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元SF小説家・春橋哲史のブログ(フクイチ事故は継続中)

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反原発・脱原発

2021.01.01
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カテゴリ:反原発・脱原発
※当記事は、過去記事に最新の数字等を加えて加筆・訂正したものです。

 2021年になりました。
 年賀の挨拶をしなくなって、10回目の年末年始です。

 私も3.11以前には、メールでの年賀挨拶(年賀葉書の使用はそれ以前に止めていました)をしていましたが、2012年以降はしなくなりました。

 2012年の年始は、自宅のパソコンの前で迎えました。2011年の暮れから、フクイチ事故の政府事故調中間報告書をダウンロードして数百頁のPDFファイルを読み続け、気が付いたら年が明けていました。初めて読む用語をメモしながら、報告書の内容についていこうと必死でした。

 読了したのは、年が明けて数日してからで、既に年賀状を出すタイミングは逸していました。
 私には、もう、年賀の挨拶はどうでも良くなっていて、「(フクイチ事故のことを)もっと知りたい」という思いばかりが募っていました。
 
 そして、その年に国会事故調の委員会を傍聴し、フクイチに関する様々な本や記事を読んでいく内に、フクイチ事故の重大さを知り、「報道機関が当てにならない」「原発事故と命・暮らしは、全く対極にある」ことを思い知らされました。
 夏には首都圏反原発連合の金曜行動に参加して、官邸前の20万人の一員になり、議事堂前でスピーチするようになったのも、この年の秋からでした。

 2013年が明ける頃には、私の中では「フクイチ事故は世界最大の核災害」「果てしのない被曝労働が続く」という評価は確定していました。
 この状態で「新年おめでとう」とは書けません。新年のどこが「めでたい」のでしょう?

「年が明ける=日時が経過した」です。その分、フクイチで働いている人の被曝線量・被曝人数は累積していきます。又、設備の劣化も進み、放射性液体廃棄物・同固体廃棄物の量も増えます。

 オンサイト(敷地内)だけを見ても、日時が経過するほど、「取り組むべき問題」が増えていくのですから、全く「おめでたく」ありません。寧ろ、年が明けない方が良いですし、夢想するなら、3.11以前に時間を逆戻ししたいくらいです。

 更に言うなら、被災者・被害者の方達の生活も、3.11を切っ掛けに悪い意味で変えられてしまい、取り返しがつかないままです。私のような、首都圏に住む者の電力の為に生活を壊された人達がいる中で「おめでとう」はないでしょう。

 繰り返しますが、ポスト3.11の日本で、新年のどこが「めでたい」のでしょうか?

 とは言え、社交辞令としては、新年の挨拶をしない訳にはいきませんから、私は職場でもどこでも、「おめでとう」ではなく、「今年も宜しくお願いします」と言うようにしています。

 フクイチでは、タンク内貯留水が約124万tに達し、計画上のタンクも、ほぼ作り尽くしました。建屋内・建屋周辺での高線量作業が増え始め、燃料集合体やデブリの取り出しも計画や言葉ばかりが踊り、3号SFP(使用済み燃料プール)を除いて、準備や調査ばかりです。東電が認めているだけで、働く人の死者は20人、負傷者は300人に達しており、しかも、作業が終了する見通しは全く有りません。

 オフサイトでは、甲状腺癌の罹患者が増大の一途を辿り、関東以東への放射性セシウムの降下は続き、土壌へも沈着しています。フクイチ事故で発生している国民負担(税金+電気料金)は10年間で約17.4兆円に達し、これからどれだけ膨れ上がるのか、確たる見通しもありません。20年度後半(20年10月)からは、電気の託送料金を通じての廃炉・賠償費用の「強制徴収」も開始されました。

 しかも、被災県である福島県が、被害者である避難者を相手に家賃を二倍請求し、遂には、知事・議会が一体となって、避難者を賃貸住宅から追い出そうとしています。私は福島県の動きは、現代版「水晶の夜」(クリスタル・ナハト)に匹敵する事態だと思っています。 

 東海再処理施設(核燃料サイクル工学研究所の中の再処理技術開発センター)に有る約380京ベクレルの高放射性廃液のガラス固化も中断したままです(機器の不具合の解消に取り組んでいて、21年5月再開予定)。東海再処理施設を大地震と大津波が襲ったら、どうなるでしょうか?

 全然「めでたく」ありません。
 核災害と同居するようになったポスト3.11の日本では、年が明ける度に、あらゆる意味で状況が厳しくなってるように見えます。

 今年も、3.11を止められなかった主権者・フクイチの電気の消費者であった者として、核災害と核のリスクを追いかけていきます。

 宜しくお願い致します。


春橋哲史(ツイッターアカウント:haruhasiSF)






Last updated  2021.01.01 19:07:35
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2020.07.28
カテゴリ:反原発・脱原発
40年間に渡って「賠償の原資」を回収するスキームが始動

 20年7月17日、10の原子力事業者(電力会社)が、「フクイチ事故以前に、消費者から徴収しておくべきだった原子力賠償に備える負担金の額」(=過去分)を、一斉に経産省に申請しました。


 具体的には、40年間に渡って電気の託送料金を通じて回収するというスキーム(枠組み)で、10事業者とは、北海道電力・東北電力・東京電力ホールディングス・北陸電力・中部電力・関西電力・四国電力・九州電力・日本原電です(当ページ下部に掲載のポンチ絵を参照)。

 経産省は、この申請を7月22日に認可しました。
 これによって、2020年度から40年間に渡り、日本の何処で電力を契約しても、年平均・約610億円の消費者負担が発生し続けます(40年間で約2兆4400億円/610×40年)。

 尚、電力事業者からの申請には「(原発)廃炉円滑化負担金」も含まれていますが、両者を混同すると、話がややこしくなるので、本記事では「賠償負担の過去分」に絞って書きます。

(関連リンク)
●​申請時のリリース​(経済産業省)

●​認可時のリリース​(同)

 残念ながら、「過去分」を託送料金に含める仕組み(=電気料金に上乗せ)は合法です。

 このスキーム(枠組み)は、2016年の秋から末にかけて、経産省が設置した「総合資源エネルギー調査会・基本政策分科会・電力システム改革貫徹のための小委員会」という有識者会合で練り上げられ、パブリックコメントを経て導入されましため。
 立法措置ではなく、「電気事業法施行規則」の改正で導入された為、経産大臣の裁量で、国会審議・承認抜きで料金が認可できます。

 尚、根拠となるのは「電気事業法施行規則・第45条21の2~4」です。条文そのものは、2017年9月に実施されたパブコメの資料に掲載されています。以下、分かり易いように、漢数字をアラビア数字に変えて引用します。

​●電気事業法施行規則・改正前後の比較​(上段が導入された改正条文)

​====引用、ここから====​

(賠償負担金の回収等)

​​​第四十五条の二十一の二
 一般送配電事業者(中略)は、当該通知に従い、賠償負担金(中略)をその接続供給の相手方から回収しなければならない。

2 一般送配電事業者は、(中略)、各原子力発電事業者ごとに賠償負担金相当額を払い渡さなければならない。

(賠償負担金の額の承認)
第四十五条の二十一の三
 原子力発電事業(中略)を営む発電事業者(中略)は、その運用する原子力発電工作物及び廃止した原子力発電工作物(中略)に係る原子力損害(中略)の賠償のために備えておくべきであった資金であって、旧原子力発電事業者が2011年3月11日以前に原価として算定することができなかったものを、一般送配電事業者(沖縄電力株式会社を除く。後略)が行う接続供給によって回収しようとするときは、回収しようとする資金以下この条及び次条において「賠償負担金」という。)の額について、5年ごとに、経済産業大臣の承認を受けなければならない。

​(以後の、申請・承認・通知に関する手続きや書式に関する内容は割愛。詳細はリンクをクリックしてPDFファイルをご確認下さい)​

​====引用、ここまで====​


2016年秋からの動きが「結実」

 経産省がこのような制度を導入するのは、原発を持っていない「新電力」(2016年度の電力小売自由化で参入してきた、新しい電力小売会社)が、原発事故に関する賠償金を支払うスキームが無かった為です。
 経産省の小委員会では「負担の公平化」を御旗として、議論が進められましたが、事故以前に原発を持っていなかった事業者が負担しない(=電力料金での消費者への請求が生じない)のは、寧ろ当たり前でしょう。「原子力発電を金銭面で支えたくない」という消費者の選択肢を奪うことでもあるので、経産省こそ、不公平なことをやっていると思います。

 私は、経産省の小委員会の会合をほぼ全て傍聴し、委員会の「中間とりまとめ」に関するパブコメが実施された際に、金曜行動でも当ブログでも、「制度導入反対の意見提出」を呼び掛けました。

(関連記事)
●​経産省の「貫徹小委員会」中間とりまとめ案に関するパブコメ結果
(当ブログの過去記事・2017年2月12日)

●​決定された中間とりまとめ​(2017年2月/経産省)

●​パブリックコメントの結果と経産省の回答​(私の提出した意見は58~61に掲載)

●​中間とりまとめを決定した合同会議の資料一覧​(2017年2月/経産省)

 とは言え、個人の呼びかけなど、所詮は蟷螂の斧に過ぎません。
「過去分の回収」に関しては、最近の検察庁法改正案反対のようなうねりにはならず、国政選挙の争点にすらなりませんでした。経産省としては数年越しの取り組みが実を結んだ訳で、「してやったり」でしょう。主権者が明確な意思を示さなかったのだから、この結果もやむを得ないと言うべきでしょうか。

「フクイチ事故による国民負担」は、会計検査院や東電の資料を基に集計すると、10年間で17兆円を超えています(※ 下記関連記事参照)。それを更に固定化するスキームが、いよいよ動き出しました。
 軍産複合体ならぬ、原子力複合体がこの国に巣食っていると見紛うような現状は、3.11から10年近くが経っている今でも変わっていません。

※ 関連記事:​フクイチ事故による国民負担は10年間で約17.4兆円​ (当ブログの過去記事)


引っ繰り返せるかどうかは、1億2000万人の意志と行動次第

 原子力複合体(原子力ムラ)が優遇され、国民の富が収奪され続けることに、この国の主権者はいつまで黙っているのでしょうか。

「過去分回収」のスキームは、「電気事業法施行規則」で定められていることなので、理屈の上では、経産省が規則を改廃すれば中止させられます。
 規則の改正を承認するのは経産大臣であり、経産大臣を任命するのは内閣総理大臣であり、内閣総理大臣を選出するのは国会(衆議院)です。国会議員を選ぶのは主権者・国民ですから、主権者が明瞭な意思を表明すれば、撤回させる道は有るでしょう。

 結局は、主権者の意思と行動次第だと思います。

「中間とりまとめ・案」がパブリックコメントにかけられた際(2016年12月19日~17年1月17日)の提出件数は、1400件足らず(正確には1412件)でした。パブリックコメントを提出するのに、有権者である必要すら有りません。人口・約1億2000万人の日本で、僅か1400件しか提出されないという現状が続く限りは、経産省の「やりたい放題」は改まらないでしょう。


参考資料


 ポンチ絵の無断転載・引用はご遠慮下さい。

春橋哲史(ツイッターアカウント:haruhasiSF)​​​​​​​​​ ​​​​​







Last updated  2020.07.31 17:48:11
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2020.07.13
カテゴリ:反原発・脱原発
さいたま訴訟で、尋問と現地調査の日程が決定​​

 7月8日・水曜日・14時~、さいたま地方裁判所101号法廷で「福島原発事故責任追及訴訟」(通称「福島原発さいたま訴訟」/岡部純子裁判長/)の第30回口頭弁論が行われたので、原子力規制委員会定例会を傍聴した後、さいたま地裁まで移動して傍聴してきました。

