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元SF小説家・春橋哲史のブログ(フクイチ事故は継続中)

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2017.05.12
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カテゴリ:反原発・脱原発
 5月5日・子どもの日にも、金曜行動は行われました。希望のエリアと議事堂前でスピーチさせて貰いました。場所は下記。



議事堂前の動画(私は55分20秒~/IWJ/ユーザー登録か購入が必要)

希望のエリア(私は32分~/ツイキャス録画)

 議事堂前では、フクイチの作業員の情報と炉規法等の改正について話し、希望のエリアでは、フクイチの作業員の情報と東海再処理施設について話しました。

 作業員の平均被曝線量の数値を間違えて伝えてしまったので(16年度ではなく、15年度のものを話してしまった)、16年度の数字の確定値が出たら、修正のスピーチをしなければなりません。恥ずかしい間違いをしてしまいました。

 私がスピーチで取り上げた内容の詳細は、下記。

福島第一原発に於ける、17年2月までの入域作業人数・被曝線量別人数

原子力規制行政の大転換~明確化された事業者責任~

ゆっくり進んでいる東海再処理施設でのガラス固化処理

 ここからが、本記事の本題です。希望のエリアの動画を観て頂くと分かりますが、4月30日に開催された「日本列島の全原発が危ない~広瀬隆白熱授業2時間!!~」(中野ZEROホール/企画・司会 広河隆一)の内容への批判です。尚、ここから先は長文となるので、時間の無い方は読み飛ばして頂いても構いません。

 該当講演会を全編収録しているIWJの動画はこちら


広瀬隆氏講演への批判その1「福島第一原発3号機核爆発説」

 IWJの動画1時間55分50秒当たりでの広瀬氏の発言です。氏によれば、福島第一原発3号機は「核爆発した」とのこと。科学的な根拠が提示されていない暴論です。根拠としているのが、「専門の人から話を聞いた」「煙が縦に上がっている」「振動でラックが何処か外れたに違いない」というもので、伝聞・状況証拠・憶測です。根拠になっていません。

 核爆発だったら、フクイチそのものが吹っ飛んで無くなっているか、高線量被曝で作業員の方達がバタバタ亡くなっているでしょう(核爆発でも高線量被曝しない場合が有るのなら、それを説明するべき)。実際には、原子炉建屋の屋根は吹っ飛びましたが躯体は残り、燃料プールも、水を貯める機能・注水する機能は残り、内部の燃料棒も確認できています。現在は、瓦礫撤去が完了し、燃料交換機の設置作業中です。
 国会事故調・政府事故調・民間事故調報告書、何れにも「核爆発した」と断定した文言は無く、燃料棒の被膜から発生した水素が建屋内に充満した事で、水素爆発に至ったと推測されています。

 広瀬氏自身は3号機への立ち入り調査はしていませんし、仮に、別の誰かが論文等で根拠を示しつつ核爆発したと主張しているのなら、それを紹介するべきです。私自身はそんな論文は聞いた事は有りませんし、広瀬氏も講演の中では、伝聞・状況証拠・憶測以外の根拠(繰り返しますが、これらは「根拠」にはなり得ないもの)を提示していません。「3号機核爆発説」は根拠の無い暴論です。到底、科学的な話をしているとは言えないでしょう。


広瀬隆氏講演への批判その2「東海再処理施設の高濃度廃液」

 私が、5月8日付で当ブログに「ゆっくり進んでいる東海再処理施設でのガラス固化処理」をアップしたのは、広瀬氏の講演の内容が事実を無視しており、余りに酷い内容だったのが理由です。

 広瀬氏は、講演の中で「セシウム137で120京ベクレル」という推定値を示しています(IWJの動画の1時間35分30秒当たり)。私のブログにまとめたように、昨年8月の時点で、高濃度廃液のインベントリー(放射能量)は、400京ベクレルと推定される旨の資料が原子力規制委員会定例会に提出されています。広瀬氏は、規制委員会の議論や資料をチェックしていないのでしょう。 

 又、動画の1時間34分14秒当たりで「430㎥は人間の背丈4人半分で・・・」という主旨の説明をしていますが、そんな説明に何の意味があるのでしょう? フクイチのタンク内汚染水は17年4月末時点で約88.5万㎥(≒88.5万t)です。量を言うのなら、フクイチのタンク内汚染水の方が圧倒的に多いです。

