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カテゴリ:「ごめん、愛してる」
えっ!!!!
ちょ、ちょ、ちょっと待って、 こんなのってあり!?!? 【以下ネタバレ注意】 ひぇ~、テファオッパのパターンかよ。ムヒョクはもちろん、ウンチェのラストも衝撃的でした。 このドラマを観てしまえば、彼が普通に生活しているのを見るだけでも嬉しくなっちゃう気持ち、分からんではないな。しかし役と個人は別なので、ほどほどに。 今更ジヨンに「私が間違ってた」とか「ジェイソンとは別れた」とか言われても、ムヒョクもリアクションに困るよね。ドイツで手術できる医者を見つけたから、やれるだけのことをやってみようって。確かに希望はつながったけれど、ムヒョクはそれを受け入れるでもなく拒否するでもなく。されるがままです。 4話でウンチェの歌を聞きながらジヨンを思い出していたムヒョクが、今はジヨンの歌でウンチェを思い出してる。 二人並んで座ったまま日が暮れて。ムヒョクが差し出すガムをウンチェは受け取りません。ユンからは頻繁に呼び出しの電話が掛かってくる。無言のまま時間だけが過ぎ、二人の上に初雪が降ってくる。 BGMはもちろん「雪の華」。 ![]() (Photo by ミサ公式) 追いかけてきたムヒョクに初めて口を開いたウンチェは 「明日も来るわ。あさっても、しあさっても。見飽きるまで来るわ。ユンに呼びつけられ、あなたに追い返されても。人間だから感情があるのよ。愛してます、愛してます、愛してる、アジョッシ、愛してるの」 特別な言葉は一度でいいと思うんですけど。でも、叫ばずにはいられなかったんだろうね。ムヒョクは無表情で一言も返さないけど、目は真っ赤で痛いほど切なさが伝わってきます。彼にとって、この告白は悲しかったんだろうか。嬉しかったんだろうか。 ガルチとソギョンが泣いてる時も、じいさんが出版社と契約した時も、そして泣き崩れたウンチェをおぶって帰るときも。「戻るべきじゃなかった」と、ムヒョクのナレーションが重なります。 「捨てられたゴミはゴミだめに生きて、ゴミとして、静かに消えるべきだった」 これがラストを暗示してるんでしょうね。「戻る」の意味が最初は別荘からソウルのことだと思ってたけど、実はオーストラリアから韓国を意味していたようです。 そしてユンの衝撃発言。ウンチェの次に意表を衝かれましたよ。そんな大事なことをラストまで引っ張るとは。自分の居場所が奪われそうだったというユンの理由は理解できても、元芸能記者のじいさんは何で黙ってたんでしょうね?人気女優が養子を迎えるのは当時大きなニュースだったろうし、オ・ドゥリの本を書いてるなら当然知ってて不思議はない。このじいさん、ムヒョクを煽ってたんでしょうか。 そういう演出に私がまんまとハマったというのが大きいけど。世間的にはみんな知ってて親子がイチャつく姿を見てたってことかな?それも怖い。 ユンから「他人の子のために命すら投げ出せる人、それが母さんだ。何か事情があるはず」と聞かされたムヒョク。「何で捨てたの?」とオ・ドゥリを抱きしる彼は、母親に愛されたい素直な子供そのままで胸が締め付けられるようでした。オ・ドゥリが気を失ってなきゃ、もっとよかったのに。 そんなムヒョクたちを見て、ウンチェ父がとうとう自分が捨てたことを告白します。打ち明けようとしたが勇気がなかった。母親は双子を出産したことも知らない。火葬して遺灰をまいたと言ってある。「俺の人生は一度も考えなかったのか?」。自分の母親を恨んで、憎むのに残りの人生すべてをそそいでいたムヒョクにとって、今更謝って済まされる問題ではない。ウンチェ父とムヒョクの緊張したやりとりは物凄い迫力がありました。 今まで復讐に燃えていたムヒョクの脳裏に「兄貴のせいだよ」と笑うユンや、「来世で会おうね」というウンチェの言葉がよぎります。そしてオ・ドゥリに作ってもらったラーメン。これで決心を固めちゃった感じですね。 ラーメンを食べる前の「いただきます」も電車の中でウンチェに教えてもらった敬語の一つですよね。泣きながらすすったあと、外の庭から「愛してます、母さん。恋しく思わない日など、一日たりともなかった。母さん、生んでくれてありがとう」。 そう言って深々と頭を下げるムヒョク。本当にジーンと来るいいシーンでした。私なら恨み言の一つでも言いたいくらいですがね。ムヒョクが残した鍋を洗いながら、「どうしたのかしら、おかしいわね」とあふれる涙に戸惑うオ・ドゥリ。結局彼女は何も知らないままなのかな。一年後にもそれと分かる決定的なシーンはなかったから。 ウンチェがムヒョクの声を聞いたのは電話が最後でした。「トルティガ、ごめん、愛してる」。たったそれだけの短い言葉に、ムヒョクの優しさがいっぱい凝縮されていました。 バイクを運転するムヒョクはオーストラリアにいた頃の姿です。ウンチェが言った「愛してる」の言葉を思い出しながら、だんだん意識が遠くなり、一番聞きたかった母親の言葉を耳に旅立ちます。 そして一年後。じいさんは出版を取りやめ、ユンは復帰コンサートを開きます。ウンチェの席を用意するなら、ムヒョクの席も用意すべきじゃないの?命の恩人なんだからさ。永久欠番だよ。 そのウンチェはオーストラリアに一人旅。1話の時に撮ってきたんだろうね(同じ茶髪だから)。思い出はムヒョクに消されちゃったけど、記憶は一ヶ月経っても一年たっても鮮やかに蘇ってくる。ここにムヒョクがいないことが辛くて悲しくて涙が止まらなくなる。 だけど、だからといって、あれしか方法がなかったとは思いたくないなぁ。彼女が横たわった時、何が始まるのか、結構ボーっと見てたんですけど、まさかああなるとは。呆然としてしまいました。 苦しみを乗り越えてこそ、新しい生が始まると江原さんも言ってたよ。もし生まれ変わりがあるとしたら、最後まで生きた人へのご褒美だと思いたい。確かに父親への罰としてはこれほど堪えるものはないけど。 エンディングで、ニクい演出があります。里親に懐かない幼い頃のムヒョクや、一人で生きていくしかなかった少年時代、ウンチェとの出会いを「最後の選択」にのせて写真で振り返ります。これでもう一度泣かされるのです。本当に見応えのあるドラマでした。 ![]() *横浜で開かれたイベントの模様。ジソブの歌う「雪の華」も。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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