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2012.10.30
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本来、子どもは、勉強したいものなのか？ いや、子どもは、怠けたいものだ！
もし、子どもは、好奇心にあふれ、黙ってても、勉強するものなら、 教師のすべきは、勉強から遠ざける阻害要件を、とりのぞくことになります。
しかし、放っておくと、勉強なんかしないはずだ、という考えからは、 しっかり、規則と監視で、導かなくてはならないことになります。
性善説か？ 性悪説か？ は、古代からのテーマですが、 これは、学校の教育方針にも影響を与えていることでしょう。 信じて引き出す教育か？ 信じず、疑い、外側からガチっと管理するか？
そもそも、性善説・性悪説は、古代中国の諸子百家から来ています。 仁による王道政治を目指した、（孟母三遷の教えの）孟子が、性善説、 礼を重んじた、荀子が、性悪説 と言われています。
孟子は、じゃあ、どうせよと言っているんでしょうか？ 人はもともと、「善い」ものだから、何もしなくてもいいんだ、 って言っているんでしょうか？
いや、違うのです。 孟子の矛先は、王や為政者に向いているのです。 民は、本来善い性質をもっているのに、 こんなに酷い世の中になっているのは、 「王よ、役人よ、お前たちが無能だからだ」 と言っているのです。
教育に当てはめれば、そう、せっかくの才能を伸ばせない、 教師を批判しているのです。
それに対して、荀子は、 民は、みんな欲望をもっていて、それに忠実なんだ、 放っておいたら、たいへんな社会になる。 殺し合いをさせないためにも、 また、社会の秩序を安定させるためにも、 信じるとか、甘いことを言っている暇があったら、 バッチリとルールを作って、違反したら、罰をあたえなさいよ、 と言っているのです。
さあ、どっちがいいでしょう？ 歴史からの答えは、性悪説の完勝です。 この流れの法家思想をとった、秦の国は、はじめて全国統一します。
じゃあ、やっぱり、性悪説でいくべきなんでしょうか？ 実は、その後、大逆転が起きるのです。 秦は、上に立つ監督者が、オバカになると 一気に滅びます。
そして、次に起きた、漢帝国では、性善説を基本とする、 孔子の儒教が採用されるわけです。
さあ、どっちが本当なんでしょう？ 私？私はどう思うだって？ 私は、どっちでもありません。 そもそも、善も悪も、幻だと思うからです。 時代や地域が変われば、善いことも悪いことも、すっかり変わってしまいます。
何が善いことで、何が悪いことか、なんて、人間は決められません。 殺人犯だって、ヘリクツを探せば、必ず、正義の人にもなりえます。
そうじゃなくて、人間は、欲望に忠実だということです。 いや、欲望というより、イメージです。
もし、人にやさしくするという、イメージを全然もっていなかったら、 そして、そうすると、気持ちが良い、というイメージをもっていなかったら、 できるわけがありません。
逆に、試験にパスして、希望の進路につくというイメージですね。 その先に、バラ色の未来が見えていれば、 友達の誘惑をも振り切って、試験勉強に励んでしまうんじゃないでしょうか？
中国の国民の民度が低いっていうのも、 街が清潔で、店では釣銭をだまされず、自動販売機も壊されない、 というイメージを持てないからです。
逆に日本人は、人は、隙があれば、だますものだ、というイメージが持てません。
で、どのイメージが正解か、なんてことはナンセンスです。 イメージは自由なんです。 どんなお花畑のイメージでも、地獄のイメージでも、ＯＫなんです。 ＯＫというのは、自由に選べるということです。 だって、そうでしょう。 頭の中のイメージなんですから。
そして、人間は、自分のイメージに拘束され引っ張られていくのです。
そう、私の答えというか、考えは、 子ども達に、どんなイメージを提示するか、そして、誤解を恐れずに言えば、 「洗脳」するか、にかかっているということです。
子どもは、白紙のキャンパスです。 親は、催眠術師であり、マインドコントローラーです。 え？そんなことしていいの？
いいんです。 だって、社会は、私たちに常に、洗脳をかけてきているんです。 社会は、洗脳対洗脳の戦いみたいなものです。 こちらが、防衛の良い洗脳を与えなければ、 悪い洗脳の餌食になってしまうのです。
そして、良い洗脳は、良いものを見せること、 提示することだと思います。 親というモデルも含めてね。
（荀子も、孔子の弟子でした。 孟子が、孔子の「仁」を強調したのに対して、 荀子は、「礼」を強調したんですね）
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Last updated
2012.10.30 12:08:15
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