科学はイタズラだっちゃ! 受験も科学!      科学実験教室&家庭教師  宮城県大崎市

2011/04/14(木)17:58

楽観派と悲観派(慎重派)の間で

  週刊誌を見ると、放射能について、楽観論と悲観論がくっきりと色分けされています。これは、放射線と健康については、本当のところがわからないところが多く、いろんな学説があることにもよると思います。 だから、基礎データが違っていることよりも、論拠としているデータ自体は、同じなのに、その解釈が違っていることが大きいのです。 100人に一人が死ぬと言われても、「こりゃたいへんだ」、と思う人と「1パーセントの増加なんかは、誤差の範囲だ」と思う人もいます。私は、専門家でも何でもないので「わからない時こそ、国際基準をガンコに守るべきだ」と考えます。そして、「罪の無い子が、100人に一人でも、発病するのは、とんでもないことだ」と、恐怖と怒りを感じます。 しかし、中には、そういうストレスの方がもっと体に悪い。気楽に明るく暮らしているのがいいのだ、と論理的に説得する学者もいます。さらに、中には、「放射線は体に良いのだ」、という学者もいるのです。 NASA(航空宇宙局)より、宇宙飛行士への放射線の影響についての調査依頼を受けたラッキー博士は10年以上の歳月をかけて研究を続け、高レベルの放射線は生体に有害であるが、低レベルの放射線は有益であるという「放射線ホルミシス」現象を発見した。 ラッキー博士によると、「最も理想的な環境は自然放射線の100倍」の約100ミリシーベルト/年、時間当たりの線量率に換算すると、274マイクロシーベルト/日、1時間当たりでは11.4マイクロシーベルトの線量を四六時中受けるのが理想だという。 この学説の正当性は私には判断できませんが、疑問に感じるのは、なぜこのような学説の存在を、メディアは触れようとしないのかということです。私は、こういう学説もどんどん広報されるべきだと思います。 ただ、日本人は、いろんな正解に慣れていません。意見対立の状況に慣れていないのです。ある作家は、日本人は「いわし民族」だと言いました。大勢が群れをなし、同じ方向を向いて泳いでいるが、何かの衝撃で一瞬にして大群が180度方向を変える。 過去、日本は「いわし民族」的行動で、繁栄もすれば滅亡の危機に瀕したこともありました。  今回の病根は、個人が判断し、個人のリスクで行動する成熟が日本にまだ、育っていないことだと思うのです。たしかに、メディアの責任は重いのですが、そこに私たちの生存を委ねてしまうのは、あまりにも情けないのではないか、と思います。家族で判断に分かれ、けんかになるのも、それはそれでいいんじゃないか、と思います。この事態を科学教育の絶好の教材と考えてしまう、不謹慎な科学寅でした。 それだけじゃありません。今後、本格的な復興に入れば、被災地は、援助に頼らない自分で判断していく力が、一番求められます。脳梗塞からのリハビリと同じで、早い段階から、自主的に体を動かすことが大切なのです。病人扱いは短いに越したことはないのです。つまり、自分で道を切り開いていく決断力です。  その決断というのは、すべてのデータが揃って、正解が示されてから行動するというものじゃ、全然無いはずです。人が反対するのを押し切って進む、一見非合理的な判断も大切です。 その意味で、この放射能への対応も、どういう対応をするにしてもある程度の論理をもった度胸が、ぜひ必要なのだと思います。<孫正義>原発問題について熱く語る私は、孫さんを見直しました。携帯を変えようと思います。

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