※:福島第一原発事故によって、福島県から埼玉県内に避難してきた方達、29世帯・96人が、責任の明確化・謝罪・損害賠償を求めて2014年3月に東電と国を提訴したもの​​。4次提訴まで有るが、全てを併合して審理​(世帯数・人数は「弁護士白書・2019年版」より)。

(リンク)​弁護士白書・2019

 この際の報告集会では、6月の進行協議、及び、当日の進行協議で決まった内容が報告されました。
 さいたま訴訟は、類似訴訟に比べて提訴が遅かった事もあり、これまで書面の応酬が続いてきましたが、一挙に動きが有りました。2回の進行協議を経て、下記の日程が決まったそうです(現地調査以外は、何れもさいたま地裁101号法廷)。

●9月2日・水曜日・13:30 専門家証人尋問(辻内琢也・早稲田大学教授[人間科学部])/主尋問・反対尋問合わせて160分程度を予定

●10月19日・月曜日 現地調査(「現地進行協議」の扱い)

●原告本人尋問(何れも水曜日・10:30~17:00を予定)
 9月30日・11月11日・12月9日・2021年1月13日・2月24日・3月24日/期日ごとに4~5名の原告が「世帯代表」として出廷予定

 ​但し、今後のコロナウィルスの感染拡大の状況によっては日程が取消・変更・延期となる可能性は有ります。
 又、最も広い101号法廷であっても、「間隔を空けての着席」が定められており、傍聴席は18席しか有りません(第30回期日では満席になりました)。傍聴は抽選になる可能性が高いですし、マスク着用も求められます。長時間、マスク着用で、身動きも声を立てることも出来ない状態になるでしょうから、傍聴するなら、ある程度、肉体的なきつさは覚悟が必要だと思います。

 日程の確認や傍聴の手続きについては、事前に「支援する会」に確認した方が無難でしょう。

(リンク)​福島原発さいたま訴訟を支援する会


​これまでの経緯を網羅した、原告代理人提出の「第76準備書面」​

 第30回の期日では、原告側代理人が、提出した第76準備書面の概要を口頭で陳述しました。
 この書面は、これまでの争点やキーワードを網羅したもので、被告国と、原告側の主張の対比もできるものでした。
 さいたま訴訟に限らず、福島第一原発関係の集団訴訟の主要な争点である「事故における国の責任論」について理解を助けるものでもあるので、下記に、弁護士の氏名を除いて、全文を引用・紹介します。

 
句読点と段落は読み易いように変更し、脚注(※1~10)と下線を私にて追記しました。意見書中の「規制権限を行使すべきだった国の責任者」とは、具体的には経済産業大臣を指します。

 参考資料はクリックすると拡大します。無断転載・引用はご遠慮下さい。

​====引用、ここから====​

第76準備書面 令和2年(2020年)7月8日
 原告ら訴訟代理人 弁護士 Y.K

1 本件の争点について


 本件では、経済産業大臣の2002年長期評価(※1)に基づく津波予測について想定される津波が到来すれば原発の安全性を損なうおそれが有ったのに、電力事業者に対して適時・適切に津波対策を講じるよう規制権限を行使しなかったことが国賠法上の違法行為であるかが争点となっています。

 原告の主張は、2002年に公表された長期評価の知見によれば、福島第一原発が「想定される津波により原子炉の安全性を損なうおそれがある場合」(技術基準令62号4条1項/※2)に該当し、技術基準に違反する状態であったにもかかわらず、国が技術基準適合命令を発しなかった規制権限不行使が違法であるというものであり、その規制権限不行使の違法の判断枠組みとして最判(※3)の基準を適用すべきと主張しています。被告国はこれとは異なる枠組みで判断すべきと主張しています。

 今回提出した第76準備書面は、下山憲司教授(※4)の意見書を紹介しつつ、本件において適用されるべき規制権限の不行使の違法の判断枠組みについての被告国の主張の問題点を論じたものになります。
 第76準備書面は、第56・58・68・69準備書面に続く内容となりますので、以下、これらで論じた主張にも適宜触れつつ、第76準備書面の概要を述べます。


2 「長期評価」による津波地震の想定によって、福島第一原発が「津波により原子炉の安全を損なうおそれがある場合」(技術基準令62号4条1項)に該当するに至ったか否かの判断

 被告国は、本件に関する国賠法上(※5)の違法性を判断するにあたっては、これまで最高裁が、国に事業者の活動について規制権限を不行使しなかった結果市民が損害を受けた際の国賠請求訴訟で用いられてきた違法性判断枠組みではなく、原子炉の設置に反対する市民が起こした設置許可処分の取り消しを求める訴訟(伊方原発設置許可処分取消訴訟/※6)の判断規範を本件でも参考にすべきとしています。
 具体的には、
ⅰ)審査基準に合理性が認められない場合、または、ⅱ)審査基準への適合性判断過程に看過し難い過誤、欠落が有る場合に限り、国の賠償責任を認めるべきとして、本件でも2段階の判断過程審査基準を適用し、規制庁に広範な裁量が認められるべきと主張しています。

 しかし、被告国の主張は誤りです。
 上記伊方最判の事案は、原子炉の設置を許可するという行政処分自体の取り消しを求める行政訴訟(事前審査)です。つまり、未だ周辺住民に損害は生じていないものの、当該原子炉の基本設計の安全性に問題があるから当該原子炉の基本設計を安全と判断して設置を許可した国の処分行為を取り消すべき、と言えるかどうかが判断対象となる訴訟類型です。

 これに対し、本件は、国が原子炉の設置を許可したことの妥当性を問題にしているのではありません。
 最高裁は、国が原子炉の運転段階において、科学的知見の進展によって新たに想定される危険に即応して具体的な対策を講じるよう適時適切に事業者を規制すること(後段規制)を前提として、設置許可段階では基本設計安全審査のみで許可処分をなすことを是認しています(段階的規制論)。

 本件では、設置許可処分後の科学的知見の進展によって明らかになった、長期評価の知見により想定される津波による事故を防止するために、国がなんらの規制をしなかったことの責任が問われている後段規制の不作為の違法に関する事後審です。判断対象は、設置許可段階の基本設計の安全性ではなく、運転段階において行うべき安全対策(詳細設計)の具体的設計(建物や重要設備の水密化、高所設置等)です。
 そもそも国賠訴訟と取消訴訟は、判断対象も場面設定も大きく異なる訴訟類型です。これまで最高裁は、規制庁の規制権限不行使の国賠法上の違法性を判断する判例を積み重ねていますが、当該事業の許可処分の適法性にかかる行政訴訟での判断枠組みとパラレル(※7)に検討したものは有りません。

 原子炉の設置許可処分時の安全審査(前段規制)の対象と、運転段階の安全審査(後段規制)の対象は、これまでの原発訴訟において厳然と峻別した議論が蓄積されています。それにもかかわらず、両者を区別せず同一のものであるかのように混合させ、運転段階の後段規制の不作為の違法性が問題となっている本件国賠訴訟において、設置許可処分時の安全審査(前段規制)の適法性審査の判断枠組みを本件で参考にするという被告国の主張は、これまで積み重ねてきた裁判例の考え方を無視するもので、合理性も必然性もありません。

 本件同種事案の各地裁判決でも、行政訴訟における判断過程審査方式を採用されていません。その多くは「長期評価」の知見に基づき津波想定を行えば福島第一原発の敷地高さを超える津波の到来が予見しえたこと、敷地を越えて浸水した場合、原子炉で全交流電源喪失事故が起こる危険性があることを被告らは事故前から認識されていたこと、を判示しています。
 福島第一原発は事故前から「想定される津波により原子炉の安全性を損なうおそれがある場合」(技術基準令62号4条1項/※2)に該当し、これに対する防護措置が採られていなかった以上、技術基準に適合しない状態であったことは明らかです。


3 「津波により原子炉の安全性を損なうおそれがある場合」において、規制権限行使が義務的なものとなるのは、地震想定を基礎づける知見が「通常的見解といえる程度に形成、確立した科学的知見」による場合に限られるか

 次に、技術基準に適合せず、逸脱があったとしても、(経済産業大臣による)技術基準適合命令による権限行使が義務的なものになるのは、事故の想定が確立した通説的見解に基づく場合に限られるという見解の問題点について述べます。
 この点、例えば名古屋地裁判決(※8)は、遅くとも2006年(平成18年)には敷地高さを超える津波の襲来を予想できたとしつつも、その予見の根拠となる津波襲来の精度・確度は高くはなく、敷地高さを超える津波の到来は切迫したものではなかったとして、規制行政庁や原子力事業者が投資できる資金や人材は有限であることを理由として、どのような規制をいつ行うのかは行政庁の専門的裁量に委ねられているなどとして、国の責任を否定しています。本訴訟で被告国は、第28準備書面においてこの判決を大きく引用、紹介しています。

 しかし「敷地高さを超える津波」が襲来した場合、全交流電源喪失となりうることは溢水勉強会(※9)での資料などからも当時合理的に推定されていました。敷地高を超える津波の到来は、重大事故に至り得る事象であり、原発の敷地が津波で水没するということはまさにクリフエッジ的(※10)な危機です。こうした全交流電源喪失事象を引き起こす敷地高(O.P+10m)を超える津波を福島第一原発立地点にもたらす津波地震の発生確率は、長期評価によれば「今後30年以内で6%程度」と、非常に高いものでした。

 伊方最判は、「万が一にも深刻な災害が起こらないようにする」ため、最新の科学的・技術水準への即応が求められるとしています。
 巨大な危険を内包する原子炉施設の設置を求める事業者と、その危険な工作物(原子炉)の設置を許可しその安全性を維持すべく規制する国としては、原子炉事故により周辺住民に被害が及ばないように、極めて高度な安全注意義務が求められます。
 規制庁は「事前警戒・予防」の考え方により万が一にも事故が起きないよう、科学的知見の進展に即時即応した規制を講じるよう求めた最判の適時は至極当然です。

 そして、確立した科学的知見(つまり基本的な知見)だけで原子炉を規制するのでは、科学的知見の進展に即時即応した原子炉の安全規制を行っているとは評価できません。原子力安全規制は、単に確立した科学的知見に基づいて安全規制を行うのでは足りず、国は客観的・合理的根拠のある科学的知見に対しても日々目を配り、先取り的に安全規制に取り入れるべきことは、法の趣旨から当然です。(なお本件で被告国も、規制の根拠として確立した科学的知見であることが必要とは主張しておらず、長期評価の知見が「審議会等の検証に耐えうる程度の客観的かつ合理的根拠により裏付けられた知見だったと言えるかどうか」を問題としています。)


 なお「長期評価」は被告国が全国の災害対策のために全国から多数の地震学者・津波学者を招聘し、長期間の審議を経て取りまとめている地震予測であり、長期評価の策定は現在まで行われている国の事業です。このように専門家が多数集まり審議の結果取りまとめられ、長期評価として公表された知見には客観的合理性が認められるところ、長期評価に基づき「想定される津波により原子炉の安全性を損なうおそれがある場合」、この技術基準不適合の状態を規制庁が黙認し、規制権限を行使しないという事態は、およそ方が許容するところではありません。

 この点、名古屋地裁判決は「投資できる資金や人材が有限であること」を理由として、経済産業大臣による規制権限行使が義務となるのは、重大事故発生の「切迫性」が認められる場合に限ると判示しています。
 しかし、重大事故の発生が予見しえても、それが切迫するまで放置していてもよいとすれば、危険が切迫してから到来するまでに結果回避措置が講じえず、対策を講じられないまま原発事故による被害が発生するのを傍観するしかないことになりかねません。原子炉の安全規制の適法性の判断枠組みに切迫性の要件を容れるのは不当です。

