2010/04/01(木)02:05
ドクターパルナサスの鏡
テリーギリアム監督「Drパルナサスの鏡」素晴らしかった。
内容的にももちろんよくできているけど、美術があまりにも素晴らしかった!
さすがテリーギリアム。
ヒース・レジャーが亡くなったあとジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルの3人が、ヒースの撮影途中だった「トニー」役を演じ分けて完成したといういわく付きの作品。
トラブルがあった故の予期せぬ完全!底力、と運命の強さを感じます。
クラシカルなヨーロッパ趣味
もちろんテリーギリアムおとくいの紙芝居的キッチュさ満載!
大好きな世界ですねえ。
僕は「アバター」よりこっちが、、。
やはり、レトロと言われようが古いと言われようが、本物に素晴らしいものは全て過去の価値観の教養に支えられているのです。
それが、別の次元の価値観と組み合わされて新しいものが生まれていくのです。
1970年当時前衛だった「グラムロック」もヨーロッパ貴族趣味と前世紀末的退廃をうまく使って、近代から現代に移り変わっていく中の都市社会での孤独感を、表現していたのです。
パンクロックの出現も、この解釈ではロックンロールの誕生との相似形ととらえることができる。
結局新しい文脈の中でスパイラルを描き、再生産されてゆくのが自然のおきてなのでは?
しかし、シュタイナーの言う8次元的なもの、スパイラルからはじきとばされたものもあります、時間がたっても旬がめぐってこないものです。
たとえば、1980年代バブル期の女性の太い眉のメイクや当時のファッションは、まためぐってくることはなく、永遠に古くダサイ。
(昨今の和製似非R&B等に代表される、その手の音楽にひしひしその匂いを感じるのは僕だけだろうか?)
ものを作る我々に課された使命は、やはり過去から学び正しいセンスを養うことではないだろうか。