図書館でお借りしてきた本です。絵があるので絵本?
というか、まず絵があってそこに文章が書かれているのです。
文章はジュリアス・レスター。
彼がロッド・ブラウンの絵をみたとき、まだまだ書くべきことがあるという思いをもった。
★あながたもし奴隷だったら... 文/ジュリアス・レスター 絵/ロッド・ブラウン
物語ではないのです。ロッド・ブラウンが描いた36点の絵の中から21点選ばれています。
300年の間にアフリカからどれだけ多くの人が船に乗せられ運ばれてきたか。
どれだけのアフリカ人が他人によって押し曲げられた自分の人生を生きなければならなかったか。
その怒りや苦しみ、悲しみを想像してみなさいとこの本の文章は語っています。
他人の痛みや悲しみを想像できたとき理解が生まれるのだと。
私たち日本人は黒人でも白人でもない。でも、そんなことは関係ないのです。
他人の痛みや悲しみを想像する力がなかったら、それは動物と違いないのではないか。
想像することができなければ人に生まれてきた意味がない。
私はそう思います。
本の中に「ムチを打つ側にたって想像してみよ」といっています。
ムチで人を打つことが罰せられないとしたら、それが良いことだと思われていたら。
「悪」は人間の判断力を麻痺させる。
そんな時自分がどれだけ残酷な人間になれるかを想像してみよと。
洋書絵本で読んでみたいと探していたのですが、なかったので和書の絵本をお借りして読みました。
読んでよかったと思った絵本です。洋書でも機会があれば読んでみようと思います。
子供向けに描かれた楽しい絵本もとてもいい。
甘いオレンジジュースのように心をほっとさせてくれて、いい気持ちになります。
でもこの絵本はなかなか苦くて口当たりはよくないかもしれません。
でも、最後まで飲み干す価値のある絵本だと思います。