 確かに、例えば伝統的な警察規制の適法性審査においては、他の市民の権利侵害発生の「切迫性」が権限行使の適法要件とされています。これは、抽象的危険や治安維持を理由とした警察権の権力行使を許せば、警察権の過剰行使によって市民の自由が不当に制約されてきた歴史的経緯を踏まえ、これを避けるため求められる判断要素であり、「切迫性」(必要性緊急性相当性)は、国家権力による市民の自由の過剰制限を防止するための要件として、警察権行使の適法性判断との関係性においては適正です。


 しかし、警察行政による市民の権利制限の適法性審査と、原発の安全性維持のために付与された原子力規制庁の規制権限の適法性審査とパラレルに論じることはできないのは当然です。電力事業者の経済活動により万が一にも原子炉の重大事故が発生し市民に被害が及ぶことがないよう、国に規制権限を付与した法の趣旨にかんがみれば、原子炉の安全規制の権限不行使の違法性を、警察規制の適法性判断枠組みと同様に判断することは到底できません。



4 長期評価公表後の国の不作為

 本件で被告国は、長期評価の公表直後、保安院は国として「長期評価」が「確立した通説ではない」ものと判断し、規制上「長期評価」を考慮する必要がないと判断したと主張します。
 しかし、これを示す具体的事情として国が主張するのは、長期評価公表直後、保安院が東電に長期評価の知見を考慮した津波対策を検討することを提案したものの、東電から抵抗を受け、その後東電側から長期評価には異論もあると口頭報告を受け、一係員が「わかりました」と返事をしたと、それだけのエピソードに過ぎません。第56準備書面(20頁~)等でも述べた通り、この係員の発言をもとに被告国が組織として長期評価を考慮しなくてもよいと判断したという結論は導きえず、その他国が組織として長期評価は考慮しないと判断したことを裏付ける証拠は何も提出されていません。

 むしろ、上記エピソードは、長期評価の公表直後、被告国が、長期評価の知見を規制に取り入れることを被告東電に提案したものの、それについて東電から抵抗されたため、そのまま放置していたことを直接的に示すものに過ぎず、この国の規制権限不作為が、本件事故の直接の原因となったのです。

 裁判所におかれては、万が一にも深刻な災害が起こらないよう、国の原子力安全規制には最新の科学・技術水準への即応が求められるとした伊方最判の趣旨を十分に踏まえ、原子力安全規制法の趣旨、目的を正しく捉えた判断を為されることを期待いたします。

 以上

​====引用、ここまで====​

脚注

※1 長期評価:参考資料の★1・2を参照

※2 技術基準令:「発電用原子力設備に関する技術基準を定める命令」

※3 最判:「最高裁判決」の略

※4 下山憲司:一橋大学教授大学院法学科教授(行政学)

※5 国賠法:「国家賠償法」の略

※6 伊方原発訴訟:日本で初の原発訴訟。1973年8月、伊方原発(四国電力)1号機の設置許可処分の取り消しを求めて、地元住民が提訴したもの。78年4月、松山地裁は請求を棄却。84年12月、高松高裁は控訴を棄却。92年10月に最高裁は上告を棄却し、原告敗訴が確定した。
 最高裁判決の概要と解説は下記リンクを参照。段階的規制は判決要旨の「4」に記載。
(リンク)​伊方原発訴訟上告審判決​(「ジュリスト」より/PDF)

※7 パラレル:「並列的に」の意

※8 名古屋地裁判決:福島県から愛知県などに避難した42世帯128人が、国と東電に、原発事故の責任の明確化と約14億4000万円の損害賠償を求めた集団訴訟(通称「愛知・岐阜訴訟」)の判決。2019年8月2日付。国の責任は認められなかった。

※9 溢水勉強会:2006年1月に原子力安全保安院と独立行政法人原子力安全基盤機構(JNES)が立ち上げたもの。電事連や電力事業者はオブザーバーとして参加。

※10 クリフエッジ:共通要因による安全機能の広範な喪失で致命的な状態になること。

参考資料


(リンク)
●​長期評価

●​三陸沖から房総沖にかけての地震活動の長期評価について(PDF)

●​巨大地震の発生に伴う安全機能の喪失など原発の危険から国民の安全を守ることに関する質問主意書​(2006年12月13日提出)

●​上の質問主意書への政府答弁(2006年12月22日決定)

●​第174回国会 2010年4月9日の経済産業委員会の会議録


春橋哲史(ツイッターアカウント:haruhasiSF)​​​​​​​​​






Last updated  2020.07.13 20:27:51
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2020.07.08
カテゴリ:反原発・脱原発
 電力や原発を語る際の「基礎知識」に関する記事です。 

 2019年度の日本の電力需要と、電源別発電量が経産省のWebサイトにアップされたので、「電気事業便覧」のデータを加味しつつ、グラフを更新しました。

 私見は、グラフの下に書きました。

 グラフの無断転載・引用は御遠慮下さい。
​​​ グラフをクリックすると拡大されます。
 拙ブログのグラフはB5サイズ以上のタブレットやPCで閲覧する事を前提に作っていることをご了承下さい。見難い場合はペイント等にコピペしてご覧下さい(Windowsの場合)。

グラフ1



グラフ2



(リンク)出典
●​電気事業便覧​(2017年度は無料ダウンロード可能)

●​電力の「2019年度 統計表一覧」

●関連記事:​全国の原発の再稼働状況と、これから「くるもの」~2020年5月上旬~


ポスト3.11の原発の発電量は、2018年度がピーク

 ​グラフから読み取れることを簡単にまとめておきます。

①ポスト3.11の原子力発電(核発電)のピークは2018年度だった。

②2019年度の発電量・電力需要は、2005年度以降で最低だった。

③火発(火力発電)の燃料別発電量を見ると、石油が減少しており、LNGが最大のボリュームを持っている。今後は、石炭火発の発電量・比率を減らしていくのが課題。

④自然エネルギーは伸びているが、発電量全体の2%である。

 現時点で、私は「原発の再稼働・利活用は、原子力複合体(原子力ムラ)の思うように進んでいない」と思っています。
 20年度は19年度より減少するのが確実ですし、東日本の「原発ゼロ」も続く見込みです。
 
 本当の意味での「原発ゼロ」が実現できていないのは残念ですが、3.11以降の市民運動の成果として、まずまずのものだと思います。
 この成果を維持しつつ、更に前進させることが求められます。

 発電・需要量のグラフを見ていると、色々と書きたくなるので(笑)、私見は最低限に留めます。


春橋哲史(ツイッターアカウント:haruhasiSF)​​​






Last updated  2020.07.08 21:02:15
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2020.06.09
カテゴリ:反原発・脱原発
​原子力規制委員会では、6月12日まで、六ケ所再処理工場の適合性審査書案に関するパブリックコメントを募集しています。

 これは、日本原燃株式会社が、青森県六ケ所村に建設している再処理工場(使用済み核燃利用を裁断して、プルトニウム・ウラニウムを取り出し、新たな核燃料の原料とする為の工場)について、「新規制基準に適合している」とする審査書案に関する意見募集です。

 私は、核燃料サイクルを含め、核技術を動力源・エネルギー源として利用する事には反対ですので、審査書案に反対の立場から意見を送付しました。

(リンク)
(再処理の解説)​再処理とは

​(パブコメ提出はこちらから)日本原燃株式会社再処理事業所における再処理の事業の変更許可申請書に関する審査書(案)に対する科学的・技術的意見の募集について

 以下、6月9日夜間に私が送付した意見を、個人情報を除いて、ほぼ原文のまま、掲載します(末尾の番号は提出時に表示されたものです)。

 尚、意見募集は「科学的・技術的」なものとされていますが、「社会科学」も科学ですし、私は細かな条件にはこだわらず、とにかく、主権者としての意思表明の手段・機会として柔軟に捉えています。

​====送付した意見、ここから====​

 本審査書案の「適合」とする結論に反対の立場から意見を送付いたします。

理由1:現在、この国は福島第一原子力発電所事故という核災害の収束の真っ最中であり、終了時期も、それまでに必要となるリソース(資機材・人材・予算)も見通せていません。
 このような中で、新たな原子力施設を稼働させ、万一、シビアアクシデントや、それに相当する事故が起きれば、この国は「核災害二正面作戦」を強いられることになります。二つの核災害に対応できるリソースが確保できるかどうかは誰にも予測できません。確保できなければ、この国は一体どうなりますか。
 原子力施設の安全に絶対が無いことは先の事故によっても証明されており、原子力規制委員会も認めているところです。シビアアクシデントの可能性を極力排除する為には、新たな原子力施設を稼働させないことが一番です。

理由2:再処理施設が稼働すれば、プルトニウムが増えることになります。しかも、そのプルトニウムを消費できる見込みは、僅かなMOX燃料炉のみとなっています。
「使い道のないプルトニウム」の大量保有は、「核の平和利用」を形骸化させかねません。日本が、近隣諸国の核開発競争を煽り、激化させる引き金を引くことにもなりかねず、核不拡散・核の平和利用の観点から、原子力規制委員会は、厳格な規制を行い、再処理施設の稼働を認めるべきではありません。

理由3:再処理施設が稼働すれば、様々な種類の「放射性廃棄物」が発生します。東海再処理施設で、高放射性廃液のガラス固化が暗礁に乗り上げている事例からも分かるように、再処理を行うことで、却ってリスクが高まる可能性が有ります。そのようなリスクを冒してまで、再処理施設を稼働させる必要はありません。

総論:原子力規制委員会は「人と環境を守る」のが役割の筈です。現在だけではなく、将来も含めた「人と環境」を守ることを考えて下さい。
将来、本施設に関して何らかのリスクが顕在化した際、施設の竣工や認可に携わった方達は、引退しているか、失礼ながら他界されている可能性も有ります。責任を負えないことはしないで下さい。
 核のリスクを極力低減させ、又、放射性廃棄物の保管・処理を極力シンプルに済ませられるようにするのが、現在と将来の「人と環境を守る」ことに繋がると信じます。原子力規制委員会には、未来を見据えた判断を期待します。
 
 本審査書案は「不適合」とし、六ケ所再処理施設の稼働は認めるべきではありません。

 尚、この意見は私個人のものであり、他の如何なる組織・個人とも関係の無いことをお断りしておきます。

​202006090000992***(提出時の番号)​

====意見、ここまで====

「核燃サイクルに反対・再処理工場の稼働に反対」だけでも、立派な意見です。
 一行だけでも構いませんので、多くの皆さんが提出することを期待します。
 私は、「パブコメを提出しないのは、選挙で棄権するのと同じ」と捉えています。


春橋哲史(ツイッターアカウント:haruhasiSF)






Last updated  2020.06.09 21:01:40
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2020.05.07
カテゴリ:反原発・脱原発

​​​​​​東日本で「原発ゼロ」8周年

 当ブログにアップする日付が若干ずれましたが、東日本(ここでは、周波数50メガヘルツである東京電力・東北電力・北海道電力管内を「東日本」とします)は、「原発ゼロ」の期間が9年目に入りました。

 2012年5月5日に、泊原発3号機(北海道電力)が止まって以来、東日本は「原発ゼロ」が続いています。西日本の原発が稼働しているのは残念ですが、日本の半分は「原発ゼロ」8周年を迎えました!

