テーマ:カウンセラーの独り言(503)
カテゴリ:カウンセラーの独り言
○少し詳しい話[ 季節への対応 ]
季節によってお受けする不具合には流行があるように感じることがあります。 特に春に不具合をを訴える方は少なくないように感じます。 春は体内にとって非常に過酷な季節なのですが、説明する回数が比較的多くなってきましたので、ここに記しておこうと思います。 ●ポイント ・春、梅雨、夏、秋、冬 ・気温だけでなく湿度と風 ・季節だけでなく「変わり目」 春は暖かくて心地よい、梅雨はじめじめ、夏は暑い、秋は過ごしやすい、冬は寒い。このように捉えている方がほとんどではないでしょうか。その捉え方がご本人のタイプに合っていて、快適に過ごすことができているようでしたら全く問題ありません。 しかし、当院の考え方として、季節の捉え方は上記とかなり異なっています。聞いて驚く方が多いのですが、その捉え方を取り入れ、季節の捉え方を変えることで症状が緩和されるケースがよく見られます。簡単にですが、ご紹介していきます。 「春」をスタートにして考えますが、季節は「梅雨」を含め5つで考えます。まずは簡単に全体を見てみましょう。 「春」は「冬」からすると気温が上がり、寒さから解放されます。5月を過ぎると夏日もあり、「初夏」のような気候になります。そうこうしているうちに6月に入り「梅雨」が来ます。そして海の日あたりから9月くらいまでが「夏」になります。 ここまでを詳しく見てみましょう。 「春」は寒さから解放されるという側面があり、冷え性をお持ちの方や寒さが苦手な方からすると比較的好ましい季節と捉えられているかと思います。 しかし、当院での考え方からすると、「春」は季節の中で最も過酷な季節と捉えています。多くの方は「冬」を最も厳しい季節と捉えているようですが、当院では「春」が最も厳しい季節です。 「春」がなぜ最も厳しいかという点から見ていきましょう。これには「季節の変わり目」という観点を含めるとわかりやすくなります。 「春」→「梅雨」 「梅雨」→「夏」 「夏」→「秋」 「秋」→「冬」 「冬」→「春」 このように季節の変わり目があるのは当然のことなのですが、これに湿度などを加えて考えてみましょう。 ・「春」→「梅雨」 気温が上がり、湿度も上がる ・「梅雨」→「夏」 気温が更に上がり、体温の許容範囲を超える ・「夏」→「秋」 気温と湿度が下がり、体温の許容範囲内に戻る ・「秋」→「冬」 気温と湿度が更に下がり、体温の許容範囲を超える ・「冬」→「春」 気温が上がり、湿度が戻るが風が強くなる さて、上記の中で体内が最も厳しいのはいつでしょう。 誰もが思う厳しい季節は「冬」か「夏」でしょうし、確かに楽な季節ではありません。しかし、不思議なことに、体の不具合を訴える方はそこまで増えたような印象を持ったことがありません。最も体調不良が増加する(新規来院が増える)のが2月~3月です。これはなぜでしょうか。 では次に体内のホメオタシス(恒常性)を加えて考えて行きます。 人の体はある範囲内で体内環境を一定に保とうとする働きを持ちます。心地良い体温を保つために、気温が低ければ保温を促し、気温が高ければ放熱を促すような働きを見せます。簡単にいうならば、保温のときは毛穴を閉じ、放熱のときは毛穴を開いたり汗をかいたりするような働きです。このホメオタシスを踏まえて季節の変わり目を見てみるとどうでしょうか。 ・「春」→「梅雨」→「夏」 気温と湿度が上がっていくだけなので体内は放熱を強めていきます。 ・「夏」→「秋」 夏は体の放熱力を超えた気温になっていますので、気温が体内の許容範囲内に戻り楽になります。 ・「秋」→「冬」 秋から冬にかけ、徐々に気温が下がっていき、体内は、夏にとっていた「放熱」状態から緩やかに「保温」状態へ以降していきます。 ・「冬」→「春」 ポイントになるのが「保温」→「放熱」という切り替えです。 季節の変化をホメオタシスへの影響の観点で見ると、「冬」→「春」が最も厳しくなります。この変わり目で体内がしなければならないのは「保温」→「放熱」なのですが、春には「三寒四温」があります。体が「放熱」を重視している状態にあるとき、暑さには耐えやすいのですが、逆に寒さには弱くなります。神経を中心に考えるならば、暑さに対するストレスは感じにくいが、寒さに対するストレスを感じやすくなるという具合です。 更に湿度も加えて考えましょう。春は冬よりも湿度は楽になっていますが、春一番があるように、風が強い日が多くあります。湿気はあっても風があるため、体内の湿気を奪われやすい季節だということができます。 まとめると、春の体内は保温から放熱へ衣替えをしながら、三寒四温にさらされ、風に湿気を奪われる季節ということになります。これは厳しい季節のような気がしてきましたでしょうか。 春は眠かったり、頭がボーッとしたりする方が多いかと思いますが、上記のような気候にいるとき、体全体のエネルギーの分配が内臓の衣替えに多く費やされているのではないかと予測できます。つまり、意識や思考へのエネルギー分配が少なくなっているのだろいうと考えられるわけです。 春で忘れてはいけないのは花粉症ですが、この体内が忙しく、そちらにエネルギーをかけたい時期に、比較的頭が冴えている冬のペースで過ごすことで、意識や思考にエネルギーを分配させようとしてしまい、体内のエネルギー不足を引き起こし、体内が「エネルギーが足りない!」という具合に神経過敏になることで起こっている反応だと捉えることができます。 花粉症については、それだけで1つのトピックになるくらいの量がありますので、また来シーズンになるかと思いますが、とにかく体内にとって春は「実は」かなり厳しい季節だとご理解いただければいいかなと思います。 今回は「季節の過ごし方」というテーマですが、春さえ理解できればあとはそれぞれの過ごし方を知っていただけるといいかと思います。 述べてきましたように、春は過酷な季節です。内臓が冬に受けてきたダメージを回復させる季節にもなりますし、夏の準備を始めている季節でもあります。そしてなにより体内にエネルギーを回したい季節ですので、とにかく気持ちをのんびりと過ごすといいかと思います。がんばるべきは「梅雨」ですので、とにかく梅雨が来るまで、気持ちで無理をしないことが体にとって楽な過ごし方になります。 「五月病」というのがありますが、これは梅雨と夏を前にして、春にのんびりできなかった方が、急速に回復を促すために、体の動きを制約する動きとして見ることができます。 当院のおすすめとしては、春はのんびり、梅雨は鍛え、夏に耐え、秋と冬にやるべきことをするというふうにお話しています。 こういった全体の流れを理解し、今やるべきことを自ら進んで自分の体に与えていくことで、驚くほどに体と心が安定していくのを実感できるでしょう。実際、急に花粉症が軽くなった方もいらっしゃったほどです。病は気からといいますが、「病気は気分的なものですよ」という意味ではなく、「正しい理解ができたときに起こる心理状態は病気にならない」という意味ではないかと思いますが、いかがでしょうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013.05.23 00:06:59
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