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カテゴリ:福島第一原発
今回は久し振りに、福島第一原発の、液体廃棄物以外のリスク対策の進捗をまとめました。
3月29日の東電の「中長期ロードマップ進捗」の記者会見での発表と、原子力規制委員会で3月30日に行われた監視・評価検討会での資料・議論に基づいて、ざっくりとまとめます。記事下部にスクロールして頂くと、地図やポンチ絵があります。 ●メガフロート→港湾内開渠部に着底させ、埋め立てて、ヤード(資材置き場)として利用 ●2号機原子炉建屋内部調査→4月から、前室内で建屋に穴開けを始める予定。 ●1号機オペフロ瓦礫撤去→1月から小瓦礫の撤去を開始 ●1・2号機共用の排気塔→無人工作機で上半分を解体。ダスト対策検討中。実物大模型で機器操作訓練を行い、2019年開始予定。 ●10m盤建屋内滞留水の流出防止策→2020年までに、津波による引き波で流出する可能性のある開口部を閉塞予定(一部完了、一部実施中)。 ●プロセス主建屋地下のAREVA(アレバ)スラッジ→容器に移し替え、2020年度末(目標)までに高台へ移送。高濃度・高線量。 どれも重要ですが、AREVAスラッジの濃度・線量は見逃せません。 AREVAスラッジの上澄水は、昨年7月18日にDピットから採取し、8月31日に分析したとのこと。結果は、下にリンクを貼ったPDFに記載してありますが、 僅か1mLで、全ベータが約4万8000㏃、線量がベータ線で毎時59.5mSvです。 上澄み水でこれですから、貯槽の底部に溜まっているスラッジそのものを合わせると、実測でどれだけのインベントリ(放射能量)になるのでしょう。作業する方々の被曝線量が心配です。 こんな高濃度のものが海抜10m盤の地下に滞留しているのです。福島第一原発事故は、文字通り、終わっていません。 廃棄物試料の分析結果(2018年3月29日、IRID・JAEA) 又、福島第一廃炉推進カンパニーのプレジデントである増田尚宏氏が、18年3月を以て退任し、4月以降、東電HDの副社長となります。後任は、前の福島第一の所長(吉田昌郎氏の次の所長)であった、小野明氏が4月1日付で着任します。東電のリリースは既に出されおり、3月29日には、増田氏の退任記者会見も行われました(東電のサイトで視聴可能)。 2月27日に公表された東京電力ホールディングスの役員人事(PDF) 3月31日に原子力規制委員会で行われた「第59回 特定原子力施設監視・評価検討会」は、私は傍聴しました。 資料・動画にリンクを貼っておきます。 第59回特定原子力施設監視・評価検討会 資料一覧 同・動画(2時間15分) 以下に、フクイチの最新情報を踏まえた各種ポンチ絵を掲載します。無断転載・利用は御遠慮下さい。 ![]() ![]() ![]() プールからの燃料取り出しと、デブリ調査に関する計画と進捗 ![]() ![]() 参考:福島第一原発の廃炉・汚染水対策の役割分担と関係図 ![]() ![]() 春橋哲史(ツイッターアカウント:haruhasiSF) ※ 4/7 フクイチの概要と、全体役割分担のポンチ絵を更新。
Last updated
2018.04.07 14:41:54
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