 因みに、2012年3月26日に柏崎刈羽原発6号機(東京電力)が停止しているので、首都圏の「原発ゼロ」の期間はもう少し長くなりますが、話を分かり易くする為、私は東日本を対象として見ています。

参考(リンク):●​全国の原発の停止・稼働の状況一覧​(原子力産業協会)


経済を止めたのは、原発ゼロではなく、ウィルス

 人口・経済規模としても世界最大の都市圏である首都圏が、8年以上、「原発ゼロ」でやってこられたのです。「原発ゼロ」でも、生活は成り立ち、経済は止まらないという何よりの証明です。「論より証拠」。これほど強力な証拠は他に無いでしょう。

 寧ろ、経済を止め、不活性化させているのは新型コロナウィルスです。3.11から暫くの間、全国で高まる反原発・脱原発の声に対して「経済の為には原発が~」と反論していた人達は、今はどこに消えたのでしょうか? 「経済の為には自粛してはならない」と主張しないのでしょうか?
 東日本の原発ゼロが続く間に別の危機が起こったことで、経済を理由に原発を論じていた人達が、実は、「原発存続の為に経済を口実にしていた」事が露呈したと言っても良いでしょう。本音を隠した議論をしていると、何処かで化けの皮が剥がれるという見本ですね。


ネガティブ要素とポジティブ要素に区分けする

 この8年間、新型コロナウィルス以外にも、様々な動きが有りました。
 脱原発・反原発の市民運動界隈では、悲観的な声ばかりが多いのですが(たんぽぽ舎のメルマガとか)、私は、必ずしもそうは思っていません。個別に見ていくと、3.11以来の変化は、良い意味で劇的なものもあります。

 現在の状況を、「原発ゼロと、核施設のリスク低減を求める」立場から、ポジティブなものとネガティブなものに分けて列挙してみます(順不同)。

●ポジティブ(明るい面)
►高速増殖原型炉「もんじゅ」の廃炉が決定。
►更に、「もんじゅ」は燃料の取り出しが出来るかどうか危ぶまれていたが、2020年5月の段階で、燃料の半分近くをプール(燃料池)に移送できており、廃止措置とリスク低減が進んでいる。
►全国で15基の原発の廃炉が決定。
►新規制基準下で営業運転再開に漕ぎつけた原発は最多でも9基に留まる(3.11前の54基に比べると、僅か17%)。
►2020年6月以降、稼働可能な原発は当面は5基に過ぎない。
►東日本は8年間「原発ゼロ」が続き、原発無しでも首都圏の生活・経済が成り立つことが証明された。
►司法が原発の稼働差し止めを命じる判決・仮処分を下すようになった。
►自治体(函館市)が、国策に沿った原発建設(この場合は大間原発)の建設差し止めを求めて提訴している。
►東海第二・女川2号再稼働は早くても2023年と思われる。東日本の原発ゼロが10年は続くことが確実。
►美浜3・高浜1・2の工事が遅延していることで、日本で初めての原発40年越え運転は、少なくとも2020年中は見込めない。
►「もんじゅ」以外にも、日本原子力研究開発機構が持っている施設の廃止措置が具体的に動き出している。
►フクイチでは、ほぼ全てのタンクが溶接タンクに切り替えられた。
►フクイチの1・2号共用排気筒の上部解体が完了。
►フクイチで漂流物になりかねなかったメガフロートの沈下・着底が進捗。
►フクイチで働いていた自動車整備工、故・猪狩忠昭さんの遺族が提訴した訴訟で、数百万円単位の残業が認められ、協力企業の事務所からフクイチへの往復も労働時間と見做す判例が確立。
►避難者が国・東電を訴えた訴訟で、3.11事故に関する国の責任を認める判決が幾つも下されている。
►日本国憲政史上初めて、全会一致で国政調査権を背景にした独立調査委員会が設置され、時限立法とは言え、3.11事故の調査に当たった。
►反原連が始めた「官邸前・議事堂前での抗議」というスタイルが、日本の市民運動に定着した。
►ALPS処理水の扱いを巡るフルオープンの公聴会で、市民が「原子力ムラ」に判定勝ちした。
►原子力規制委員会は、会議をノーカットで録画に残し、資料も全公開している。日本の行政機関で初めての取り組み。情報の入手が3.11前に比べれば格段にやり易くなった。
►3.11前に比べれば、全国の被曝労働者の人数や、海中へのトリチウムの放出量が減っている。
►2012年度以降、日本の電力需要は確実に減っており、2010年度までの5年間で1兆Kwhを越えていたものが、2018年度で、9000憶Kwh程度になっている。3.11前の原発の発電量のほぼ半分に相当する量で、年数が経過するほど、大規模発電である原発の必要性は低くなっていく。
►東京電力の会長職が、20年6月以降、引き受け手がおらずに空白になる見込み。それだけ、東電の抱えている課題が重いものであることが名実ともにハッキリしてきた。

●ネガティブ(暗い面)
►国策としての「原子力の利活用」は改められておらず、完全な「原発ゼロ」は実現していない。
►原発の40年越え運転が認められ、工事が進んでいる。
►1基でも原発が動いている限り、シビアアクシデントの可能性はゼロではない。
►東海再処理施設の廃液・約380京㏃のガラス固化が暗礁に乗り上げ、2021年5月までは再開できない。
►フクイチで増え続けている液体廃棄物が環境中に放出することで処分されようとしている。
►フクイチの作業員の死者は、東電が公表・認めているだけで20人に及ぶ。
►フクイチ事故で発生している国民負担が10年間で約17.4兆円に上っており、今後も増え続けていくことが確実。
►国会事故調の報告書が事実上、店晒しになっている。
►被害者・避難者への賠償が適切に行われていない。
►避難指示の解除基準・年20mSvが撤回されず、日本の中で特定の地域に住む人達だけが二重基準で被曝させられている。
►被曝を逃れて避難する権利(=自分の身体のことは、外部に強要されずに自分で決める権利)が確立されていない。
►原発の電気で恩恵を受けていた人達の大半が、核発電やフクイチの現状に無関心。
►経産省令で「過去に徴収すべきだった賠償分」として、託送料金への上乗せが認められた。決済後の追加請求に等しいもの。
►原発での労働が多重請負構造で成り立つという構図は変わらない(搾取や責任逃れ)。
►フクイチで廃棄物が増え続けている。
►フクイチの固体廃棄物の大半が屋外保管であり、火災時のリスク低減が図られていない。
►将来的にフクイチで発生する廃棄物の総量が確定できず、処理・処分の方法も未確定。
►中間貯蔵施設に運び込まれた除染廃棄物の最終処分方法・時期が未確定。
►環境省が除染土を8000㏃/Kg基準で再利用しようとしている。

 以上、私の独断と偏見での分類です。


リスクとリソースの優先順位から見ると、「原発」より「廃止措置」

 全体の流れを変えるには至っていませんが、3.11で劇的に変わったものや得たもの(規制委員会の会議が原則としてフル公開、等)もあり、全体から見れば小さなものですが、多くの成果や勝利もあります(故・猪狩忠昭さんのご遺族が提訴した訴訟の判決、等)。

 電力需要が漸減しているのは大きな変化です。

 又、原発も機械ですから、未稼働の期間が長いほど、劣化・老朽化も進み、再稼働する際のハードルも高くなっていくでしょう。
 私は、原発が未稼働の期間を一日でも稼げば、それだけ、「原発ゼロ」に近付くと思っています。そういう意味で、「東日本・原発ゼロ」の期間が10年を迎えるのが確実な情勢になったのは、大いに意味が有ります。

 西日本の原発が動いている中で「甘い」と言われるかも知れませんが、私は、原発ゼロに関しては、そんなに悲観していません。ゆっくりですが、原発ゼロに近付いていくでしょう。
 それよりも、事故の起こるリスクの高さや、今後必要となるリソースを考えると、廃止措置の方が、より切迫度も高く、監視すべき優先順位も高いと思っています(誤解されないように断っておきますが、私は「原発のことは気にしなくて良い」と言ってるのではありません)。

 私は今後も、自分のリソース(時間・お金、労力)は、廃止措置の監視や、その情報の整理に、より多くを割いていきます。
 
 今回は、久し振りに、自分の考えをまとめた記事になりました。


春橋哲史(ツイッターアカウント:haruhasiSF)​​​​​​







Last updated  2020.05.09 18:58:48
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2019.12.30
カテゴリ:反原発・脱原発
​​​​​​​​​ 2019年も間もなく終わります。

 参院選が終わってから、新しい取り組みとして、「東電が開催するフクイチに関する記者会見への、メディア別の参加回数(質問回数)」をチェックするようにしました。
 私は、東電の記者会見はネットの生中継、或いは録画を東電のWebサイトで欠かさず観ているので、エクセルを使ってチェックしてきました。

 今年、8~12月分が集計できたので、記事にします。
 これまで、金曜行動で紹介したり、FB・ツイッターに流したことはありましたが、ブログに掲載するのは初めてです。

「参加回数」とは、「質問しているか否か」で数えたものです。会見で1回でも質問すれば、「参加」とカウントしています。
 逆に、動画で姿が映っていて、会見場に来ているのが分かっていても、質問しなければ「参加」とはカウントしていません。配布資料はネットにもアップされ ます。「資料をただ読んで、他人の質疑を聞いているだけなら、その場にいる意味は有るのか」ということなります。

 以下の数字は、そのような前提条件を踏まえた上で読んで下さい。

 尚、東電のフクイチに関する記者会見は、月曜・木曜に行われていますが、それらの動画は1週間経つと東電のサイトから削除されます。毎月1回の「中長期ロードマップの進捗に関する記者会見」(大体、毎月最終木曜に開催される場合が多い)は、アーカイブとして残されています。

====開催回数と参加回数、ここから====

2019年8~12月の、フクイチに関する東電の記者会見の開催回数
 :42回(括弧内は会見に要した時間の合計)
 8月:7回(約8時間35分)
 9月:9回(約10時間30分)
 10月:9回(約9時間30分)
 11月:8回(約10時間)
 12月:9回(約8時間)

​メディア毎の参加回数​
 1回(参加率2.4%)
  :電気新聞・プラッツ・福島民報・テレビュー福島・福島放送(KFB)・TBS

 3回(同7.1%):Bee Media・日経新聞・読売新聞・福島テレビ(FTV)

 4回(同9.5%):月刊「FACTA」・週刊東洋経済

 5回(同11.9%):民友新聞

 6回(同14.3%):福島中央テレビ(FCT)

 7回(同16.7%):時事通信

 8回(同19%):NHK


 10回(同23.8%):テレビ朝日

 11回(同26.2%):木野龍逸さん

 13回(同31%):毎日新聞

 17回(同40.5%):河北新報

 19回(同45.2%):IWJ

 21回(同50%):朝日新聞

 24回(同57.1%):東京新聞

 31回(同73.8%):共同通信

 36回(同85.7%):おしどりマコケンさん

====開催回数と参加回数、ここまで====

 ​​​​​​結果は以上の通りです。


参加頻度が低いメディアは何をしているのか?