 更に、動画の1時間34分50秒辺りで、「1㎥漏れただけで壊滅する」と、危機感を煽るような発言をしています。パワポの資料では、東海再処理施設を中心に「壊滅する範囲」が同心円状に広がっていますが、廃液が陸地にどんな影響を及ぼすのでしょうか? 廃液が漏れるような事象を現実的に考えれば、津波で設備が破壊されて、廃液が沖合に持っていかれる可能性が最も高いのですから、陸と海を同列に扱うのは無理があります。仮に、陸ならではのリスクがあるのならそれを説明するべきですが、何の説明も有りません。廃液は臨界を起こさないという説明も有りません。

 広瀬氏の東海再処理施設に関する説明(そもそも、説明と言える代物ではないのですが)で極めつけは動画の2時間2分辺りのパワポの説明です。「ガラス固化不可能」と説明されています。
 事実と全く異なります。私は日本原研を弁護する訳ではありませんが、ガラス固化はゆっくりと進んでいます。それを示す為にも、5月8日付で東海再処理施設に関する記事を当ブログにアップしたのです。広瀬氏や、講演会を企画した広河隆一氏は、日本原研から名誉棄損で訴えられたらどうするのでしょう? 日本原研は進捗状況をネットで公開し、公開の場で行われている規制委員会の検討会でも説明しています。にも関わらず、ガラス固化が進んでいるものを「不可能」と説明しているのですから、事情を知らない来場者や動画の視聴者には、明らかに嘘を伝えていることになります。「間違いでした」では通らないでしょう。


広瀬隆氏講演への批判その3 リラッキング

 4月28日の希望のエリアで、福島瑞穂参議院議員(社民・比例)もスピーチで取り上げていた件です(当日の動画はこちら・福島議員は1時間20分~)

 因みに、リラッキングとは「貯蔵プールの大きさを変えずに、ラック(収納棚)の間隔を狭める改造をすることで、使用済燃料の貯蔵能力を増やすこと」(関西電力のサイトより抜粋・引用)を意味します。

 このリラッキングの話に入る前に、広瀬氏は六ヶ所村にある日本原燃の再処理工場の話を続け、動画の1時間44分50秒辺りで、「2017年1月時点」の使用済み燃料プールの保管容量をパワポで説明しています(「残り容量32t」の説明書き)。
 そして、1時間45分辺りで「六ケ所村に搬入できなくなってどうするのか?」と聴衆に質問を投げかけた後、1時間54分辺りで、驚くべき事に「2003年の高浜発電所3・4号機の変更申請書」の件の説明が始まります。動画を観ていて、私は、唖然としました。
 2017年1月の六ヶ所再処理施設のプール容量から、いきなり14年も遡ったのです。この後、広瀬氏のリラッキング批判・電力会社批判・規制委員会批判は最高潮となり、福島瑞穂参議院議員を強力な助っ人のように話しています。

 時系列を無視し、科学的な説明は無く、主観的表現が多く、突っ込み所は満載でした。私はただ笑うしかありませんでした。反論するのも馬鹿馬鹿しいのですが、広瀬氏や広河氏は影響力が大きいので、箇条書きにまとめます。

●広瀬氏が批判しているリラッキングは3.11前に行われた事で、3.11後に発足した原子力規制委員会がリラッキングを認めた事例は無い。又、規制委員会はリラッキングに必ずしも良い顔をしていない。
●リラッキングは、早いものでは80年代や90年代から実施している。広瀬氏はどうして、当時ではなく、今になって声高に訴えているのか(国会議員の事務所を通じて資料を出させるなら、3.11前も出来た筈)。
●燃料棒同士の間隔が狭まれば「連鎖的な核反応が起き易くなる」事を批判しているが、川内と伊方以外の原発の燃料棒は十分冷えている筈であり、水が抜けただけで臨界が連鎖する事は有り得ない筈(私は専門家ではないが、崩壊熱が時間と共に減衰していく事くらいは知っている)。燃料棒の温度を計算するCODEが有る筈だが、広瀬氏はそのような計算CODE・分析CODEを紹介していない。
●何年もプールで水に漬かったままで冷えている燃料棒が臨界に達するとしたら、燃料棒がどの程度の温度に達しなければいけないのか、それにはどの程度の時間が必要なのか、科学的な説明がされていない。
●広瀬氏は「(燃料棒の)間隔を狭める」事のみを以て批判の理由としている。然らば、どのくらいの距離なら安心できる裕度が確保できると言えるのか、その距離や根拠も科学的に説明されていない。
●「間隔が詰まれば危険」と言うのなら、乾式保管も危険ではないのか。広瀬氏は乾式キャスクを利用しての空冷保管を勧めているが、乾式キャスクなら「間隔を詰めても良い」理由が説明されていない。
●伝え方の問題だが、「2倍の容量を詰めてパンパンになっている」等、形容詞や主観的表現が多く、数字で語られないので、全体像が把握できない。

 以上が、動画を視聴しながら私が疑問に思った事、笑ってしまった事です。
 但し、リラッキングは知っておかなければいけない事なので、8日に本ブログを更新した後、数日をかけてネットで調べてみました。広瀬氏も出来る筈ですが、広瀬氏は公開情報を調べるのが不得手なのでしょうか?

