economic Efficiency)」「環境への適合(Environment)」「安全性(Safety)」を指します。春橋哲史(ツイッターアカウント:haruhasiSF)