 ここからは私の所感です。

 フクイチ事故は、リアルタイムで進行している世界最大の核災害であり、月間平均・約6400人が被曝しながら働き、東電が公表・認めているだけで、死者20人・負傷約270人に上っている現場です。「取材しない・報道しない理由」は有りません。

 にも関わらず、参加回数50%を越えているのは朝日新聞・東京新聞・共同通信・おしどりマコケンさんだけです。
 独立系やネットメディアはリソースが少ないでしょうし、例えば、木野龍逸さんは1人で動いておられますから、独立系・フリーのメディアを、マスコミと同列に論ずるつもりは有りません。

 しかし、寧ろ頑張っているのは、フリー・独立系だと言えます。
 おしどりマコケンさんは断トツの一位。IWJも赤字が続く中、よく頑張っていると思いますし、フリーの木野さんも11回参加しています。

 一方で、所謂「マスコミ」の中には、フリー・独立系よりも参加頻度が低いところがゴロゴロあります。5ヶ月間で参加回数1~2回とは、どういうことなのでしょうか。
 必ずしも発表の場が確保されているとは言い難いおしどりマコケンさんの参加率が85%を越えているのです。にも関わらず、組織力のあるメディアが片手の指で足りるほどの回数しか来ていません。「発行部数世界最大」などと騒いでいる読売新聞が同期間で3回しか参加していないのも、異常だと思います。

「福島の記者クラブで、東電からレクが有るから、定例会見に参加する必要性は高くない」と反論するメデイアがあるかも知れませんが、どんな資料に基づいて、どんな質問をしているのか。プロセスを見せることも必要ですし、義務とすら言えます。出来上がった記事だけではなく、質疑のプロセスも見なければ、国民(主権者)は、そのメデイアや記者の問題意識・知識を正確に判断できません。
「プロセスを見せないメディア」は、顔を洗って出直してきて欲しいです。


会見に参加し、質疑し、報道する責務は無いのか

 更に悪質で問題だと思うのが、5ヶ月間もあって、1度も参加しなかったメディアです。

 組織力のあるところや、物理的に参加が可能と思われるところを上げると、産経新聞・しんぶん赤旗・かながわ新聞・埼玉新聞・千葉日報・週刊ダイヤモンド・フジテレビ・テレビ東京・MXテレビ・テレビ神奈川・千葉テレビ・テレビ埼玉、というようなところになるでしょうか。

 又、脱原発・反原発を訴えているメディアだと、週刊金曜日・OurPlanet-TVが上げられると思います。

 ここでも、フリー・独立系のメデイアをマスコミと同列に論ずるつもりはありませんが、「『マスコミ』に分類されるところが5ヶ月間で一回も参加しない」「誌面や番組で東電批判を繰り返す一方で、東電の記者会見には一度も参加しない」のは、明らかに歪です。

 何処かの無人島でアクセスし難いところで会見しているのではなく、東電本店に行けば参加できることです。「物理的に手が回らなかった」は言い訳にはならないでしょう。

​ そもそも、関東地方のメディアやそこで働いている人達は、3.11まで、フクイチの電気を遣って仕事し、生活していたのですから、仕事としても、個人の道義の問題としても、取材し、報ずるべきでしょう。


「参加しなかったメディア」も浮き彫りに

 会見毎にエクセルにチマチマと数字を入力した結果をまとめみて、メデイアごとの差が想像以上に鮮明になりました。
 複数の記者を送っている共同通信・東京新聞・朝日新聞は参加回数も多くなり、東北のメディアでは河北新報が頑張っています。

「週刊金曜日」と「しんぶん赤旗」は、原発への姿勢は「産経新聞」とは真逆だとは思いますが、その三社が「東電会見に参加しない報道機関」として足並み揃えたのも意外でした(笑)。 

 フリー・独立系だと、「OurPlanet-TV」「BuzzFeed Japan」・堀潤さん・田中龍作さんも参加しておらず、「頑張って参加し続ける人(組織)」と、「徹底して参加しない人(組織)」の差が鮮明になりました(但し、フリー・独立系に関してはリソースが限定されているでしょうから、「参加しなかった」だけを以て批判するものではありません)。

「参加したメデイア」だけではなく、「参加しなかったメディア」も浮き彫りになるので、「参加しなかったメディア」がフクイチをどんな切り口で扱うかを見る際にも、大きな判断材料となります。​

 今後も、東電会見への参加回数のチェックは続けていきます。毎月は厳しいかも知れませんが、四半期に一回程度は、このような形で数字をまとめ、記事にしたいと思っています。


春橋哲史​(ツイッターアカウント:haruhasiSF)






Last updated  2019.12.30 18:31:18
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2018.11.22
カテゴリ:反原発・脱原発

​​​​​​​「世界を視るフォトジャーナリズム月刊誌」を謳う「DAYS JAPAN」(株式会社デイズジャパン発行、2004年3月創刊)が、来年3月を以て休刊する事を発表しました(会社を解散するので、実質的には廃刊)。

(リンク)​「DAYS JAPAN休刊のお知らせ」

 この雑誌の2018年11月号(10月20日発売)に、「トリチウム水の行方と健康影響」という特集が掲載されました。
その中に、この雑誌の発行人でもある広河隆一氏が「福島・相馬港の試験操業 小さな灯を無残に消す汚染水放出」という記事を書いているのですが、その記事に事実でない事が書かれていました。

(リンク)DAYS JAPAN11月号見出し

 余りにも酷いので、以前、広瀬隆氏や小出裕章氏を批判したのと同じように、当ブログで取り上げようと思っていたのですが、延び延びになっていました。DAYSの休刊が発表されたから、という訳ではないのですが、良い機会なので、書いておきます。


「海への放出」は発表されていない

 この特集には、広河氏だけではなく、おしどりマコケンさんや、佐藤和良氏(いわき市議会議員)等も記事を寄せています。しかし、他の方がどんなに丁寧に良い記事を書いていたとしても、雑誌の創設者であり、発行人でもあり、プロのジャーナリストであり、「写真・取材」とキャプションまで入れている広河氏の間違いは、この特集や雑誌の信頼性を損なわせるに十分です。

 どこが間違いなのか。
 お読みになった方は気付いたかもしれませんが、広河氏の記事の
「国・原子力規制委員会から、原発敷地のタンクに貯蔵されている汚染水の海への放出が発表されたのだ」
 
という一文です。

 こんな発表はありません。
 存在しない事実を書いて、ジャーナリズムを謳ってはいけないでしょう。

 原子力規制委員会は、田中俊一・前委員長の時から、「(ALPS処理済み水は)放出するのが唯一の解決策」という考え方で、それを繰り返し表明してきました。更田豊志・現委員長も同じ見解です。他の委員も同様です。
 記者会見や規制委員会臨時会で表明はしてきただけで、特別な発表はしていません。
 又、原子力規制委員会は、東電が申請する実施計画を審査する立場なので、安全上の重大な問題が生じない限り、規制委員会が主導して物事を決める事は有り得ません(「もんじゅ」への勧告は、唯一の例外)。

 仮に、「海洋排水の方針」を決めて発表するとしたら、サイトに責任を負っている東京電力か、長期的方針を検討している経産省か、原子力災害対策本部長たる内閣総理大臣か、ということになりますが、何れもそのような発表はしていません。
 エネ庁のALPS小委員会(正式名称は「多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会」)が開催した説明・公聴会も、「処分方法・時期は決めていない」というのが、公式見解です。トリチウム水タスクフォースの報告書の選択肢も、参考の一つ、という位置づけです。

 広河氏は、規制委員会と経産省の役割の違いはおろか、サイトへの一義的責任を負っているのが何処なのかさえ、理解していないのではないかとすら思えます。

 念の為、これまでの経緯と、組織相関図を載せておきます。クリックすると拡大します。
 無断転載・引用は御遠慮下さい。









基本的な理解が欠如しているのではないか

 フクイチ(福島第一原発)の汚染水の扱いを巡る長期的な方針を記事にするなら、汚染水の扱いに関する経緯と、関わっている組織の相関図くらいは踏まえて書くのが当たり前でしょう。それが把握できていれば、存在しない事実を堂々と書かない筈ですし、組織の相関図や、それぞれの負っている役割が分かっていれば、「規制委員会が発表した」という頓珍漢な発想も出てくる筈がありません。

 広河氏も、広河氏の原稿を載せた編集部も、事実を把握していないと断ぜざるを得ません。これのどこが、ジャーナリズムなのでしょうか? 「一枚の写真が戦争を・・・」と大上段に振り被るリソースは有っても、公開資料をネットで調べるという、足元の調査に費やすリソースは無いのですね。

 若しかしたら、編集部も広河氏も、フクイチが特定原子力施設という事すら、知らないのかも知れません。

 私は、図書館で広河氏の記事を読んで唖然としました。よくもまあ、ここまで、事実をでっち上げて書けるものです。広河隆一氏の空想力と言うべきか、妄想力と言うべきか、思い込み力は凄いですね。

 そして同時に湧き上がってきたのが、編集部の能力への疑問です。


「DAYS JAPAN」が間違いを垂れ流すのは、私の知っている限り、3回目

「DAYS・・・」が、間違いを載せたのは、今回の広河氏の記事だけではありません。
 2015年12月号(15年11月20日発売)でも、掲載した写真のキャプション(説明文)と場所を間違えています。
(概要:草ぼうぼうの荒れ地に廃棄された車列を空撮した写真を掲載し、「原発事故による避難者が乗り捨てていった車」との主旨の説明文を付け、場所を福島県双葉町と記載したもの。実は、3.11前から、地元の人達が車を廃棄している場所で、原発事故による避難とは無関係だった。場所も双葉町ではなく、双葉郡富岡町だった。詳しくは下記リンクを参照)

(リンク)​「DAYS JAPAN」、福島原発事故記事で「誤報」を謝罪  事故前の廃棄車を「被災者が乗り捨てた車」​(J-CAST)

(リンク)​間違いが生じた経過のご報告とお詫び​(DAYS JAPANの16年2月2日付のFB)

 この時、発行人である広河氏は、上記のお詫び分の末尾に「編集部の事実確認の甘さが招いた今回の結果を深く反省し、今後は事実確認を徹底し、正確な報道をおこなうように編集部内の立て直しをはかって参ります」と書いています。

 広河氏は、自分で書いていることが出来ていません。
 しかも、駆け出しの新人ならともかく(新人なら間違えて良いとは言いませんが)、雑誌の発行人であり、経営者であり、プロのジャーナリストであり、お詫びの文章を書いた広河氏自身が、公開情報を調べれば簡単に分かることを「勘違い」して書いているのですから、余計に始末が悪いと言わなければなりません(「勘違い」と見るか、「思い込み」と見るかは、立場によって異なるでしょうが)。

 更に、「DAYS・・・」の間違いは、これだけではありません。

「DAYS JAPAN」は、2017年4月30日に「日本列島の全原発が危ない~広瀬隆白熱授業2時間!!~」(中野ZEROホール/企画・司会 広河隆一)という企画で講演会を実施しています。
 この講演が酷いもので、間違い・事実誤認・煽り・主観のオンパレードでした。私のブログでも、2017年5月12日に批判記事を書いています。

(リンク) ​5月5日の金曜行動~希望のエリアで広瀬隆批判をスピーチ~

 以上、「DAYS・・・」の名前で垂れ流された嘘・間違いは、私が確認できただけでも3点あります。
 2015年11月20日発売の号、2017年4月30日の講演会、2018年10月20日発売の号と続いているので、約3年間で3回の間違いをやらかしていることになります。1年に1回です。しかも、その内、2回は公開情報を調べれば分る事です。
 これでは、とても、ジャーナリズムを標榜するに値しないでしょう。


元々、事実確認が甘く、分り難かった広河氏

 私が、広河隆一というフォトジャーナリストの事を知ったのは、「週刊金曜日」を購読していた時の事です(「金曜日」の購読は10ン年前に止めています)。
 その時は写真の迫力に半ば気圧されたものですが、今にして振り返ると、広河氏が凄いのは写真だけでした。氏の書く文章は分かり難く、時として、根拠のはっきりしないものです。
 一例を上げましょう。引用は広河氏の著書「沈黙の未来 旧ソ連『核の大地』を行く」(新潮社・1992年2月初版)からです。

「二千万キュリーが大気中に放出され、そのうち千八百万キュリーは、この工場内に落下した。しかし、二百万キュリーの放射性物質は、おりからの時速三十キロの風によって運ばれた。こうして北北東の方向に、ストロンチウムで二キュリー(平方キロ当たり)以上汚染された長さ百五キロ、幅約八キロのトレースができたのである。ひどいところは四千キュリー以上になった」(同書73頁)

「五十七年の汚染規模(といっても、ストロンチウムが平方キロ当たりニキュリー以上に所に限る)は、一万五千平方キロにわたった。そのなかには、住民が二十七万人いたという。そのうち一万人だけが避難し、二十六万人はまだ同じ場所に住み続けているのだ」(同書80頁)

 数字が羅列されていますが、これ等の数字が何処から出てきているのか、どの機関がいつ調べた数字なのか全く分からないまま、話が進んでいきます。これが、広河氏の書く文章の特徴でもあります。

