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ゲームで出てくる物で一度で良いから食べたい物を挙げろと言われれば
誰がなんと言っても”ハイパーほしにく”です。 BGM === 「そんな……!私の診断が間違っていたのか?!」 「ああ……やっぱりそうだったのね」 「一人で納得せずに簡潔に答えろ!一体全体……”お前の身体で何が起こっている”んだ! お前の染色体はもうズタボロだ!数十単位のシーベルトを浴びなきゃこうはならんぞ!」 「私も全部解っているワケじゃあない。……けど、貴女のその反応で薄々感じていた疑惑は確信に変わったわ。 ねぇ、ワンダ。私の妹……ソフィーの”ビフロンズ”がどんな能力かご存知?」 「……いや、知らん」 「そう。私も知らない」 「ふざけてる場合か!」 「Non!私は大真面目よ。着目すべき所はそこではないの。 甘えん坊の……誰かに依存気味のあの子が……誰にも--それこそ肉親である私やロザリィにすら自身の能力を明かしていない……”そこ”こそがこの話の注目すべきポイントなのよ」 「そんな……!まさか!」 「ええ、多分予想した通りでしょう。もう私の身体は……”どんな小さな傷だろうと治る事は無い”わ。 ロザリィも……あの子あれで勘だけは誰よりも鋭いから気づいているでしょうけど、一応義眼を入れといて貰えるかしら。 それと、私の視神経……駄目なら脳に直接”アンドレアル”の受信デバイスを接続してくれると嬉しいわ。 ……余計な心配はさせたくないの」 「……ひっく……えぐ……すまない。何の力になれなくて……」 「Non!そう思い詰める必要は無いわ。……私はね、寧ろ幸運だと思っているの。でも、時間が……時間が圧倒的に足りないのよ。 折角手に入れたエスポワール……最大限まで使わせて貰うつもりよ」 === 「……では、カリンに伝えてくれないか? ”アーサ・グレイシャスは離反した。出会ったらならば躊躇無く殺せ。私も遠慮はせん” とな。温和な君にこんな事を頼むのは少々気が引けるが。堪忍してくれ」 「了解!アーサ元分隊長からの最後の命令!引き受けました!」 ~~~ ~~~~~ 「どうでしたの?意識を飛ばしたまま長い時間戻ってこなかったから心配したのよ?」 「…………獅子身中の虫です。下手人の名はアーサ・アーネス……いえ、アーサ・グレイシャス……。 彼女が今回の騒動の発端であり……我々が斃さなければならない”敵”の名前です……」 「なん……ですって……!そんな……そんな筈は……!」 「残念ですが……事実です。本人から直接はっきりと告げられました。それに……深層心理の上でも……」 「やめて!それ以上は……聞きたくない!」 「ですが!決断は迫られています!私にも時間がありません!現実から……!現実から目を背けては……!求めが無ければ何も得られません! 彼女を取るか……我々SS小隊を取るか……早急なご決断を!」 ~~~~ 「目的を果たしたら?……う~ん、そうね~。お母さんになってゆっくり暮らすのも悪くないかな~なんて……」 「ほう。相手は居るのか?」 「それは……そのぅ……気になっている人なら……」 「……な、ななななな!薄々感づいていたが、やはり私をそういう目で見ていたのだな!このオマセさんめ!」 「いや、違……」 「私は……私は!私は一向に構わんッッ!寧ろ百合百合な関係は大歓迎だ! さぁ!私の胸に飛び込んで来い!抱き締めちゃうぞ!」 「いや、ホント……本気でそういうのは良いから……」 「性別なぞ愛の前では瑣末な事ではないか!嗚呼!素晴らしきかな!人類愛!」 「まったく……相変わらず人の話を聞かない子ねぇ……ま、でも嫁の貰い手がいなかったらそれでも良いかな~、なんて……」 「はい!デレ頂きました!バッチリ録音させて貰ったぞ!ガッハッ……ゴフッ!ゴフ! ……ゲフン。最高の言質取らせて貰ったぞ!もう離さないからな!」 「え……ちょ……まっ!冗談!冗談だからね!今の!」 ~~~~ 「そう……そういう事なのね。アーサ……貴女はその道を選んだのね。 我々は、国の権力者にとっては、常に自身の身を脅かす害悪に過ぎない。 そして、民衆にとっては自身の想像を遥かに超えた過ぎたる畏怖そのもの。 役目を終えた英雄の末路は……いつの世も、どんな所でも決まりきっている。平時に於いては誰にとっても”トラブルを持ち込む邪魔者”でしかない。 ”誅殺されるか” ”陰謀に巻き込まれるか” ”迎合するか” ”逃げて、全てを失い世捨て人となるか” 行き着く先は、この4つ。 解りきっていたのに……何で、何で私はこんな当然の事に気付かなかったのかしら。 決めたわ……例え”親友だった”人間だろうと……私の仲間を手に掛けた人物を赦す訳には……いきませんわ」 --”でびる”とは、堕ちた”天使”が発祥となる側面がある。 「たい……ちょう……」 --それとは異なる発祥を持つ”だえもん”は、聖書に於いて唯一神の原則故に、”やはゑ”から神の座を追われた、他宗教の”英霊”である。 「うふふふ……!何人たろうと、同胞を傷付ける者には容赦しませんわ。ロザリィちゃん?今直ぐに裏切り者の名を……SS小隊全員に伝えて下さいな。 ……全面戦争の……火蓋は切って落とされました。これがわたくしが選んだ答えですわ!」 --そう、言わば”悪魔”とは”堕ちた英雄達の成れの果て”なのだ。 「……はい。了解しました」 (これで……これで良かったんですよね……アーサさん…) ~~~~ 「ねぇ、アーサちゃん?」 「あのね……私ね?本当に……本当に貴女に出会えて良かったって……そう思うの。貴女には感謝しても仕切れない……!」 「おいおい。何も泣く事はないだろう。私は……私が思うがままにしたいことをしただけだよ」 「私ね……貴女と出会えて初めてこの世界を好きになれる気がしたの。貴女がいなかったら、こんな感情は……ううん。感情自体も芽生えなかったと思うの」 「だから……だからね?こんな頼りない私だけど……好きになった世界があるから……それを愛おしいと……守りたいと思うから……一緒に、私と共にこれからを歩んでくれますか?」 「ああ!勿論だとも!」 ~~~~ 「はははは!実に愉快だ! 祖国に”英雄”と謳われた我々が継承した”72柱の悪魔”をベースに作られたアーティファクト……全くもって皮肉が利いているわね。 ……それとも、あの子はこの未来を予見してこれを我々に授けたのかしらね?うふふふ……♪今となっては詮無き事ね。 首を洗って待っていなさい……!アーサ・グレイシャス!」 --少女の愛した世界と、描いた理想郷が音を立てて崩れた瞬間であった-ー 続く! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011年02月10日 20時02分56秒
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