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2012.01.28
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カテゴリ:カテゴリ未分類
青山真治監督「レイクサイドマーダーケース」を観る。

名門中学への受験のために、子供の勉強合宿に湖畔の別荘に3組の家族と塾講師(豊川悦史)が集まる。並木俊介(役所広司)は、別居中の妻・美菜子(薬師丸ひろ子)と娘の舞華のために仲のよい夫婦を演じていた。その晩、何の前触れもなく俊介の愛人・英理子(真野裕子)が別荘にやってくる。俊介は英里子と密会の約束をするが、英里子は現れない。別荘に引き返すと、そこには英里子の死体が。「私が殺したの」――。美菜子の言葉に俊介は愕然とする。俊介を除く親たちは、子供の受験のために、死体を隠すことを主張する……。

別荘とその周辺に舞台は限定されている。脚本は、舞台劇のように緊密に構成されている。が、俊介が真相を推理する手掛かりが、弱い。ミステリ映画としては、その点がキズ。

俊介は、裕子の荷物に残された写真から、塾講師が裏口入学を親たちに斡旋していた事実を裕子が突きつけた、と推理。真犯人は、塾講師であると指摘する。

実は、入試問題の漏えいを塾講師と親たちが進めていた。美菜子をつけるうちにその事実を知った英理子は、講師を追及した。それを知った子供たちが、受験の邪魔になる英理子を撲殺した、というのが真相らしい。講師と親たちが目撃したのは、湖畔に横たわる英理子の死体と、その周辺に残った子供の足跡だけ。子供たちは、同じ靴を履いており、単独犯か3人とも犯人なのか結局わからない。

子供たちをかばうために犯罪を隠蔽する親たちのエゴが浮かび上がる。

俊介は舞華と血のつながりがない。親たちのひとり(柄本明)は、「あんたを娘を愛そうとしている。だけど、親は愛そうとしなくても愛するんだよ」と俊介に叫ぶ。

名門中学を受験した経験をもち、親のエゴに哀しみを覚えた記憶を持つ塾講師は、「子供たちはあんたたちの醜さに気づいている」と絶叫する。

俊介は、結局、共犯になることを決意する。そうすることで、父親に、夫になろうとする。

塾講師は、殺された英理子こそが「まともだった」と言う。

社会正義の観点から、入試漏えいの事実を糾弾した英理子は惨殺され、死体すら破損された状態で捨てられる。

理不尽だ。松本清張が、「推理小説は、結局勧善懲悪にならざるをえない」と言った。犯人が明らかにされることで、ミステリは、「勧善懲悪」という大衆小説の倫理に踏みとどまり続ける。

「レイクサイドマーダーケース」では、犯人は明確にされない。なおかつ正義が理不尽に踏みにじられる。

浮かびかがってくるのは、現代における歪んだ家族の姿。その再生に必死になる人々の姿だ。

青山真治は、映画で「家族」を繰り返し描き、考え続けている。

主演級・芸達者を並べたキャストの迫力の演技が圧巻。特に、役所広司と豊川悦史の演技合戦が凄まじい。ずっと冷徹な塾講師を演じていたトヨエツが、謎解きの場面で、親たちのエゴイズムを指弾する怒りの芝居が、凄い。

濃厚なフィルムである。






Last updated  2012.01.28 17:32:27
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