科学はイタズラだっちゃ! 受験も科学!      科学実験教室&家庭教師  宮城県大崎市

2009/08/29(土)14:49

買わないのは、お客が悪いのか?

理想の学校に向かって(81)

今の子どもたちの学習意欲は、低いっていいうもんじゃないですね。授業が成り立たないだけでなく、個人的にも、学習する意味を全く見失っています。 これを、世の識者は、「家庭教育の崩壊だ」「世の中がおかしくなってきている」「道徳教育だ」 「とにかく学力をつけさせろ」と叫んでいます。 でも、客観的に、昔と今で、明らかに違ってきているものは何でしょうか? それは、大学の全入時代に象徴される、教育の供給過剰です。昔は、近代的・科学的な知識は、学校から仕入れるしかなかった。それが、今では、テレビ、ネットなど、いろんなところから、自由に取れます。幸せになる道も、一つではないことは、はっきりしてきている。 ここで、ふと、視野を広げてください。供給過剰になって、モノが売れなくなるのは、昔から、どの業種でも、当たり前のことだったではありませんか? モノ不足の時代なら、どんな服でも、あるだけ幸せでした。しかし、今、昔のように、どんなものでもありがたがって、買う客なんて誰もいません。だからこそ、メーカーやお店は、技術革新を繰り返し、ユニクロをはじめ、時代の要請に応えたところだけが、生き残ってきたのです。 自己革新をできなかったお店は、たとえ老舗の百貨店でも、つぶれていくのです。 これを、客が変わったから、お客がなってない、って怒ってどうなるのでしょう?かえって、喜ぶべきことです。 ひるがえって、教育に関するニーズそのものは、決して、減少してはいないと私は、ひしひし感じます。ただ、そのニーズに応える教育機関が無いだけです。だって、教育「商品」は、10年前・20年前とほとんど変わっていないんですもの。お客は、買いたい商品が無いのです。 もし、革新的に、ニーズをとらえた学校ができたら、意欲にあふれた学生で、引っ張りダコになることは、目に見えています。 そして、そのニーズに合っているかどうかを教育界は、どうしても、測ろうとしません。なぜでしょう?教える側が主役だという意識から、解放されないと「生徒がこの授業を受けて、どう思ったか、どう感じたか?」を聞けないのです。 さらにこの根底には、生徒は、自主的に学習しようとするものではない。怠けよう怠けようとするものである。だから、厳しく監視の目を光らせないと、楽な方向にばかり走ってしまうという先入観があります。 そして、これが、明治以来の学校教育を貫いてきた子ども観でした。さらに、それは、政府が国民を見る国民観でもあります。 いや、違うんだ、子どもも大人も一人ひとりが心の底では、より良く生きたいと思っているんだ、と叫ぶ教育学者さんもいらっしゃいましたが、少数派です。 でも、そこに立ち返らないと、受講者本位の学校はできません。 そして、ここが肝心なんですが、生徒に聞かないと、科学的に判断できないのです。科学的な授業改革もできないのです。販売する側の意識調査では、本当のことは見えないのです。消費者の意識調査でこそ、意味があるのです。 常に、生徒に、この時間、楽しかったか?おもしろかったか? タメになったか?と聞ける教師でありたいと思います。 

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