"美しき大川橋蔵" 私の想い出***優美*大川橋蔵の時代劇

2024/03/31(日)19:57

海賊八幡船・・・(15)

大川橋蔵 映画 (主演)(186)

​俺は海に来てよかったのか 浜辺で焚火を囲んでの歌と踊りの宴会が開かれています。 ​​​​​​​​​​​​​​​​鹿門と黒白斎は少し離れた岩場にいます。海に向かって佇む鹿門に黒白斎が話かけますと、鹿門は黒白斎のほうを向きます。 黒白斎「若、お父君丹後守様は、この島によくお立ち寄りになりましたぞ。この先         の泉で月明かりの夜など、笛を吹いておられたものじゃ」 鹿門「爺、丹後守という人は、どんな人だ」 黒白斎「・・・ようお聞きくださいました。爺はそのお言葉をどんなに待っており     ましたか。・・・今そうして立っていられる若のお姿は、お父君に生き写     し、勇ましく、お優しいお心根まで、そのままでございます。・・・あな     た様のお母上様は、幼いあなた様を抱いて、めくら船におわしました」        鹿門「お二人共、確かに右衛門大夫に殺されたのか」 黒白斎「・・・・はい・・・」 そのことを聞き、鹿門は海のほうを向くと、                 鹿門「右衛門太夫が、めくら船に乗り現われたとき、俺は両親の仇を討つというよ    り、奴らの非道ぶりを目の当たりに見て思わず戦った。・・・堺の船火事の    中死んでいった父、あの無残な死にかたをした父を、一日とて忘れたことは    ない。・・・俺はめくら船に乗った。・・・小静を探すために船に乗った。    ・・・だが、この長い航海の間に、いつの間にか俺はめくら船、いや、八幡    船の男になっていた」 黒白斎「若・・・」 鹿門「・・・海が呼ぶ。・・・丹後守という父が俺を呼んでいるのだ」             黒白斎はそれを聞き、うんうんというように首を縦に、鹿門が黒白斎のほうを向き訊ねます。 鹿門「爺、俺は海に来てよかったのか」 黒白斎「よかったですとも、よかったですとも。そのお言葉で、道休もうかばれま     しょう。亡き丹後守様も、どんなにお喜びのことか・・・」 海の彼方に目をやる鹿門の表情からは、迷いが消え晴れやかでした。                  続きます。 🎞️​​​『海賊八幡船』前回までの投稿掲載分は、ページ内リンクできるようにしてみました。下記のそれぞれをクリックしてご購読することができます。​ 海賊八幡船・・・(14) 海賊八幡船・・・(13) 海賊八幡船・・・(12) 海賊八幡船・・・(11) 海賊八幡船・・・(10) 海賊八幡船・・・(9) 海賊八幡船・・・(8) 海賊八幡船・・・(7) 海賊八幡船・・・(6) 海賊八幡船・・・(5) 海賊八幡船・・・(4) 海賊八幡船・・・(3) 海賊八幡船・・・(2) 海賊八幡船・・・(1) ​​​​​​ ​​​​​ ​​ ​​​​

続きを読む

このブログでよく読まれている記事

もっと見る

総合記事ランキング

もっと見る