伝言ゲームの悲劇~対応編~
今回の伝言ゲームに関わっている当事者は次のとおりです。1,お客様(Aさん)2,老人施設のスタッフ(タクシー会社に電話した人)3,施設からタクシーの依頼を受けた、タクシー会社のオペレーター4,オペレーターの伝票をみて、実際に運転手に指示を送信した送信担当者5,15時10分に迎えに行った運転手6,15時10分に、タクシーに乗られたA?さん7,16時00分に迎えに行った運転手8,クレームを聞いた東東タクシーの運行管理者9,運行管理者の上司10,運行管理者から注意を受けた当事者以外の運転手出来る限り、多くの登場人物の立場に立ってイメージしてみてほしいのです。どの立場も、いずれ皆さんが遭遇する可能性があると思うからです。しかし、その中で、私が一番注目して欲しい登場人物は、お客様(Aさん)の立場なのです。Aさんは、この顛末を見てもおわかりの通り、決して落ち度がある訳ではありません。しかし、現実として、実害を被むられたのはAさんなのです。私がAさんに注目して欲しいと言うのは、みなさんも、いつ、Aさんのように、何の落ち度もないのに、実害を被る立場になるかわからないということなのです。仮に、大事な会議や、時間が決まっている飛行機の時間などに遅れたら、取り返しがつかないことにもなりかねないのです。実害を被られた後に、押さえきれない感情を、タクシー会社にぶつけて頂いても、当然、かまいません。タクシー会社は職務ですから、当然クレームをお聞きしますが、いくら感情をぶつけられても、Aさんが被られた被害は、修復しがたいモノなのです。これが、Aさんご自身だけの場合なら、まだ被害は小さいかもしれません。Aさんがご招待した、大切なお客様が、飛行機を利用されるような場面を想像してみてください。‘しまった!!’では、Aさん自身も困るはずです。このケースで、お客様のAさんが出来る一番簡単な対応は、15時10分の段階で、タクシーがいないことを確認した時点で、施設のスタッフか、タクシー会社にご遠慮なく「どうなってるんだ?」と連絡(クレーム)をされることです。被害は最小限にくい止められたと思います。タクシー会社も運転手も、立場上、お客様にはそんなことは言えません。クレームを頂くと、「申し訳ございません。社員教育を徹底させます」と言うしかありません。しかし、タクシー会社が、いくら運転手に注意しても、この類のトラブルは、「ゼロ」にはなりません。お客様の方で被害を最小限にくい止める工夫をされた方が、大事なお仕事をされる場面では、もっとも賢明な対応策だと思います。