ラクダのあくび

2007/12/17(月)03:36

鳥獣戯画がやってきたをみにいってきた

ミル(20)

「鳥獣戯画がやってきた」 サントリー美術館で昨日までやってました。 鳥獣戯画って高山寺蔵ってなってたから、 わがまま言って家族旅行中に組み込んで高山寺行ったら 国立博物館に寄託されてるとか・・・。 東京から来たのに、本物は東京かよ!!(涙) まぁ、人も少ないし、静かないい所だったんで、オススメです。 というわけで、本物にお目にかかるのは初めて。 ワクワクです。 しかし、入った途端に長蛇の列。 ただでさえ一品目は人が溜まるというのに、 初っ端から「鳥獣戯画 甲巻」 (ウサギとカエルとサルとキツネみたいに、よく見る絵はこの巻からの出典)  ←こういうの 最初から甲乙丙丁と順に並んでそれ以降に模写、 下のフロアで鳥獣戯画の影響を受けたと思われる戯画の展示。 夜に行ったので、閉館というリミットがあるので、 まず、混む前に売店へ。 終了間際とか混むからね・・・ そして先に下のフロアを鑑賞。 男装の女性が帝に見初められるが 先に見初められた姉と喧嘩したり その後飽きられて捨てられたり、 (これ、作者は女性・・・室町時代にも腐女子はいたのね) ネズミがお姫様だまして嫁にしてバレたり、 農作業手伝ったら娘を嫁にやるって言ったのに サルが手伝ったら、裏切られて娘を攫うとか、 放屁合戦とか一物比べとか ・・・・なんというか、漫画(笑) 放屁合戦の絵の、いきいきとした感じ(笑) 無邪気におなら吹き飛ばしまくるバカバカしさといったら無いですよ。 おぼっちゃまくんかい!! 上のフロアに移動するもまだ並んでいるので、模写を先に見る。 そして、その模写が現在の甲巻とは、全く違う順に並んでいたりする。 現在の甲巻は、度々の戦火などで、バラバラになり抜け落ちたり、 順序が入れ替わったりしているんだそうです。 まだ、全貌は分かっていないんですね。 初めて知ってビックリしました。 流石に閉館近くなって、新たに入る人が減った分、列も短くなって参りました。 さぁて真打ち! ウサギもカエルもキツネもサルも、イキイキとしてて、 めっちゃカワイイ~~!! 無駄の無い、今にも動きそうな動物達の線。 躍動感が模写とは比べ物にならないです。 細切れにみた事はあっても、流れでみたのは初めて。 あれが横に流れて行くだけで、アニメーションみたいに感じます。 当然この作品を書いた、鳥羽僧正(と言われている)のレベルの高さあってのこと。 放屁合戦もこの人の作品の模写だそうで。 本当に動きを書くのが上手い人だぁ・・・ 日本最古の漫画って本当ですねー 吹き出しに台詞書いてあっても違和感無いですよ。 今漫画描かせてもイケルと思う。 乙巻は動物。 サイみたいのや、麒麟、豹、寅、象 ヤギなんかも。 イキイキとした感じはあるのですが、 戯画という感じは減ります。 横に繋がる動きが無いせいかな。 丙は線が全く違う線で、素人目にも描いた人が違うのが分かります。 描かれた時代も違うとか。 甲巻のイキイキとした感じからすると、元気半分位かな・・・ ここからは人物が出てくるはずなのですが・・・ あり?出て来ない。 半分ずつ展示替えされていて、後半しか見ていなかった事に、ここで気付く。 全作品が、後ろ半分しかないのか!! 前期見逃したぁぁぁぁあうう(号泣) せっかくだから甲巻だけでも全部流してみたかったよう~~ (展示スペースの都合だったんだろうけど・・・) 丁巻に至っては、線が太くて大雑把になり、 同じ鳥獣戯画で括られているのが不思議な位の作品になります。 こちらは更に時代が進むとか。 これには漫画で使われる動きを線で表す表現が出てきます。 (投げた石の軌跡が線で表される) 日本の漫画にはこの頃からの表現が脈々と受け継がれている訳ですね。 改めて模写を見てみると、甲巻からの出典がほとんど。 実際に模写されなかった訳ではないのですが、 今もそうですが、昔から甲巻の人気が高かった事がうかがえます。 (グッズなどのモチーフもほとんど甲巻から) 技術が高いから、絵のお手本によく使われたんでしょうね。 模写はレベルの高いものから低いものまで。 でも全て、過去の鳥獣戯画の本当の形を知る為に重要な資料。 その模写が描かれた時代によって、違う形を取っていて 模写の模写だったり、沢山のバージョンがあって、 一番当初の形というのは謎に包まれている。 何だか浪漫を感じます。 更には、甲巻の前半と後半でも違う作者ではないか、との説もあるとか。 「展覧会場でじっくり見比べたいところだ」(図録より) 展示替えで前半後半で分けて展示してんのに どーやって見比べれと・・・ 国立博物館、全部一挙に展示してくれないかな~~     

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