 以下、私が調べた範囲で、リラッキングの情報を載せておきます。私が自由に使える時間の関係で、全ての電力事業者を調べられた訳でない事はお断りしておきます。

日本原電→ 東海第二原発で1991年~94年に、敦賀原発で1998年~2000年にリラッキング工事実施。

北陸電力→ 志賀原発で2007年にリラッキング工事完了。

九州電力→ 川内原発で2007年度にリラッキング工事実施(PDFの2頁)。

関西電力→ 美浜原発で2001年に、2004・05年度に高浜原発でリラッキング工事実施(工事計画書のPDF3頁)

四国電力→ 伊方原発で2000年か01年に工事実施。

 その他、講演で映し出されたパワポ資料によると、島根原発は1980年に実施しているとのことです。広瀬氏は福島議員の事務所を通じて電力会社に資料を出させたと自慢しているようでしたが、要するに、広瀬氏がリラッキングに関する公開情報を調べていなかっただけの事でしょう。私が各電力事業者のサイトを僅か数日間調べて、全てではないにせよ見付けられたのですから、広瀬氏も自力で調べられる筈です(公開の姿勢は事業者によって違いがあり、日本原電のサイトは分かり易かったです)。

 国会議員の事務所に動いて貰うのなら、津波浸水の可能性がある地帯に除染廃棄物が詰まったフレコンバックが置かれたままになっている現状だとか、フクイチの作業員の9割が協力会社の雇用であるとか、東電が認めているだけでも発災以来16人の作業員が亡くなっている事とか、優先順位の高い問題は他に幾らでも有るでしょう。リラッキングがどうでも良い事とは言いませんが、早いものだと今から40年近く前から行われていることです。しかも、繰り返しますが、稼働していない原発の燃料棒は冷えています。今、この状況で、他の問題を押し退けてまで取り上げる事でしょうか? 広瀬氏の優先順位の付け方・考え方は理解できません。

 各原発の使用済み燃料保管の状況は、機会を見て、ポンチ絵としてまとめる予定です。


広瀬隆氏講演への批判その4 「もんじゅ」

 広瀬氏の講演全編を通じて触れられていなかったのが、高速増殖原型炉「もんじゅ」の件です。以前、当ブログでもまとめて紹介しましたが、もんじゅは廃炉が決定されたものの、書類上の決定だけで、燃料棒(燃料集合体)を抜く見通しが立っていません。

当ブログの17年3月30日付記事を参照→ 高速増殖原型炉「もんじゅ」の、経緯と概要

 日本原研のマネジメントレベルは劣悪で、もんじゅの歴史は「不適合管理の歴史」と言っても過言ではありません。燃料取り出し設備の点検・部品交換から始めなければいけないのですから、モタモタしている間にナトリウムが漏れるような事故が起き、それがシビアアクシデントに繋がったり、もんじゅの施設内で作業ができないような事態になったらどうするのか。

「日本中の全原発が危ない」というテーマでの講演会にも関わらず、もんじゅのリスクに全く触れていないにはどういう事でしょうか? 私は、定期検査中で燃料棒が冷えている原発より、冷却材にナトリウムを使っているもんじゅの方が、遥かにリスクは大きいと思います。この講演会は原子力施設の「危なさ」を伝えるものではないのでしょうか? より大きな「危なさ」を持っているもんじゅを取り上げず、聴衆に警告を発しないのが理解できません。

 ここから先は推測ですが、広瀬氏も広河氏も「もんじゅから燃料棒を抜く見通しが立たない」ことを知らないのではないでしょうか? 又、日本原研のマネジメントが劣悪だということも知らないのでは? 両氏とも、規制委員会の定例会やその他の検討会の資料・議論をチェックしていないとすれば、知らない事も大いにあり得ます。

もんじゅ廃止措置安全監視チーム(原子力規制委員会のサイト)


広瀬隆氏への批判・まとめ

 
4つの項目で批判を書きましたが、「フクイチの排気塔の中に推定100兆ベクレル」と説明している件など、他にも批判すべき点はあります。とは言え、広瀬隆氏への批判より、東電や日本原研への批判が優先順位の高い事なので、私としては、「広瀬批判」にリソースを割きたくはありません。
 批判3のリラッキングの件は冗長に過ぎたきらいはありますが、批判1・2だけでも、広瀬氏の話は「信用できない」事がお分かり頂けると思います。核爆発説は状況証拠をくっつけただけの陰謀論の類ですし、東海再処理施設のガラス固化の件は「事実と異なります」の一文で一蹴されます。

