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元SF小説家・春橋哲史のブログ(フクイチ核災害は継続中)

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haruhasi@ ややこしい記事を読んで下さり、有難うございます きなこ様  度々、コメントを頂戴して有…
きなこ@ Re:フクイチの汚染水(処理水)放出までの経緯 2012年11月~23年8月(10/13) 詳しい経緯のまとめ、ありがとうございま…
春橋哲史@ 提出、お疲れ様です 押田様  コメントを有難うございます。 …
押田真木子@ Re:5日間で4件のパブコメを提出して(12/29) 「23文字・最短20秒」ありがとうございま…
春橋哲史@ 新たなトリチウム分離等の技術について きなこさんへ  コメントを有難うございま…

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2024.09.06
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カテゴリ:読了した書籍

2022年10月頃から、通勤の合間などに電子書籍を集中的に読んでいます。​

 表題に関する著作で読了したものを、備忘録も兼ねて掲載します(紙版で2021年以前に読了しているものも含みます)。

 ジェンダーや性暴力は「個人の尊厳」に密接に関わります。
 核災害関係の市民運動では、エロ河(広河)や、エロ太郎(厳太郎)の事件が有りましたが、これらの問題は曖昧にされているように思います(かくいう私も、ブログで継続して取り上げることが出来ていません)。性犯罪・性暴力の被害者救済・再発防止・加害の背景の考察は、運動の内部でどれだけ真剣に取り組まれているでしょうか?

 核災害の被害者救済と再発防止には全力を上げるけども、その他の個人の尊厳の侵害には取り組まないのでは、説得力も何もあったものではありません。核災害であれ、性暴力であれ、「個人の尊厳の侵害」「生活や人生に取り返しのつかないような影響を及ぼす」という本質は同じでしょう。
 内部で個人の尊厳を蔑ろにする運動が、外部に対して、どれだけの説得力と影響力を持ち得るか?

 性暴力やジェンダー関係の本を読むと、特に性暴力の被害とその救済・賠償の問題が、核災害による被害と類似していることに気付かされます。
 何れも「見えない問題は解決できない」ものであり、被害者の訴えや意見は矮小化され、「無かったこと」にされ(無かったことにする手段の一例として、一方は「レイプカルチャー」論、一方は「風評被害」論)、「私さえ黙れば、我慢すれば」に追い込まれます。
 被害者が自らの被害や訴えを社会化しようとしたら、被害が癒えず賠償されない中で、人生をかけるような膨大なリソースを投入して声を上げ、訴え続けなくてはいけない。加害者は「個人的な人間関係」「多少の金銭」「社会的な地位や権力」「脅し・プライバシーの暴露」等、あらゆる手段を用いて被害者の訴えを妨害し、被害者個人を貶め、声を上げるという行為そのものを潰そうとします。

 しかも、被害者がそれらを乗り越えて賠償や謝罪を勝ち取ったとしても、賠償額は少なすぎ、被害と、賠償に至るまでのプロセス、それに要したリソースと全く釣り合っていません。


「本人の自由な意志に反する・或いは意思を確認せずに、心身や人生に外部から介入してはならない」という、「個人の尊厳」の基本が根付いていない社会とは、何でしょうか。


 社会の中の男女の権力や役割の非対称性、「男らしさ」の考察など、考えるべき事、取り組むべき事は多いです。
 私は、核災害関係にリソース(時間・お金・労力)を最優先して割り当てているので、他の課題は、「僅かなカンパ」や「合間に本を読む」程度にとどまらざるを得ないのが残念です。
「フラワーデモ」にも参加したいのですが、身体は一つ、1日は24時間しかありません。

 読書でもジェンダー関係は数が少なくなりがちですが、今後も読んでいきます。

(読了した書籍を整理した拙ブログ記事)
 ▸​​フクイチのオンサイトに関して読了した書籍/23年7月末​ 

 ▸​フクイチ核災害の報告書関係で読了した書籍/23年7月中旬

 フクイチ核災害に関する意思決定・政策決定に関して読了した書籍/24年5月上旬

 ▸​​​​フクイチ核災害のオフサイト・日本の原発史で読了した書籍と、鑑賞した映像作品/24年10月上旬

 ▸​原発・被曝労働に関して読了した書籍/23年7月末

 ​​旧ソ連の核開発・チョルノービリ核災害に関して読了した書籍/2024年9月中旬

 核爆弾(原爆)投下に関して読了した書籍と、鑑賞した映像作品/24年10月初旬

 ▸沖縄(琉球)関係で読了した資料/23年8月下旬

 ▸​ドイツ第三帝国関係で読了した書籍/23年11月中旬

 ▸​​​​​​​​​​日本の近現代史で読了した書籍・その1(台湾出兵~関東大震災)/24年4月下旬

 ▸​日本の近現代史で読了した書籍・その2(張作霖爆殺~対米英蘭開戦決定)/24年11月下旬

 ▸​日本の近現代史で読了した書籍・その3(太平洋戦争開戦~小磯・米内連立内閣発足)/25年2月上旬

 日本の戦後史関連で読了した書籍/2024年9月中旬

 ▸
小説・エッセイ・論考等で読了した書籍/24年12月上旬

 本来なら、一作ずつ書評を書くべきですが、個人的に多忙なのでリストのみとします。
 
 尚、「キャサリン・グラハム わが人生」についてだけ、特に書いておきます。
 この本は「世界史」に分類しても良いのですが、グラハム氏が「世界史上初のワーキングウーマン」であることに重きを置いて、私は「ジェンダー」関連に分類しました。
 キャサリン・グラハム氏は、夫の自殺によってワシントン・ポスト紙の経営を引き継ぎ、その中でウォーターゲート事件を報道すべきかどうか、決断を迫られ、現場の記者を信頼し、支援する判断を下します。
 世界史に影響を与えたワーキングウーマン(現代ならビジネスパーソンと形容すべきか)であり、世界を飛び回ってアメリカ大統領とも対等に口が利けました。

 括弧内は「著者・出版元・電子書籍の発行年月」です。番号は整理の都合上、付与しました。リンクは、原則として「楽天Kobo電子書籍ストア」へ貼っています。紙版も購入困難なもの(◆)のみ、写真を掲載しました。


読了した書籍

1.●​女子高生の裏社会~「関係性の貧困」に生きる少女たち~​(仁藤夢乃/光文社/2014年9月)

2.●​難民高校生 ー 絶望社会を生き抜く「私たち」のリアル​(仁藤夢乃/英治出版/2014年12月)

3.●​Black Box​(伊藤詩織/文藝春秋/2022年3月)

4.●​13歳、「私」をなくした私 性暴力と生きることのリアル​(山本潤/朝日新聞出版/2021年4月)

5.●​声をあげて​(五ノ井里奈/小学館/2023年5月)​

6.●​これからの男の子たちへ 「男らしさ」から自由になるためのレッスン​(太田啓子/大月書店/2021年07月)

7.●フェミニズムってなんですか?​(清水晶子/文藝春秋/2022年5月)

8.●​キャサリン・グラハム わが人生​(キャサリン・グラハム,小野善邦/CCCメディアハウス/2018年3月)

9.◆​世界を変えた女性たち 現代アメリカ・フェミニズム史​(マーシア・コーエン,森泉弘次,宮内華代子/誠信書房/1996年10月)




春橋哲史(Xアカウント:haruhasiSF)






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Last updated  2025.02.07 20:41:04
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