イギリスのマイケル・ファラデーという、画期的な業績を残した科学者は、
数学をほとんど学んでいませんでした。
だから、彼の論文には、ほとんど数式が出てきません。
ファラデーが数学を学んでいたなら、と惜しむ声もあります。
しかし、もしかすると、
彼の発見した磁力線の考え方などは、
通常の数学を積み上げたのでは、生まれなかっただろう、と言われています。
高等数学を学んだ学者たちが、電気力学で行き詰まっていたところを
ファラデーが幾何学的な考察から、電磁気学を切り開き、
それをマクスウェルが、数式化して、電磁方程式が生まれたのです。
数学を学ばなかった「のに」、発見をしたのか?
いや、
数学を学ばなかった「から」、発見をしたと言えるようです。
実は、昨日も、実験教室の後、
科学の扉を開くために、
ちゃんと字が読めて、計算ができるようになってください、
と話をしたところでした。
確かに、その通りなのですが、
新しい側面を切り開くには、狭い意味の数学力には、
とらわれない、広い意味の数学力、
つまり、自由な発想力こそ、殺さないで育てる必要があるようです。
しばらく、更新できず、すみません。
今週は、スケジュールが立て込んで、
身動きができませんでした。
忙しいことは、ありがたいです。
来週は、落ち着けると思います。