FXその2
FXで大損をこいて、二度とFXには手を出すまいと心に決め、以来一度もFXをやっていない。その後、株を続け、勝てるようになってから気が付いた。為替は株よりも数段難しい(冷静に考えればわかることなんが)。まずマーケットの大きさ。為替はあまりに巨大すぎて、参加するものの心理が読めない。株も大型になればなるほど難しいが、値動きの軽い銘柄なら、資金規模の大きい人(大口)の心理さえ読めばいい。それから得られる情報の量。為替は経済情勢・政治動向などとにかく影響を与える材料(?)が多く、個人で全て把握するのは難しいと思う。更には出来高が見えないし、板なんてものもない。株は、株価を動かす材料が為替ほど広範ではなく、ある材料に対する動きも慣れれば予想の範疇になる。板や出来高から値動きも予想しやすい。一番大きいののは取引時間か。為替は24時間動いているため、精神的に休まるときがない。FXやっていたとき一番きつかったのがこれだった。少なくとも、株は9時-15時までだから、終わってから一度冷静になって自分の考えを整理することができる。ところで最近のFXブームはすさまじい。証拠金残高も右肩あがりで、自分がやっていたころの数倍に膨らんでいる。自分がそうだったように、株取引、特に新興市場で損失を出した個人投資家が、資金をFXに移しているのも一因らしい。レバレッジも怖くなるくらい高い。自分がやっていた頃は10倍だったが、例えばマネーパートナーズのルールは通常コースで約50倍。100倍だってあるくらいだ。よく株の信用取引は怖いからやらないという人が多いが、株のレバレッジはせいぜい3倍程度。値動きの大きさに違いはあるが、FXは極めてリスクの高い信用取引そのものだ。更にはスワップの誘惑と罠。最初は値幅取り狙いでポジションを建てたはずなのに、含み損抱えた途端に「スワップが入るから」、なんて気変わりすると大変なことになりかねない。ごっちゃになって安易にポジション重ねていった末に待っているのは一発退場かもしれない。為替は過去、1日で10円以上動いたこともある。レバレッジ50倍で10%も逆に振れたら簡単に死ぬ。最近、巷の雑誌でFXの特集が組まれているのをよく目にするようになった。読むとFXの攻略関係のものばかり。まるでライブドアショック直前の新興株ブームのときのようだ。そんな状況下におけるここ最近の急激な円高。2,3年前よりも数倍に膨れ上がった資金で、更に高いレバレッジを利かせて円をショートしているところに、短期間で急激な円高が襲っている。想像しただけで恐ろしい。これ以上、日本の個人投資家の資産を流出させてほしくないのが本音。そして株式市場に戻ってきてほしい。