血の通った数学を
高校生にベクトルについて授業しました。文系の学生だったので、ベクトルなどという数学へのモチベーションが低くて当然です。しかし、三角形の面積を求めるとき、「ベクトルの外積を知っていると、お得なんだよ、」と紹介しました。。同じ掛け算でも、内積は高校の教科書に載っているのに、外積は全然載っていません。そもそもベクトルは, 1960 年代から高校数学に取り入れられてきたのですが、本来は、科学の発展から必要性が生まれてきたものは、間違いないでしょう。ところが、現在、高校の参考書や入試問題では、物理への応用については、ほとんど触れられていません。これは代数化・形式化と言えるんじゃないでしょうか?これでは血が通っていないんじゃ?外積も、回転する物理から生まれたもので、電磁誘導などで関わってきます。また、このベクトルと複素数の関わりも、数Ⅲでは習いますが、パソコンとの関連が全然載ってないのは、どういうことなんでしょう?また、大学で必須で習う行列との関係、つまり線形数学とベクトルの兼ね合いをちょっとは触れておくだけで、大学生活の見通しがずいぶん違ってくるのになあ、と思った次第です。