2004/03/29(月)05:40
なぜか、勉強好きにする作戦(ワクワクと一緒作戦)
ガミガミ怒らなくたって、子どもが自主的に勉強してくれればいいですよね。
あるんです、その方法が。それも、膨大な戦略群として。
ことの是非は、別にして、そのテクニックを知っておくことは、核兵器で武装するかどうかは別にして、核開発の研究はしておく必要があることと似ていると思います。
これまで、長々と具体的作戦の前提となる考え方をお話してきましたので、ここらで少し、テクニックの味見をしてもらおうと思います。
本当は、子どものもっているフィルターの理解から始めるべきなのですが、まずは皆さんにイメージをもってもらいたいと思います。後日、わが子の内面分析に入っていきます。
最初に、広告戦略の人をコントロールする基本テクニックを参考にしてください。
その1.テレビや雑誌の広告に、有名なスポーツ選手が起用されることがありますよね。松井選手やボブサップの姿・声は、大好きな人にとって、試合のときの興奮を思い出させるファクターです。
もし、その選手が繰り返し、一つの商品と一緒に画面に出ていたら、どうでしょう。いつの間にか、その商品を見ただけで、試合の興奮が誘発されるんじゃないでしょうか?
音楽も同様です。歳末にお店で、クリスマスソングを流す意味は、クリスマスの楽しい感じが誘発されて、お買い物が楽しくなるからですね。
これらは、言葉は悪いですが、典型的なパブロフの犬作戦です。
ある条件との組み合わせで、商品を提示することによって、その商品に触れただけで、あるイメージを浮かび上がらせる作戦です。
勉強だって同じです。もし、先生が大好きな人だったら。もし、勉強する場所が、わくわくするディズニーランドみたいなところだったら? 勉強するときのBGMが大好きなものであったなら。
大好きなタレントが、たとえばSMAPの草薙君を大好きな人は、韓国語への好感度は、確実にアップしているでしょう。
実は、大げさなことは要らないのです。本当の高等テクニックは、気づかないくらい些細なことの組み合わせにあります。その子の大好きなことを、いつもさりげなく組み合わせておくのです。意識しない程度に。それを繰り返すと、本人は、なぜかその教科が好きになり、自分はもともとその勉強が好きなんだと錯覚するのです。それは、その子のことを知り抜いたお母さんだからこそできる恐るべき技です。
テクニックその2
さりげないご褒美作戦です。勉強したあとに、好ましいことが待っているようにするのです。それも当然、その子によって好ましいことは違います。
先の作戦その1は、勉強する前か最中のイメージ作戦で、完全に無意識のコントロールを狙ったものですが、これは、あとの「エサ」であり、意識をある程度使わせます。でも、あまり露骨なエサよりも、さりげなく無意識に働きかける方が、高度なんですよ。
たとえば、勉強すると、大好きな彼女の笑顔を見られるというだけで、俄然、意欲が湧くというものです。
これで、好ましい行動をより強化し、と好ましくない行動を抑制することができます。いわゆる誘導です。単純な行動をより複雑な行動へと導くこともできます。行動の評価をゲーム感覚のポイント制にして、そのルールを次第に複雑にしていくのです。
まあ、成績発表や、表彰状だってその一種です。成績アップ記念パーティなども、強烈ですね。しかし、これも些細なことの繰り返しの方が、本当は強力なのです。
たとえばお母さんの笑顔とさりげないほめ言葉、雰囲気です。
ただし、この作戦の欠点は、良い行動をした時、ご褒美をやるのですから、最初、好ましい行動がほとんど現れないとき、実行することができないということです。
この場合、より単純な行動に焦点を合わせ、ご褒美を与える手法が有効です。たとえば、勉強するかしないかは別として、「5分間だけ机にすわる」ことを目標にするとか、毎日1回だけ本読みをするとか、そんな実現可能なことからはじめて、少しずつ親が狙った方に誘導していくのです。
その3.
代理モデルを探し、それを見せる作戦があります。
その勉強をしたことによって、こんなスゴイことができるようになった、こんな楽しい世界がまっている、こんな感動と出会えるというシミュレーションを見せるのです。
いわば、テレビの実演販売です。僕もあんな風になりたい、と思わせられればこっちのもんです。
また、逆に好ましくない行動に対して、本人に罰を与えるよりは、失敗したモデルを見せ、ああするとこうなる、ということを代理体験させるのです。
この手法は、地域の大人が手を結ぶことによって、限りなく発展させることができます。はてなクラブの活動も、この一環だとも言えます。
伝記を読ませることも、その流れです。
その4.生理的物理的作戦
スーパーでの、山陳列やエンド陳列、店舗レイアウトによる行動の誘導作戦です。
なぜか手に取りやすいところに、本がある。
なぜか、英語を耳にしてしまう。壁に世界地図が貼ってある。
勉強部屋への通路が、なぜか歩きやすい。
なぜか、すっと机に座ってしまう。本をとってしまう。
という環境作りです。お店では、これらのために、大金を投じて研究に研究を重ねているのです。
どうやって、お客を店の奥まで引き込むか、を。
以上、4つばかりですが、どちらかと言えば、子どもの内面を重視しない方法をお伝えしました。これは物事の片面であり、その子のフィルターの観察を中心として、作戦を立てていく仕方が本筋なのは言うまでもありません。
でも、いずれにしても、ガミガミ・くどくど説教するよりも、なぜこんな手間のかかる作戦をした方がいいか、と言いますと、子ども本人は、自発的に勉強していると思うからなんですね。(実は、誘導されているんですが。)、で、誘導されたにしろ、自発性を阻害しないで、逆に育成するんです。これは重要ですよね。
病気も、対症療法よりも、免疫力高めることが大切ですよね。これらの直接説教しない作戦は、時間はかかりますが、漢方薬なんです。
今回は、ほんの一断面に過ぎませんが、ちょっとでも発想のヒントになれば幸いです。
今日は、はてなクラブの陸上自衛隊見学の日です。
今からドキドキしています。