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Brog Of Ropesu

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2011年11月20日
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カテゴリ:連載小説



出張で水戸に行くことになったので、折角だからとちょっくら足を伸ばして大甕神社に行ってきました。



マイナーな天津甕星ですが、好きな神様なのでアイコン日記でエピソードを紹介します。



※私、ロペスの独自解釈を多大に含んでますので、実際の伝承とは違う部分も見られますがご了承下さいまし





===


【キャスト】








天津甕星(アマツミカボシ)

星神(天の神)でありながら悪神(奉:なし)

国譲りに於いて最後まで抵抗した神。詳しい事はあまり伝えられていない。










建雷命(タケミカヅチ)

雷神、軍神(奉:鹿島神宮)

雷の象徴だけあってトールやインドラ、ウルスラグナの様な脳筋武闘派。











経津主(フツヌシ)

刀神、軍神(奉:香取神宮)

刀の神だけあって喧嘩っ早い。キレたナイフ。










天羽槌(アマノハヅチ)

織神(奉:大甕神社)

織物の神だけあって地味。影が薄い。










建御名方(タケミナカタ)

祟神、邪神(奉:諏訪大社)

国譲りエピソードでの事実上のラスボス。ミシャグジ様の名でも有名。







===



【信濃国】






「さて……まだ、抵抗を続けるおつもりですか?」










「下郎風情が……! 待っていろ! いつか……必ず英気を養い、貴様らを祟り殺してくれるわ!」







タッ!






チャプンッ!













「ありゃま、諏訪湖の中に逃げちまった。ま、あの深手じゃあ、もう再起は不可能。これで平定は完了ってとこかい?」






※国譲り(平定)→ 日本征服みたいなもの









「いえ……まだ常陸国(茨城県)に天津甕星と名乗る土着神が抵抗を続けている模様です」












「ふ~ん……聞いた事ないね。どんなヤツなんだい?」










                
              イメージ図




タケミカヅチ「確かな事は解りません。ただ、本来主神となってもおかしくない神格である星の神でありながら、暴虐の限りを尽くしている神だと聞いてます」










「ま、何にせよ、だ。少しは骨がありそうで楽しめそうだねん♪」








~~~

~~~~~




【常陸国】









「こんな田舎に何の御用でしょうか。早々にお引取り下さい」











「今ならまだ赦しましょう。……我々に下りなさい。さもないとこの地に血が舞い乱れる事になりますよ?」










「断る! 力で相手を捻じ伏せるのが貴方達の正義なら……ボクは決して武力なんかに屈したりしない!」









「そうですか。……とても残念です。イカヅチよ! この不遜なる者に正義の鉄槌を下せ!」







カッ……!



ズドーン!



プシュゥゥウウウウ……











「実に無益な戦いでした」










「大口を叩いたワリには軍神様の力はその程度なのですね」











「バ……バカな!最大出力の雷……!あのタケミナカタですら一撃で再起不能にした威力を真正面から食らって……何故!」











「キヒヒ……!そうこなくっちゃなぁ!くたばれぃ!」





ブォン!







キィィイイン!









「……な!弾……」










「星の神たるボクには”刀から迸る雷光”も”轟く稲妻”も、光に纏わる全ての攻撃は無価値です。

理解したならば、この地は諦めて下さい。今回だけなら見逃します」










「くっ……!光を伴う攻撃手段しか持たない私とフツでは分が悪い……か。悔しいですが、一旦退きますよ!」










タッ!










「くそったれ!」









タッ!








~~~

~~~~~







「それで、おめおめと逃げ帰って来たワケだ? 無様だねっ」









「返す言葉も……ないですね」









「ウルセェ! まともに戦もした事すらねぇ、お前に言われる筋合いはねぇ!」










「ふ~ん……そういう事言っちゃうんだぁ。いいよ。じゃあ私がそのミカボシっての斃してくるよ。そしたら面目丸潰れだよねっ」









「およしなさい。相性の差とはいえ、我々が二人がかりでも敵わなかった相手です。素の戦闘力であっても貴方の比ではない」










「ふふ~ん♪ 勝算があるから言ってるんだよっ。まぁ、任せてみなって!」










「けっ!どーせハッタリだ!アイツにお前なんかが勝てるもんか!」






~~~

~~~~~






【常陸国】







「やっぽー! ミカちゃんいるかなー?」











「あれだけコテンパンにされたのに性懲りも無く来ましたか……。見たところ貴方は戦いとは程遠い出で立ち……怪我をする前に去りなさい」









「う~ん……ハイそうですかってワケにもいかない事情がこちらにもあるんだよ。恨みは無いんだけど仕方が無いよねっ。

取り敢えず、最初に謝っておくよっ!ごめんねっ!」






しゅる……



しゅるしゅるしゅる……











「な、ななななな……!何ですか?!身体に纏わ…………うっぷ!」












「私はアマノハヅチっ!織物の神だから布っ端なら自在に操る事が出来るんだぁ。ミカちゃんが幾らピカピカで光を無効化出来るとしてもぐーるぐるの簀巻きになっちゃ何も出来ないよねっ!」












ミカボシ「きゅぅううう……」










「かわいいハヅチちゃんの大勝利っ!ぶいぶいっ!」











「な、納得いかねぇ……」










「押しても駄目なら引いてみろ……北風と太陽と言いますか……このやり方は盲点でしたね」









====




以上です。


ここではソフトに書きましたが国譲りは、逆らう者は全部虐殺した日本神話にしてはえげつないエピソードです。


タケミナカタすら斃した武闘派2柱でも倒せなかったアマツミカボシ。しかし、その幕切れはあっけないものでした。

星神≒天の神
ギリシャのゼウスの様に大抵、主神に当てられる豊穣の象徴が何故、悪神にされているか考えるとアマツミカボシは色々と興味が尽きません。

アステカでも星神であるトラウィスカルパンテクゥトリが破壊神扱いです。

オルフェウスとイザナギの様に、遠く離れた地に伝わる神話にも共通点が見つかる事は多いので、この2柱も何か共通点があったら面白いです。





一説には、アマツミカボシ退治は星を信仰していた土着民を滅ぼした話とするものもありますが、そうなるとスペインカトリックに殲滅されたアステカの黒きテスカトリポカの様に、後々の世に”逆らった=悪神”となって伝わったのでしょう。
退治された逸話以外に、生まれや、所業、その性格なんかのエピソードが謎に包まれているのも、そう考えるとしっくりきます。
アマツミカボシが善神だったら、打ち滅ぼした側の正義の名の下にある大義名分が壊れてしまいますから。



望まぬ殺戮で死刑囚になった我が家の三河ミカもこの着せられた汚名のエピソードをベースにキャラメイキングしてあります。






次回は気が向いたら、アステカ神話でミクトランテクゥトリ編を予定しております。かしこ









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最終更新日  2011年11月21日 01時18分58秒
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