2008/04/30(水)00:06
『どん底』感想~人生なんてそんなもん~
ゴーリキー作・ケラさん演出『どん底』。
当日券キャンセル待ちで観ました(がけっぷち!!)。
感想としましては…人間らしさ満載ですげぇ考えさせられた、といったところかなぁ。
(C)永石勝/小林伸一郎
ロシアあたりのとある街。
浮浪者ともニートともともとれるような、
環境衛生の悪い貧相な生活を強いられている下級層労働者が、
とある古びたアパートで共同生活をしていた。
泥棒、靴屋、帽子屋、饅頭屋、鍛冶屋とその妻、娼婦、アル中役者―
みんなみんな世知辛い現実に嘆き苦しみ、泣いたり喚いたり喧嘩して生きている。
そんなところにやってきた、一人の老人(じいさん)
大のホラ吹きだが、
それを聞いて希望を抱き頑張りはじめる人も…
しかし泥棒は、大家の娘と脱走を企てたことから、大家一家の災難に巻き込まれていく―
夢と現実の狭間で葛藤しさ迷う人々。
嘘でも、幸せになれる嘘ならつくべきなのか。
みんな少なくとも無理な希望を抱いていないと前へ進めないんだなぁ、と思った。
痛快というか辛辣というか…
そんな題材でも失望感を抱かず、時には笑い、終始面白く観られる(さすがに大笑いはない)。
舞台のボロボロの家が素敵。
寝具やら商売道具やらたくさんものが置いてあって、
ベッドや押し入れ、あちこちから人が登場してくる。
衛生の悪い当時の状況をリアルに?再現。
屋根の上は地上になっていてセリで上下に動く。これまたすげえ!
綿の雪が降ってきた。
そんな感じでケラリーノさんに脱帽であります。
次も本多で魅せてくれ(ナイロン100℃新作公演9月決定)!
←それまでは犯さん哉で復習…。
4~6月は観たい舞台が沢山あって、嬉しい悲鳴をあげまくってます。