 広河氏は自分が聞いた話や見た事は克明に書いてますし、当然、見たものは写真に収めているのですが、「そうなるに至った流れ」や「周辺情報」と言った、自分が直接見聞きできない事は苦手なのでしょう。苦手なら、その部分を出典付きで書いてくれるパートナーや助手を求めればいいのでしょうが、何故か、そういうことはしていません。そのような取り組みをしないまま、フォトジャーナリストとしての名声を獲得したので、スタイルを変える機会も無かったのかも知れません。

 私は、引用元の本を信憑性に疑問符を持ったまま読み終えました。その疑問は今も消えていません。核災害は事実でしょうし、杜撰な管理も事実でしょうし、健康被害も事実なのでしょうが、面積や線量の数字が出典なしに出てくるので、どこまで信頼できるのかどうか、分からないのです。


不向きな仕事に手を出したのではないか

 広河氏は、写真を撮る技術は確かなのでしょうし、政治的にも肉体的にも危険な所に単身乗り込む勇気もあるのでしょう。伝えたいという思いも人一倍あるのでしょうし、各種の保養・救援団体や基金を立ち上げていますから、人道主義がベースに有るのだと思います。広河氏の仕事は、並の人間にはできない事でしょう。

 ですが、撮影の技術は調査能力の裏付けにはなりませんし、危険な所に乗り込む勇気と、公開情報を地道に確認していく丁寧さはイコールではありません。フォトジャーナリストとしての名声が、雑誌の売り上げや会社経営の手腕を保証する訳でもありません。

「DAYS・・・18年10月号」に、間違った記事を堂々と書いていることを踏まえると、広河氏は、個人として不向きな仕事に手を出したと言わざるを得ません。広河氏は、個人プレイヤーであって、組織のマネジメントや人の上に立つ役割は不向きなのでしょう。同時に、情熱と覚悟に溢れる極めて優秀な撮影者ではあっても「書類の山に埋もれるような仕事」は不向きなのでしょう。私でも把握している公開情報を調べていないという事実が、それを雄弁に物語っています。


運動の品質の底上げを

 奇しくも、「DAY・・・」の休刊が発表される直前の号に、間違いを堂々と書いたことが、広河氏の仕事と、この雑誌の品質を象徴しているようです。
 広河氏や、編集部で働いている人達、この雑誌に有形無形の協力をしている方達が、「戦争を無くしたい」「現実を伝えたい」「脱原発・脱被曝」「沖縄への基地押し付け反対」を真剣に考えていることは疑いません。

 ですが、如何に「基盤となる考え方」が良いもので、賛同できたとしても、仕事の品質を下げる理由にはなりません。
 繰り返しですが、DAYS・・・は、3年間で3回も間違いをしているのです。品質の悪い商品は売れなくて当たり前ですし、市場から退場して当然です。

 そして、以前から、当ブログでも書いている事ですが、資金力・組織力・広報力で劣る市民運動にとって大切なのは、「品質」です。

(リンク)​運動の品質を低下させる、小出裕章氏の「ネトウヨ並み」の文章

 嘘や間違いを言ったりチラシやネットに載せたりすれば、「あの人たちは自己満足でやっているから」「政治を語る人間は党派を問わず嘘ばっかりだから」と思われかねません。一旦、そう思われれば、賛同者は広がらず、情熱や思いが空回りするだけで、自分で自分の首を絞める事になります。運動のリソースも無駄遣いされます。

 私はDAYS・・・の休刊は同情しません。寧ろ、品質の低い雑誌が無くなるのは、良い事だと思います。

 これまで、当ブログでは、広瀬隆氏・小出裕章氏の「品質」を取り上げてきましたが、今回、広河隆一氏も加わることになりました。
 考えてみれば、この人達は、3.11前から、脱原発で活動してきた人達です。3.11を切っ掛けに原発に取り組むようになった私から見れば大先輩である筈なのですが、先輩としての見本どころか、まるで、反面教師です。

 こういった「品質の低さ」が市民運動の広がりを妨げていた要因の一つなのかも知れません。
 そもそも、市民運動の側も、3.11を止められなかった時点で敗北しているのです。規制当局も東電も国会も敗北していますが、敗北したのは市民運動も同じなのです。

 東電や規制当局を対象にした事故調報告書は作られていますが、市民運動を対象にした報告書は作られていません。本来なら、大先輩である人達が、率先して取り組むべき事ですが、何も取り組んできませんでした。そして今回の、「ありもしない事実を堂々と書いた」一件が起きました。

 やはり、市民運動の「品質」には、大きな問題が有るのかも知れません。
 今後も、運動の「品質」については問うていきますし、自分自身の品質にも十分気を付けて参ります。

 元々、この記事は、「DAYS・・・」の間違いを指摘するだけのものでしたが、同誌の休刊が発表されたので大幅に加筆したものであることをお断りしておきます。アップも遅くなりました。


春橋哲史(ツイッターアカウント:haruhasiSF)​​​​​​​​







Last updated  2018.11.22 02:35:22
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2018.10.26
カテゴリ:反原発・脱原発
今回は、久し振りに、第一原発事故の被害者・避難者の声を紹介します。

 本来なら、避難者・被害者の声はもっと頻繁に紹介しなければいけないのですが、​​​​​ブログを書くリソースにも限りがあり、オンサイトを優先している関係上、どうしても頻度は下がってしまいます。申し訳ないと思っています。

 金曜行動へは、毎週、参加しています。10月26日も、希望のエリアと、議事堂正門前でスピーチしました(場所は当記事末尾に地図を掲載)。

 この日は、希望のエリアで最初にスピーチさせて貰い、福島原発さいたま訴訟(フクイチ事故によって埼玉県内に避難した方達が、責任の明確化と損害賠償を求めて国と東電を相手取って起こしている訴訟)の報告集会で配布された原告側意見陳述書を基に、世帯番号16番の原告の訴えを紹介しました。

 配布された資料には複数の陳述書がありましたが、時間的な制約も有るので、スピーチで紹介できるのは一件だけで、且つ、概要に留めざるを得ませんでした。
 又、本人が特定されることを避ける為、具体的な地名も伏せて「中通り」と曖昧にしてスピーチしました(「中通り」の場所は当記事末尾の地図を参照)。

 尚、「福島原発さいたま訴訟」の23回口頭弁論は、10月31日・水曜日14時から、さいたま地裁101号法廷で行われます。傍聴希望者は13:20までに、さいたま地裁B棟前に集まることになっています(さいたま地方裁判所は、浦和駅・徒歩10分)。実質的には、13時半までに来れば大丈夫でしょう。

(リンク)​福島原発事故責任追及訴訟 第23回 口頭弁論のおしらせ​(支援する会のサイト)

(リンク)​10月26日の希望のエリアのツイキャス録画​(私は24分40秒~)

 私が冒頭で取り上げている、フクイチの10月18日時点の汚染水の数字は、​こちら​(リンク)。

 
====さいたま訴訟・16番の原告の意見陳述書の概要、ここから====

 原告は、生まれて以来、一時期を除いて、ずっと福島県内で生活しており、2009年からは中通りに転居し、長女と暮らしていた。
 原告はケアマネージャーと介護福祉士の資格を持っており、福祉関連の団体に勤務していた。平日はフルタイムで仕事をし、日曜日と休みの土曜日は長女と公園に遊びに行くなどして過ごしていた。
 季節ごとのお祭りにも参加して地域の人達とも交流し、お米や野菜は、実家から送って貰ったり、近所の人から分けて貰ったりしていたので、それほど、買う必要が無かった。
 原告の母親は、福島県内の実家で親族と共に生活していた。養鶏場の仕事を手伝ったり、カラオケなどで近所付きいを愉しんでいたが、夫や、その他の親族が相次いで亡くなった頃から、様子がおかしくなり、散歩に出ても帰れなくなるなど、認知症の症状が出るようになった。

 このような生活を、大震災と原発事故が襲ったのである。
 3月11日当日、原告は、入居の手続き中だった県営住宅の下見に行き、郵便局で転居費用の納入などをしている最中に地震に襲われた。すぐに、当時1歳半だった長女を保育園まで迎えに行き、帰宅したが、当時暮らしていたアパートの中はぐちゃぐちゃであった。
 テレビやラジオの情報を通じて、原発事故の発生と、放射能漏れを知った原告は、常にマスクをして生活するようになり、必要以外は外出しないようになった。部屋は常に閉め切り、エアコンを使わないようにハロゲンヒーターを購入したりもした。
 保育園は原発事故発生後、1週間ほどして再開した。原告は介護関係の仕事であった為、変わらず出勤する他なかった。保育園では、子どもを室内で遊ばせているようだったが、原告は、長女の事が心配でならなかった。

 その内、保育園の同年齢のクラスの子が母子避難を始めるようになり、2011年の8月頃には、クラスの半数以上が新潟や山形へ避難していった。原告は、近所の公園や、主要道路付近がホットスポツトになったことを知り、長女の為にも避難しようという思いが強まっていったが、その一方で、隣近所の人間関係や、学生時代の交友関係を失う事への恐れ、又、新たな地域で人間関係が全くない所で生活していく事への見通しが持てないのも現実だった。新潟に避難した友人からも誘われたが、土地勘も無く、雪も多そうで躊躇した。
 それでも、原告は2011年の8月頃には、「子どもを守るのは親しかいない。娘に、障害や疾病が発生した時に後悔したくない」との思いから、避難する事を決意し、避難先として、1年半ほど居住した事のある埼玉を選んだ。勤務先の所長に避難の事を伝えたところ、所長からは「母子家庭で大変だろうから、せめてボーナスを貰ってからにしたら」と言われ、その好意に甘えて12月下旬まで勤務することにした。

 当時、軽度の認知症を発症していた原告の母親は、グループホームに入居していたが、原告の兄に世話を託すのは難しいと考え、一緒に連れていく事にした。
 原告は事前に、埼玉県の自治体の窓口に出向いて手続きや相談を済ませるなど、入念に準備した上で、20111227日に、車を運転し、長女と母親を連れて埼玉県へ向かった。家財道具の配達は引越し屋を手配した。家財道具の積み込みに約2時間、車の運転に約3時間を要した。
 原告の母親は、避難を拒否はしなかったが、自宅の畑や庭の草木、氏神様へのお参り等を気にしており、福島に思いを残しているようであった。

 原告が埼玉県で入居したのは、県が原発事故避難者の為に提供した住宅で、築年数が古かったが、家賃は不要だった。原告は2012年2月からパートの仕事を始め、4月には長女も保育園に入れた。
 しかし、福島県の生活とは違って、お米や野菜は購入しなければならず、最初は買い方も分からず、苦労した。又、2012年9月からは家賃も発生するようになり、駐車場代も必要となった。

 要介護1の認定を受けていた原告の母親は、原告がパート勤務を始めると同時にデイサービスに通うようになった。以前と同じように散歩にも出るようになったが、迷子になって戻れなくなることも何度かあり、原告は、幼い長女をおんぶして探しに行かなければならなかった。そんなときは、原告が母親をきつい言葉で責めてしまう事があり、その口調が幼い長女にまで移ってしまった。
 2014年5月には、原告の母親が一泊野宿してから帰ってくるという事もあった。
 そして1211日にも、原告の母親は、行方が分からなくなった。原告は、今回もひょっこり戻ってくるだろうと思っていたが、この日の午前8時半頃、原告の母親は、横断歩道で車にはねられ、死んでしまっていたのである。
 当時4歳の長女を連れて、原告が遺体と対面した際、長女は、事情を知ってか知らずか「ばあば寝てるね」とぽつりと言った。

 原告は、自分の母親に無理な避難を強いたのではないかとの思いを募らせている。そもそも、原発事故が無ければ、埼玉に避難する事も、認知症の入り始めていた母親を連れてくることもなかったのだ。原告は、自分の母親にきつい口調で当たってしまった事、母親が縁もゆかりもない土地の冷たい道路の上で息絶えた事に、本当に苦しい思いを抱えている。
 