 リラッキングの件は、時系列が無茶苦茶で聞くに値しませんでした。聞かないと批判出来なので止むを得ず聞きましたが、暴走振りに笑うしかないもので「反面教師とした」のが成果でしょうか。

 事実を確認せず、思い込みや憶測で語り、時系列も科学も無視する人が、反原発・脱原発の運動で大きな影響力を持っているのは、好ましい事ではありません(しかも、来場者からお金と時間を貰っているのです)。これでは、「脱原発の人達は非科学的・非論理的」と言われても、反論できません。このような講演会を、ジャーナリストという、事実を伝えるのが仕事である筈の広河隆一氏が企画し、福島瑞穂参議院議員が調査に協力し、山本太郎参議院議員や木内みどり氏も聴衆として参加していたそうですから(ツイッターの情報より)、悪い意味での影響力は無視できません。これでは、反原発を訴える側は、事実を以て論破され、信用を失い、仮に良心的なメディアがあったとしても、取り上げてくれなくなるでしょう。
 私が、メディアの企画責任者の立場なら、広瀬氏・広河氏は取り上げられません。明らかに事実と異なる発言や説明が名誉棄損と食いつかれ、裁判沙汰になれば、巻き込まれます。そんな「やばい事・人」とは関わりたくないです。
 福島議員や山本議員は、スタッフも含めて多忙で、規制委員会の会議や資料をチェックする時間が無い為、恐らく、広瀬氏の間違いに気付いていないのかも知れません。 


広河隆一氏への批判

 広瀬氏の講演(「講演」と呼べるのかどうか疑問ですが)が終わった後、広河氏がヨウ素配布・常備を
訴えていました。広瀬氏の話の趣旨は「燃料プール・ピットの燃料棒が燃え上がる」事なのですから、実際に起これば、広範囲が汚染地帯となります。ヨウ素剤だけでは対策にならないでしょう。避難計画の策定・飲食物の確保・予算や移動手段の確保も必要でしょう。ヨウ素剤配布は対策のごく一部に過ぎません。

 広河氏は「出来る事から始める」と言っていますから、ヨウ素剤以外の事も忘れてはいないようです。とは言え、ここでも、優先順位が異なっているように思えました。若し、100キロ単位の範囲が避難すべき地帯になれば、避難先が見付からないか、辿りつけない可能性があります。ヨウ素剤が意味が無いとは言いませんが、核災害に関しては、とにかく「距離をとる事」を原則にすべきで、その点をすっ飛ばし、SPEEDIの話もせず、ヨウ素剤配布・常備の話に留まるのは、私としては「???」でした。

 又、再処理施設にある高濃度廃液が漏洩したとして、ヨウ素剤が何の役に立つのでしょう? 廃液は臨界は起こさない筈ですし、廃液で最も可能性が高いリスクは海洋汚染です。海洋汚染対策でヨウ素剤なのでしょうか? 何のことやらさっぱり分かりません。

 広河氏は、「物事を決める組織の人事の件も早目に知って対処する」旨を発言していますが、それなら何故、原子力規制委員委員長の後任に更田豊志氏が提示された事を伝えないのでしょうか? 
 新聞報道もされていますし、規制委員会のサイトにも、当事者の言葉が載っています。

原子力規制委員会委員長・委員の国会同意人事について

 広河氏は、「事故に備える」主旨で話しているようでしたが、ヨウ素剤の配布・常備以外は実践しているものが無く、事実の提示や紹介も無く、空虚な呼びかけに思えました。控え目に言っても、決意表明以上のものではありませんでした。 


企画への批判

 約2時間半にも及ぶ動画を視聴して、この記事を書くことにもなり、徒労感ばかりが募ります。
 結局、この「白熱授業」は何を目的にして開催されたのでしょうか? ここも箇条書きにします。

●リスク把握を目的にしているのなら、事実でないことを伝え、重要な事実を落としている時点で、目的は達成できない。
●リスク低減策・事故防止策を考えるのが目的だとしたら、各施設の現状や所管組織のマネジメント能力、規制委員会や国会の対応振りを伝えなければいけないが、それは伝えられていない。
●事故後の対応を考えるのが目的だとしたら、ヨウ素剤配布・常備だけにとどまらないが、それ以外の話が出ていない。
●「原発(核技術)は危ない」というのは、3.11で経験済みで、今更、長時間を要して聞くことではない。

 主旨が不明確な上、事実でない事や陰謀論めいた話を聞かせるに至っては、噴飯ものとしか言いようが有りません。企画した広河氏も、長広舌を振るった広瀬氏も、聴衆に、何を伝えようとしたのでしょうか? どんな行動を期待したのでしょうか? 

