科学はイタズラだっちゃ! 受験も科学!      科学実験教室&家庭教師  宮城県大崎市

2013/03/17(日)12:06

科学の不確実性を教えよう

放射能問題で、議論が紛糾しているのは、現代の科学では、まだ、わからないことが多いからです。少なくとも、結論が出ていないことが、圧倒的に多いのです。一応の線引きはされていて、法律にもなっていますが、それは、科学的な結論ではなく、政治的な線引きに過ぎません。 もちろん、電力会社や、推進派の肩を持つつもりはありません。(こんな、まだわからないものを、作ってしまうことの倫理観は、非難されるべきです。) しかし、不幸にも、汚染されてしまった後からの立場では、あらためて、この「わからない」を真正面から見つめるタフさが必要に思います。 今日現在の現状を見ると、急性の症状は、表面化していないようです。かと言って、まだ、2年経ったばかりですので、5年後、10年後、さらに、50年後、どういう影響を与えるのか、予断は許しません。 もしかして、大丈夫かもしれないし、ヤバい、取り返しがつかない状態なのかもしれない。 「白黒をつけてくれ」という気持ちはわかります。が、その感情に負けて、白黒をつけちゃうことこそ、「似非科学」となります。 参考になるのが、食品の安全性を測る考えです。どういうことかというと、「ワーストケース」で考えるのです。そして、実際の発病の増加率を生体や動物実験から検証し、さらに、普通、生活でどのくらい摂取するのかをみます。 これ自体が、やっぱり仮説ですが、とにかく仮説でも基準がないことには、議論もできません。 それで以前、話題になったのが、花王の「エコナ」でした。他の食用油よりも、10倍危険性があるんじゃないか?ということになり、しかも、特定保健用食品となっていたので、バッシングを受けました。しかし、ですよ、普通の油も、その10分の1にしろ、危険性をもっているのです。さらに、その計算でいけば、もっと危険なものが、ボロボロ出てきます。ポテトチップスなんて、エコナのさらに10倍から100倍も危険だとされています。 さらに、さらに、天然の野菜だって、自分で発癌性物質を合成していることがわかってきています。 どの食品もリスクをかかえているのです。要は、そのリスクと、メリットの差なのです。この世のことで、ゼロリスクはありえない、というのが、科学的な見方です。自然なものは、安全で問題が無い、というのは幻想です。 また、学校で習う科学では、明確な答えがいつもあります。しかし、実際は、それも幻想なわけです。最先端の科学ほど、不確実性があるわけです。だからと言って、「科学は信頼できない。」と科学的な考え方を否定してしまっては、本末転倒です。 市民ひとりひとりが、主体性をもった科学的態度をもって、自分で仮説をたてて、自分で科学的に検証をして、リスク管理を行うべきです。 

続きを読む

総合記事ランキング

もっと見る