 埼玉県に避難して以来、原告は自分が避難者だとは話しておらず、隣近所の付き合いも薄いもので、車のボディーに悪戯されるなどの被害にも合わなかった。だが、周りから目立たないように暮らし、以前からの人間関係も一切が切れてしまっている。
 
 埼玉県に避難した時、一時保育の預け先で長女が大泣きした時には、生後6ヶ月より楽しく通っていた保育園から、長女を引き離してしまったことを思わずにはいられなかった。長女は、ホールボディーカウンターや、エコー検査、尿検査を受けている。福島県立医大の検査の結果、嚢胞が増えていたこともあり、長女の健康について、不安を募らせている。
 原告は、今も働いているが、既に避難者関連の支援は受けていない。今後、長女が成長し、学費等が必要になった場合の経済的な面も心配である。

 原告は、放射線の影響を心配する事の無い、嘗ての自然豊かな環境と、皆で子どもの成長を見てくれるような共助関係のある生活環境を取り戻せるものなら取り戻して欲しいと願っている。


====意見陳述書の概要、ここまで====


福島県の地域別名称




金曜行動・開催場所と時間


​​​​​春橋哲史(ツイッターアカウント:haruhasiSF)






Last updated  2018.10.26 22:24:27
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2018.10.07
カテゴリ:反原発・脱原発
​​​※本記事を10月7日にアップした後、10月9日に、意見送付されたものの原文が経産省のサイトにPDFで公開されました。それを受けて、​​​​​​​​「送付された意見は135件~合計で179件~」という見出しを記事の下部に追加しました。

 ALPS処理済み水に関する「連載」の続きです。過去の連載は下記。尚、現時点で不要となった記事は削除しています。

1.​緊急アップ! フクイチのALPS処理水に関する説明・公聴会の情報

2.​経産省が「公聴会」を採用した理由と、スリーマイル原発事故の前例

3. ​ALPS処理水の処分に関する「説明・公聴会」の開催決定に至る経緯

4. ​フクイチのALPS処理水の扱い~タンク用地と137万t容量~

5. ​フクイチ・ALPS処理水の扱い~処分方法と準備期間~

6. ​ALPS処理水の最終処分~経産省の考える「落としどころ」と理屈を深堀りする~

7. ​フクイチ・ALPS処理水の扱い~地上保管を継続する具体案~

8. ​説明・公聴会の前提が変わってきた、フクイチのALPS処理水

9. ​緊急アップ! 看過できない経産省の「説明」~ALPS処理水を「汚染水ではない」と断言して良いのか~

10.​ALPS処理水の扱い~私が海洋排水に反対する理由~

11.​ALPS処理水の海洋放出に反対~市場構造の変化も、核災害による被害~

13.​ALPS処理水の含有核種・濃度は、小委員会にどのように知らされていたのか

14.​場によって、発言と沈黙を使い分ける開沼博准教授のズルさ

15.​9月28日に、吉良よし子参議院議員の事務所で、ALPS処理水のレクチャーに同席

 本記事では、8月30・31日に、福島・東京で開かれた公聴会の意義と役割を取り上げます。公聴会後の小委員会を待っていて、延び延びになっていました。
 
 10月1日の第10回・小委員会に至るまでの経緯をポンチ絵にまとめました。
 尚、当事のポンチ絵の無断転載・引用は御遠慮下さい。


 公聴会で表明された意見・意見表明者の氏名・全編動画・小委員会事務局作成の説明用資料・文書で提出された意見等、必要な情報は記事の下部に掲載しています。下にスクロールして下さい。東京会場での、マイクを使っていない声も拾える限り文字起こししたので、その情報も付けています。


要点・まとめ

 8月30・31日に開催された公聴会の果たした意義は特筆大書すべきものがあります。先ず、要点をまとめておきます。

① 議事進行や意見表明者の選定など、運営が公平に行われれば、一人称で意見表明する主権者(市民)が原子力ムラ(原子力複合体)と互角以上に渡り合える事が証明できた。これは、日本で初めての事だった。

② ①の点が、フルオープン(生中継され、録画も残り、フリーも含めた多くのメディアが入れた)の場で証明され、報道関係者を含む多くの主権者が、その経験を共有する事が可能となった。

③ 意見表明者は自らの知見・経験と公開情報を踏まえて意見を組み立て、議論になった際も感情的にならず、事務局がマイクを回す明確なルールが無い中で自主的に議論の秩序を作っていた。
 全ての会場で、他の個人や組織に強制されたのでも無く、自主的に出来ていたことは、主権者の中で「議会制民主主義の原則と秩序」が自然と共有されていたことを意味する(無意識的な共有も含む
)。

④ 意見表明者は議員・弁護士・漁師・医師・市民団体代表等、幅広く、それぞれの違った立場からの意見表明となった。東京会場では「地元の視点」とは別の角度からの意見表明となり、個々人ごとに、会場ごとに、自然と「役割分担」が出来ていた。

⑤ 僅か3回・実質的に6時間の公聴会で、小委員会が方針転換の検討を明言せざるを得ない状況を作り出したのは、事務局の資料の不備・説明不足を冷静且つ論理的に衝いた意見表明者全員の功績。

⑥ 意見表明者の多くが「用地を確保してのタンク保管継続」を訴えたことが、有力視されていた「希釈しての海洋排水」と対立する分かり易い構図を作り出した。この分かり易い構図にメデイアが乗っかり、事後の報道で大きく取り上げられる大きな要因の一つとなった。

⑦ 報道で取り上げられた事も相俟って世論の風向きが変わり、政党・政治家・官僚は「海洋排水容認・黙認」を表明し難くなり、逆に、海洋排水反対の意見を表明し易くなった。


ホップ(富岡)・ステップ(郡山)・ジャンプ(東京)

 続いて、詳細に書きます。
 繰り返しですが、公聴会は、一人称で動き、発言しようとした市民の一人一人の力が、全ての歯車が噛み合うようにカチッと嵌ったのが最大の特徴でした。
 発言者の大半が「海洋排水阻止」の方向で、自然と一つになりつつも、その一方で、決してコピペのような意見ではなく、様々な立場・専門分野からの意見表明・指摘がされました。
 福島県の2会場では地元の立場からの意見表明でした。東京のイイノホールでは、地元とは違った視点を持っている人達や、省庁との直接交渉やレクに参加している人達による意見表明でした。
 事前に組織だった打ち合わせなどが出来ていなかったにもかかわらず、個人ごとに、会場ごとに自然と「役割分担」が出来ていました。

 更に、意見表明者の側からも質問し、事実上の質疑・討論に持ち込むこともできました。
 最初の富岡会場では、意見表明者と事務局・委員との遣り取りは合計30分程度で、質疑というよりも、「回答するだけ」に近いものです。
 次の郡山会場では、表明者から積極的に質問し、委員や事務局からの回答を引き出しています。最後は事実上の質疑に持ち込み、遣り取りの合計時間も40分程度と長くなっています。
 圧巻は、最後の東京会場でした。
 意見表明者と、事務局・委員の質疑は合計で1時間弱になり、質疑よりも討論に近い形で、しかも、事務局・委員長の側が押されています(私は目の前で見ていて、快哉を叫びたい気分でした)。

 そして、この中で素晴らしかったのは、議事進行に慣れていない山本委員長の弱みにつけ込むことなく、意見表明者が自主的に秩序を作っていた事です。マイクを長時間独占する事も無く、郡山会場で最後に植田氏が煽りのようなことを発言した際も、それに乗る参加者は(映像で観る限りは)いませんでした。
 意見表明者は、人格攻撃や「委員を辞めろ」というような排除の論理を持ち出さず、感情的にもならず、冷静に、科学的に、現実とデータを踏まえた合理的な主張・議論をしていました。

 又、イイノホールで傍聴した際に他の人と意見交換して分かった事ですが、郡山会場の意見表明者は、前日の富岡会場を傍聴し、議事の進め方を確認していたとのことです。傍聴で学んだことを活かしていたからこそ、郡山会場での後半の濃密な質疑に繋がったのでしょう。
 そして、東京のイイノホールでは、データや専門知識を駆使して、省庁との交渉やレクに参加した事のある人達が意見表明者として集まり、実質的な討論に持ち込みました。

 言わば、富岡会場がホップ、郡山会場がステップ、東京会場がジャンプです。
 誰に教えられることも、指示されることも無く、一人称で学び・考え・行動する有権者が集まり、役割分担出来ていたことが、今回の公聴会で市民側が「判定勝ち」した最大の理由でしょう。それは、取りも直さず、この国の主権者の「層の厚さ」を示すものとも言えます(寧ろ、議員バッジ欲しさで選挙に出馬する大半の議員より、「主権者の代表」として相応しかったかも知れません)。


市民運動の視点からのまとめ

 続いて、金曜行動以来の歩みという視点から書きます。

 2012年6月29日に、官邸前に推定・約20万人が集まった事を契機として、反原発の声が可視化されました。この20万人(この中には私もいました)は、強制されたり、動員で集まったのではなく、全て個人の意思で、一人称で集まった人達です。しかも、抗議行動の後にはゴミ一つ残っておらず、暴力も使われず、整然と、秩序だったものでした。
 政党も、報道も、官邸前での抗議行動には、控え目に言っても一歩引いたような姿勢を取っていましたが、20万人を契機として、報道も政党もそれに乗っかる形で積極的に参加したり、取り上げるようになりました。
「市民が先に動き、報道や政党は後からついてくる」タイプだったと言えます(「主権在民」の実践・雛形とも言える)。

 上記の⑥⑦に書いたように、ALPS処理水の公聴会は、2012年6月の官邸前20万人に匹敵する「市民先導型」でした。しかも、公聴会の主役は、2012年の「首都圏反原発連合」ではなく、別の個人・団体でした。7年続く間に、官邸前の行動に参加する人数は少なくなりましたが、一人称で考え、発信する人が確実に増えていた事が証明されました。市民運動の裾野が広がったとも言えます。

 今回の公聴会は、2012年の行動より難しかったと言えます。2012年当時は、単純に「原発反対・再稼動反対」と言っていれば参加できました(金曜行動を貶めているのではなく、相対的な比較です)。ところが、今回のALPS処理済水を巡る問題は、タンク容量が限界を迎えるのは明らかなのですから、代替案を提案しなければいけません。その代替案も、意見表明者の大半が、事前に組織だった相談・打ち合わせをした訳でもないのに、見事に足並み揃えて打ち出しました。

「単純な意見表明」から、「代替案をセットにした意見表明」へとグレードアップしたハードルを、市民の側は乗り越えました。しかも、乗り越えたばかりでなく、フルオープンの場で原子力複合体の面々と互角以上に渡り合ったのです。

 官邸前に20万人が集まり、分かり易いスローガンで秩序だった抗議をする事で、報道・政党をそこに巻き込み、社会と政治に「原発ゼロ」という新しいトレンド(流れ)が生まれました。今や、誰も、それを無視出来ません。
 今回の公聴会も、20万人に匹敵する快挙と言えます。


市民先行でトレンドを作るのが、まさに「主権在民」

「用地を確保してのタンク保管」という新しいトレンドは、確実に生まれているように思えます。
 ここで最も必要なのは、有権者の頑張りでしょう。有権者の中で一定のコンセンサスが得られれば、政党・政治家もそれを無視できません。増してや「タンク保管継続」を実施しようとすれば、フクイチ周辺の土地が必要になり、地元の人達の理解は必要不可欠です。これこそ、トップダウンで決めるものではなく、有権者の間で議論して有権者の間で意見を集約し、ボトムアップで求め、決めていくべきものです。

 単に「反対の声を上げれば良い」ものではないので、より、ハードルは高いでしょう。

 ですが私は、あの公聴会の様子からすると、日本の有権者はそこを乗り越えられると思います。
 公聴会のお蔭で、10月1日の小委員会では、「タンク内貯留水」の実態が公開され、「トリチウム水」ではなく、れっきとした「汚染水」であることが公式に認められました。何れは公開された情報かも知れませんが、公聴会直後の小委員会でこの情報を公開させたのは、公聴会の成果です。