 広瀬氏や広河氏の意図は分かりませんが、嘘や誤った内容を伝える事を繰り返していると、脱原発・反原発の側は政治的に自滅するでしょう。動機に関わらず、信頼を失えば終わりです。この「白熱授業」を観た限りでは、広瀬氏や広河氏のやっていることは逆効果になると思います。結果的に、脱原発・反原発運動を貶める事に手を貸すに等しい行為です。

 中野ZEROホールの客席約500人(公式サイトによると、小ホールで507席)は満席だったとの事。恐らく、凡そ500人が、間違った情報と資料を持って帰宅したと思われます。木内みどり氏も、この広瀬氏の講演の事を「濃い時間でした」と評価しています。
 聴衆に悪意は無いと思われるので、批判する訳にもいきません。ですが、広瀬氏の話の内容は独り歩きするでしょう。こうして、脱原発・反原発運動は結果として信用を失うことに繋がるでしょう。

 広河隆一氏は自ら、戦場や汚染地帯に入り、現地からの貴重なルポを行っている方なので、今回の講演会を企画した動機に悪意は無いと思います。ですが、残念ながら、書類を調べたり、会議を傍聴・視聴するなどの、「書類仕事」「机上仕事」は苦手のようです。一人称で規制委員会や各事業者のサイトを確認していない為、広瀬氏に「放言」されても気付かないのでしょう。広河氏の周囲の人も、広河氏の抜け・洩れを指摘する「的確なアドバイザー」ではないようです。
 今回の「白熱授業」の企画には月刊誌「DAYS JAPAN」の名前も有りますから(広河隆一氏が発行人ですから、当然とも言えますが)、残念ながら、私の中では、この雑誌への評価も下がりました。公開情報すら踏まえないで、ジャーナリズムを語られても、説得力がありません。
 

どうすれば良いのか

 ここで次に問題になるのは「自分で調べる時間の無い人・調べ方が分からない人は、どうすれば良いのか」ということでしょう。

 取材や調査を仕事にしている人と、フルタイムで働きながら、或いは介護や育児の合間を縫ってプライベートな時間を遣って講演会等で情報収集をする人とでは、調べる量も質も違ってきてしまいます。自分の知らない事を話している人が目の前にいたとして、その人の話が信用できるのかどうか、どのように判断すべきでしょうか?

 私自身が心がけている事ですが、公の場で検証できる根拠を示しているかどうかが、最大のポイントになるでしょう。私が、グラフやポンチを作る際に、出典のURLを記載したり、直リンクを貼っているのは、そういう事です。
 
 公的な機関や組織の出している情報なら、立場に関わらず議論の前提として使えます。若し「その数字は信用できない」と言われれば、「これに代わる根拠のある数字を示して下さい」と言うだけの事です。

 新聞等の報道機関で扱っている数字も、基本的には別の組織が公表した数字を基にしています。それなら、その数字を出した組織のWebサイト等で直接調べた方が確実です。数字の前提になる大事な留保条件が伝えられていないかも知れません。とにかく伝聞ではなく、一次情報に、出典に当たる事です。
 
 このブログを読ん下さっている方にも呼びかけですが、「出典を明示していない」「第三者が検証できる情報を提供していない」人の話は、信用度が低いと判断し、参考程度に留めておくことをお勧めします。出典が報道の場合も原則として同様です(現地取材や幾人もの当事者のインタビューなど、「書類以外の要素」が含まれている場合は例外も有り得ます)。

 希望のエリアでも話したことですが、「誰かが言ってた」とか、「ナントカ新聞に載ってた」という三人称ではなく、元となる情報を、一人称で調べて・発信することです。一人称での行動を繰り返して、個人を強くする事です。個人が強くならなければ、運動も強くならないでしょう。

 私は、今後とも、正確な情報の発信に努めます。

 尚、念の為ではありますが、私は、「如何なる原発の再稼動にも反対であり、フクイチ事故の被害者の救済と、廃止措置の遂行に集中すべきである」という立場であることはお断りしておきます。


春橋哲史(ツイッターアカウント:haruhasiSF)

※5/14 「広瀬隆氏への批判・その4」「広河隆一氏への批判」「企画への批判」「どうすれば良いのか」を追加し、その他の文章を一部訂正。
※9/9 文章の一部を手直し






Last updated  2018.10.02 23:38:13
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