元SF小説家・春橋哲史のブログ(フクイチ核災害は継続中)

2023/03/12(日)18:53

六ヶ所再処理施設の適合性審査書案に関して、パブコメを提出

反原発・脱原発(46)

※2023/3/12追記 本件パブコメの募集期間:2020年5月14日~6月11日(原子力規制委員会)提出意見:574件(リンク)​結果公表・資料​​/2020年7月29日 ​ 原子力規制委員会では、六ケ所再処理工場の適合性審査書案に関する任意のパブリックコメントを募集しました。  これは、日本原燃株式会社が、青森県六ケ所村に建設している再処理工場(使用済み核燃利用を裁断して、プルトニウム・ウラニウムを取り出し、新たな核燃料の原料とする為の工場)について、「新規制基準に適合している」とする審査書案に関する意見募集です。  私は、核燃料サイクルを含め、核技術を動力源・エネルギー源として利用するのは反対ですので、審査書案に反対の立場から意見を送付しました。 (リンク) (再処理の解説)​再処理とは​ ​(パブコメ提出はこちらから)日本原燃株式会社再処理事業所における再処理の事業の変更許可申請書に関する審査書(案)に対する科学的・技術的意見の募集について​  6月9日夜間に私が送付した意見を、個人情報を除いて、ほぼ原文で掲載します(末尾の番号は提出時に表示されたもの)。  尚、意見募集は「科学的・技術的」なものとされていますが、「社会科学」も科学ですし、私は細かな条件にはこだわらず、とにかく、主権者としての意思表明の手段・機会として柔軟に捉えています。 ​====送付した意見、ここから====​  本審査書案の「適合」とする結論に反対の立場から意見を送付いたします。 理由1:現在、この国は福島第一原子力発電所事故という核災害の収束の真っ最中であり、終了時期も、それまでに必要となるリソース(資機材・人材・予算)も見通せていません。 このような中で、新たな原子力施設を稼働させ、万一、シビアアクシデントや、それに相当する事故が起きれば、この国は「核災害二正面作戦」を強いられることになります。二つの核災害に対応できるリソースが確保できるかどうかは誰にも予測できません。確保できなければ、この国は一体どうなりますか。 原子力施設の安全に絶対が無いことは先の事故によっても証明されており、原子力規制委員会も認めているところです。シビアアクシデントの可能性を極力排除する為には、新たな原子力施設を稼働させないことが一番です。 理由2:再処理施設が稼働すれば、プルトニウムが増えることになります。しかも、そのプルトニウムを消費できる見込みは、僅かなMOX燃料炉のみとなっています。「使い道のないプルトニウム」の大量保有は、「核の平和利用」を形骸化させかねません。日本が、近隣諸国の核開発競争を煽り、激化させる引き金を引くことにもなりかねず、核不拡散・核の平和利用の観点から、原子力規制委員会は、厳格な規制を行い、再処理施設の稼働を認めるべきではありません。 理由3:再処理施設が稼働すれば、様々な種類の「放射性廃棄物」が発生します。東海再処理施設で、高放射性廃液のガラス固化が暗礁に乗り上げている事例からも分かるように、再処理を行うことで、却ってリスクが高まる可能性が有ります。そのようなリスクを冒してまで、再処理施設を稼働させる必要はありません。 総論:原子力規制委員会は「人と環境を守る」のが役割の筈です。現在だけではなく、将来も含めた「人と環境」を守ることを考えて下さい。将来、本施設に関して何らかのリスクが顕在化した際、施設の竣工や認可に携わった方達は、引退しているか、失礼ながら他界されている可能性も有ります。責任を負えないことはしないで下さい。  核のリスクを極力低減させ、又、放射性廃棄物の保管・処理を極力シンプルに済ませられるようにするのが、現在と将来の「人と環境を守る」ことに繋がると信じます。原子力規制委員会には、未来を見据えた判断を期待します。   本審査書案は「不適合」とし、六ケ所再処理施設の稼働は認めるべきではありません。  尚、この意見は私個人のものであり、他の如何なる組織・個人とも関係の無いことをお断りしておきます。 ​202006090000992***(提出時の番号)​ ​====意見、ここまで====​ 「核燃サイクルに反対・再処理工場の稼働に反対」だけでも、立派な意見です。 春橋哲史(ツイッターアカウント:haruhasiSF)

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