 公聴会の結果、「意見送付の期限が延長」され、「タンク内貯留水の濃度を調べるように」委員長が要請し、更に、「タンク保管継続を検討する」ことが明言されました。最初の二つは実現しました。
 公聴会によって生まれたトレンドは、最早取り消せず、小委員会・経産省を揺さぶり、それを通じて東電も動かしています。情報が開示されれば、市民が考える材料も増えます。
 本来、東電は持っている情報を全て公開すべきですから、本来の在り方からすると、遠大な回り道をしているのかも知れません。それでも、公聴会を切っ掛けに情報開示を前へ進め、経産省に方針転換の検討を余儀なくさせました。

 主権者が経産省と東電を動かし、報道も政党もそれを後追いせざるを得ない状況が作り出されたことは、「主権在民」の実践だと思います。
 この流れを作り出したのは主権者であり、活かすも殺すも主権者次第です。

 尚、経産省が、どうして、公聴会を開催したのか。どうして、方向転換の検討を明言せざるを得なくなるような「自爆」をしたのか。この点についての推測は、別記事を書きます。

 最後に、公聴会で意見表明した皆様、意見表明者の意見の組み立てを手伝った皆様、傍聴した皆様、意見を送付した皆様、質問や意見一つ一つに真摯に向き合った山本委員長、運営に当たった小委員会事務局の皆様に感謝の意を表します。


送付された意見は135件~合計で179件~

※この見出しの部分は、10月9日に、送付された意見の原文が公表されたのを受けて追加したものです。

 公聴会ではありましたが、9月7日までの5週間、「意見送付」も募集されていました。
 その結果が、経産省の小委員会の特設サイトに掲載されています。PDFファイルで全135頁になります。1人(又は1団体)1件で、PDF1頁で1件の意見です。
 一部、塗り潰されている箇所が有りますが、個人情報・会社情報・宣伝・特許情報・悪罵の類と思われます。

書面での意見募集の結果(意見の記載が2頁以上になったものは、1頁目のみ掲載)

 公聴会で意見表明した個人・団体が3会場合わせて44人、書面で送付した人・団体が5週間で135人ですから、合計179人が意見を表明したことになります。

 私は、公開された原文全てに目を通しました。私の送った意見は、PDFの56頁にノーカットで掲載されていました。
 書面で寄せられた意見も、圧倒的多数は「海洋排水反対」「トリチウムの危険性」を訴えるものですが、一部、少数意見も有りました。内訳は以下の通りです。

「海洋放出容認・賛成」が10件
(この内、「福島県以外の沖合に放出」1件、「厳格に管理した上で放出する」1件、「タンカー等で無人島や遠洋まで移送して放出」6件、「東京湾に放出」2件)

「水蒸気放出(煮沸)賛成」が2件

 公聴会を傍聴・視聴した人の意見も有りましたから、小委員会事務局が締切を延ばした効果と思われます。経産省のやることは国民の意思とは真逆の事が多いのですが、今回の公聴会に関しては、割と、国民に寄り添おうという意思が見えたように思えます。


公聴会の意見と動画
​​​​​
(動画は、断りが無い限りは経産省のサイトに掲載されているユーチューブより/1本50分前後)​​
(東京会場での、マイクを使っていない発言は聞き取れる範囲で文字起こししました。一番下にスクロールして下さい)

小委員会事務局が作成した説明用資料

富岡会場
8月30日・木曜・10時~/富岡町文化交流センター学びの森

富岡会場・1​ 

富岡・2​(委員・事務局と意見表明者の質疑は、冒頭8分と、31分40秒~49分)

富岡・3​(委員・事務局と意見表明者の質疑は、17分30秒~19分)

​当日のぶら下がり会見​ (市民メディアの取材/約23分)

​​富岡会場で表明された意見の概要​​(PDF)

【意見表明者/敬称略/時刻は動画での意見表明開始のタイムインデックス】
① 阿部 憲一(1本目/15分10秒~)
② 伊東 達也(原発問題住民運動全国連絡センター)(1本目/21分~)
③ 植田 魅具(市民が参加する風通しの良い議会を作る会)(1本目/26分50秒~)
④ 大槻 宗司(1本目/33分30秒~)
⑤ 小野 春雄(2本目/9分~、3本目の43分10秒[追加発言])
⑥ 面川 春光(2本目/13分37秒~)
⑦ 佐藤 和良(2本目/19分10秒~)
⑧ 佐藤 龍彦(2本目/24分56秒~)
⑨ 菅波 香織(2本目/49分40秒~)
⑩ 名嘉 幸照(3本目/冒頭~)
⑪ 野﨑 哲(福島県漁業協同組合連合会)(3本目/7分55秒~)
⑫ 早川 篤雄(原発問題福島県民連絡会)(3本目/22分5秒~)
⑬ 吉田 美恵子(個人)(3本目/29分55秒~)
⑭ 渡辺 和則(個人)(3本目/35分35秒~)


郡山会場
8月31日・金曜・9時30分~/郡山商工会議所

郡山会場・1​(委員・事務局と意見表明者の質疑は43分40秒~)

郡山・2​ 

郡山・3​(委員・事務局と意見表明者の質疑は20分30秒辺り~54分)

郡山会場で表明された意見の概要​(PDF)

【意見表明者/敬称略/時刻は動画での意見表明開始のタイムインデックス】
① 植田 魅具(1本目・17分~)
② 大河原 さき(1本目・25分20秒~)
③ 奥本 秀一(株式会社 EM研究機構)(1本目・32分15秒~)
④ 柏木 一昭(1本目/36分33秒~)
⑤ 斎藤 富春(ふくしま復興共同センター)(2本目/5分40秒~)
⑥ 佐藤 敏一(2本目/10分35秒~)
⑦ 水藤 周三(2本目/16分35秒~)
⑧ 鈴木 則雄(2本目/23分8秒~)
⑨ 谷口 一雄(2本目/33分10秒~)
⑩ 橋本 あき(2本目/38分35秒~)
⑪ 人見 やよい(2本目/43分15秒~)
⑫ 水戸 喜世子(3本目/3分~)
⑬ 武藤 類子(原発事故被害者団体連絡会)(3本目/9分~)
⑭ 八巻 俊憲(3本目/14分30秒~)


東京会場
8月31日・金曜・15時30分~/イイノホール

東京会場・1​ (委員・事務局と意見表明者の質疑は40分15秒~46分10秒)

東京・2​ (委員・事務局と意見表明者の質疑は12分55秒~31分50秒)

東京・3​ (委員・事務局と意見表明者の質疑は1分20秒~27分・49分20秒~)


​​東京会場で表明された意見の概要(PDF)

【意見表明者/敬称略】
① 江口 工(1本目/22分9秒~)
② 太田 健一(1本目/26分45秒~)
③ 大野 光一(1本目/32分~)
④ 笠井 健二(1本目/35分9秒~)
⑤ 阪上 武(原子力規制を監視する市民の会)(1本目/46分19秒~)
⑥ 菅波 完(高木仁三郎市民科学基金)(1本目/51分55秒~)
⑦ 戸井田 良晴(2本目/1分40秒~)
⑧ 時田 孝二(NPO法人 放射能測定センター)(2本目/6分40秒~)
⑨ 西尾 正道(2本目/31分52秒~)
⑩ 温品 惇一(2本目/38分~)
⑪ 伴 英幸(原子力資料情報室)(2本目/43分50秒~)
⑫ 細川 弘明(原子力市民委員会)(2本目/50分8秒~)
⑬ 満田 夏花(国際環境NGO FoE Japan)(3本目/27分5秒~)
⑭ 三原 翠(3本目/33分5秒~)
⑮ 山田 清彦(3本目/38分20秒~)
⑯ 山田 耕作(3本目/43分20秒~)

参考:
声明「トリチウム水は大型タンクに100年以上保管せよ」​(原子力市民委員会)


東京会場での、マイクを使っていない声の文字起こし

2本目
 22分48秒当たり。事務局の説明が終わった後の発言
男性「タスクフォースから、やり直した方が良いんじゃないの?」

3本目
 12分17秒当たり。山本委員長が発言のお礼を言いかけた時の発言
男性(実は私です)「細川さんの質問に答えないんですか?」

 18分22秒当たり。管理目標値について事務局が説明している最中の発言。
男性「(管理目標値は、定常運転でなければ)越えても良いんですか?」

 18分36秒当たり。事務局が管理目標値の扱いについて説明の最中
男性「(管理目標値を)越えるなんて、そんな事が有り得るんですか? 無茶苦茶じゃないですか。自分たちで決めた事をどんどん変えていってね」

 19分1秒当たり~。事務局が規制庁との話し合いについて説明している最中
男性「決めてあったことを改悪しないで下さいよ。福島原発事故の後、みんなそうなんですよ。どんどん基準を変えていくんだから。そういうことは止めて下さい」

男性「後出しジャンケン止めようよ。好い加減、後出しジャンケン止めようよ。今やっていることは、総被曝国家プロジェクトですよ。外に出しちゃいけない物を、今は8000ベクレルにして、全国にばら撒いている訳ですよ。全て後出しジャンケンですよ。海洋放出なんて、まさにそうですよ。しかもトリチウムっていうのは、いま言ったようにDNAに取り込まれるんですよ。放射線っていうのは、当たった所に影響があるんですよ。〇〇(聞き取り不能)遺伝子そのものが変わっちゃうんですよ。そういう、生物学的な、医学的な、確かな知識持って下さいよ。〇〇(最後聞き取れず)」

 20分~
男性「管理目標のこととか、地元には説明しないんですか」「地元に説明しないで、こういう資料の基準にしちゃって、総量の事は今までやってきた事とは全然違う資料を出すという事について、地元にきちんと説明しなくて良いんですか?」

 20分29秒~
男性「今までの管理目標値と全然違う基準でやっているということを、地元に説明したんですか?」

 20分41秒
男性「誤魔化さないで下さい。肝心な事を誤魔化さないで下さい」

 21分01秒~06秒当たり、声が被る
女性「地元は聞いてませーん」
男性「その通りにやらないって地元に言いましたか?」

 21分33秒
男性「時間をかけれたら、トリチウムの量も変わる訳でしょ。当然ながら。確認ですけども、放出までの時間が長くなれば、処理費用も変わってくるんですよね。だけどこの、17億~34億という・・・(事務局が発言を遮る)」

 22分18秒
男性「(冒頭聞き取れず)…比較をして、一番安いから、これにしましょうって…(語尾聞き取れず)」

 25分15秒
男性「あのね、お金だけの問題で議論するんじゃなくてね、人体影響っていうものをきちっと…」

 26分41秒
男性「会議設定の資料の作り方が悪いから…」


東京会場の写真

↓ 公聴会、開始前。前方右側に黄色っぽい服装の女性はおしどりマコさん。この日は、午前中、郡山会場を取材してから、東京に戻ってきたとの事。


↓ 会議開始前。右から2人目、白いシャツの男性が山本一良委員長(名古屋学芸大学副学長)。



↓ 仕事中のおしどりマコさん。ご本人差の許可を得て撮影。私は、通路を挟んでマコさんの左隣に着席した。



↓ 進行に関して事務局と大和も委員長の打ち合わせ。


↓ 公聴会の全景。向かって右側が小委員会の委員。正面が山本委員長と事務局。向かって左側が意見表明者。


↓ 西尾参考人と議論になった後、ニタニタ笑いを浮かべていた田内広委員(茨城大学理学部教授)



↓ 公聴会終了後の囲み取材の様子



春橋哲史(ツイッターアカウント:haruhasiSF)​​​​​​​​​ ​​​​​​​​​
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※10/15 イイノホールで撮影した写真7枚を追加






Last updated  2019.09.11 01:42:48
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