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放射能問題で、議論が紛糾しているのは、 現代の科学では、まだ、わからないことが多いからです。 少なくとも、結論が出ていないことが、圧倒的に多いのです。 一応の線引きはされていて、法律にもなっていますが、 それは、科学的な結論ではなく、政治的な線引きに過ぎません。
もちろん、電力会社や、推進派の肩を持つつもりはありません。 (こんな、まだわからないものを、作ってしまうことの倫理観は、非難されるべきです。)
しかし、不幸にも、汚染されてしまった後からの立場では、 あらためて、この「わからない」を真正面から見つめるタフさが必要に思います。
今日現在の現状を見ると、急性の症状は、表面化していないようです。 かと言って、まだ、2年経ったばかりですので、5年後、10年後、 さらに、50年後、どういう影響を与えるのか、予断は許しません。
もしかして、大丈夫かもしれないし、ヤバい、取り返しがつかない状態なのかもしれない。
「白黒をつけてくれ」という気持ちはわかります。 が、その感情に負けて、白黒をつけちゃうことこそ、「似非科学」となります。
参考になるのが、食品の安全性を測る考えです。 どういうことかというと、「ワーストケース」で考えるのです。 そして、実際の発病の増加率を生体や動物実験から検証し、 さらに、普通、生活でどのくらい摂取するのかをみます。
これ自体が、やっぱり仮説ですが、とにかく仮説でも基準がないことには、 議論もできません。
それで以前、話題になったのが、花王の「エコナ」でした。 他の食用油よりも、10倍危険性があるんじゃないか? ということになり、しかも、特定保健用食品となっていたので、バッシングを受けました。 しかし、ですよ、普通の油も、その10分の1にしろ、危険性をもっているのです。 さらに、その計算でいけば、もっと危険なものが、ボロボロ出てきます。 ポテトチップスなんて、エコナのさらに10倍から100倍も危険だとされています。
さらに、さらに、天然の野菜だって、 自分で発癌性物質を合成していることがわかってきています。
どの食品もリスクをかかえているのです。 要は、そのリスクと、メリットの差なのです。 この世のことで、ゼロリスクはありえない、というのが、科学的な見方です。 自然なものは、安全で問題が無い、というのは幻想です。
また、学校で習う科学では、明確な答えがいつもあります。 しかし、実際は、それも幻想なわけです。 最先端の科学ほど、不確実性があるわけです。 だからと言って、「科学は信頼できない。」 と科学的な考え方を否定してしまっては、本末転倒です。
市民ひとりひとりが、主体性をもった科学的態度をもって、 自分で仮説をたてて、自分で科学的に検証をして、リスク管理を行うべきです。
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Last updated
2013.03.17 12:06:51
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