いちめんの てんごくのように 修羅のみちをゆく
能box 雨にもマケズ 前半から
前半は和洋折衷コンサート。後半の舞台への前哨であろう。
祝賀謡 四海波 津村禮次郎
一管 真之音取 田中義和の横笛
静寂の中、きりりとした緊迫感。辺りの空気がピキーンと張り詰める。
和太鼓、鳴り物、横笛による「ひぃいずる」冒頭、木の実を鈴なりにしたからからからん、仏壇の鉦の余韻、、、間がもたらす静寂が、たまらなく心地よい。
やァーーっ!! そりゃあ! 掛け声を交わし合いながら、屈強な男2人が、太鼓と手振り鉦を繰る。太古からのエネルギーを呼び戻すよな、熱情の迸り。横笛が参入。裁きにも警告とも取れる緊迫した高音が、熱気を煽る。熱いドラマは益々活気づく。
盲目の箏。チェロとのアンサンブル。
仏壇の鉦に、栗の実をつなげた物。
鎮魂の音が、静寂に溶けいく。
テノール福井敬。春なのに
柏原芳恵のヒット曲とは同名異曲。3.11から我身に振り掛かった幾多の現実を、反芻しつつ
陸前高田の奇跡の一本松から
桜咲く道を行きながら、誓う
春なのに 春だから
僕は前を向いてゆくよ
いつの日か僕もまた
1つになれると信じて
僕は前だけを見るよ
煌めく海も風の音も
…非常に胸が締め付けられる歌詞。
福井敬の代名詞と言える 誰も寝てはならぬ 日本人では福井敬以外誰も歌ってはならぬ と申せましょう! それくらいシンボリックな一曲。 チェロの響きは粗い。壊れた世の中を表すべく、敢えてそうしたのか、奏者によるものかはわからないが、反復が錆びた釘みたいに引っかかってくる。その破れ目から、高らかに湧き上がるヴィンチェロ!! 震えがきた。
9.17迄有料配信中。