カテゴリ:科学実験教室
私は、もともと、流通業(卸売業)にいまして 小売業のあり方を学ばずにはいられない立場にありました。 「流通革命」という言葉も、何回かに分かれて、唱えられました。
そこでは、主に、アメリカ型の流通産業論 特に、チェーンストアの理論が、 バイブルとして崇められていました。
確かに、近代化の遅れた日本の小売り・卸売業界には、 大きな刺激でした。
ところが、そのある意味、マニュアル化した理論に 風穴を開けて、そして、大きな実績をつくったのが、 セブンイレブンでした。 最初は、あんな原則に反したことをして、 失敗するに決まっていると 私も懐疑的でした。 ところが、本家本元のアメリカのセブンを吸収するまでになったわけです。 それまでは、アメリカのマニュアルを守らせることに、指導の重点があったのに マニュアル自体に疑問を抱かせること、そして、そこから仮説を立てさせ そして、検証すること、そこまで、パートのおばちゃんにまで求めています。
その張本人が、有名な鈴木敏文さんです。 鈴木社長の言葉を、今更ながらひもといてみると 驚くことに、仮説実験授業の精神に、たいへん近いのです。
「小売業は考える産業だ……<仮説><検証>の繰り返しで勝つ」 なんてお言葉、モロに、バッチリです。
「昔からそうだった、という業界常識は通用させない」 「仮説のある実践と、その結果の検証をせよ。」 「発注は仮説と検証の伴った高度な判断業務だ。」 「仮説・検証から、おにぎり・弁当の発想が生まれた。」 「マニュアルでは検証ができなくなる。」 「仮説がなければPOSシステムは、単なる道具だ。」 「仮説がなければ、結果の検証はできない。」 「うまくいかない理由を徹底的に追求せよ。」
まさに、科学の授業です。
流通業は、昔はいろいろ規制に守られ、 殿様商売でした。 売り手市場から、買い手市場への変化の中で その荒波の中で、輝いたのが、 鈴木さんの科学的な精神だったのです。 私は、そう理解しています。
教育界は、同じサービス業にあって、 とんでもなく遅れています。 これから、遅れた分、何倍もの大波に洗われるだろうことは、 簡単に予想が立てられます。 その教育革命の中で、羅針盤となるのも 仮説と検証(実験)の科学的な精神であるだろうと 私は思います。
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なるほど・・・とっても納得です。
後手後手にまわっているから、仮説と検証ができないんですね。 何かが起こってから、あわてて動くのではなく、その逆というわけですね。 教育界といわれて、気づきました。 ちなみに、私の日々の仕事と同じ部分があるなとも感じました。 (エクセルでのデータ処理と、日刊社内報の発行をやってます。) (2008.08.26 22:41:10)
>教育界は、同じサービス業にあって、
とんでもなく遅れています。 学校ってサービス業ですよね。それを学校はサービス業じゃないからっていう先生方多いんですよね~ サービス業じゃないって思っているから遅れるのも無理ないんですけどね。 学校はサービス業か?そうでないのか?って、そういう議論がまだされている時代でしょう? そこからしっかり、学校はサービス業だということを、まず先生方が認識しないと駄目なのでしょうね。 (2008.08.27 21:29:37)
satomutaさん
どうも、ごぶさたしてしまいました。 パソコンに向かうリズムが狂ってしまって。 ところで、サービス業。 どんな仕事もサービス業のはずですよね。 それを、違うと言うところに、 押しつけの、根っこがあるんですよね。 サービス業なら、嫌なものは、押しつけませんから。 (2008.08.29 00:24:28)
>それを、違うと言うところに、
押しつけの、根っこがあるんですよね。 私もそう思うのですが、今流行のモンスターペアレンツを生み出したのは、まさにこの、サービス業だと勘違いしている親が増えたからだと、この間テレビで言っていましたよ。 そうやってどうしても、親をモンスターに仕立てても、学校はサービス業だと思わせたくない何らかの意図があるようにしか私には思えません。 経済が太刀打ちいかなくなったら、いつも戦争になっています。そうやって借金をチャラにしてきた歴史があります。こうやって、締め付けようとするのは、また、戦争が近いのかな?とも思いますよ。 気をつけなければと思います。 (2008.08.29 09:58:28)
satomutaさん
なるほど、モンスターペアレントですね。 いろんな側面がありますから、十把一絡げに モンスター扱いする危険性がありますね。 サービス業は、どの業界でも、モンスター消費者に 「悩まされている」わけですが、そういう苦情を、「ありがたい情報」だと捉えるかどうかで、その企業の発展が決まっていくわけです。 もちろん、サービス業は、お客を選ぶ側面もあります。 お客を選ぶことも、サービスの一つですから。 (2008.08.30 20:10:19) |
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