発達障害児が伸び伸びと育つために~保健師の目で見た子育て~

2008/03/12(水)20:25

人はなぜ反抗するのか? その6

反抗できたのは、この講師がいい人だったから・・・、 反抗したいのに、反抗できないまま成長するのは、子どもにとって不幸なことですが、 どんな時に、人は反抗できないと思いますか? ・・・と、昨日の日記に書きました。 どんな時に、反抗したくでもできないのだと思いますか? 一つは、親が強すぎて、子どもの力ではとても対抗できない場合。 研修でも、もしも「黙れ!」とか、「こんなこともわからんのか、ばか者め」などと言われたら、反抗どころではなく、みんな萎縮して、何の意見も言えず、自己表現はできなかったでしょう。 萎縮していると、その抑えられたエネルギーは、必ずどこかで噴出してしまいます。 二つ目は、親が弱すぎて、反抗したら親がつぶれてしまいそうな恐れを持つときです。 親が病弱、またはシングルだったり、夫婦喧嘩が多くて母親が弱っていたり、親は仕事が忙しすぎていつも疲れていたりすると、 子どもは、反抗することを抑えてしまいます。 自分が親に反抗して、親が泣いたりすると、自分は弱い者いじめをする悪い人間だと思い、 自分を表現することに自責の念を抱くようになるんですよ。 親が自分より強くないと、反抗しにくいのです。 だから、自分が親より強くなったら、もう反抗しませんね。 三つ目は、親に愛情がない場合です。子どもに無関心な場合です。 反抗してもムダ、意見を言ってもどうせ聞いてもらえない、 自分の気持ちを伝えてもどうせ親は無関心、自分はどうでもいいと思われている、 自分なんて意味がない・・・ そんな深い深いあきらめの気持ちを持ってしまうと、子どもは反抗しません。 親からの愛情があるからこそ、反抗できるのです。 この講師は、愛情があったから、私たちの中に反抗する気持ちが湧いたのです。 どうせ言ってもムダ、アホらしいと思ったら、2日間寝て過ごしたことと思います。 子どもは反抗によって、自分を見つけ、自分を表現し、 社会と折り合って自己発揮することを覚えていきます。 反抗したいのに、反抗できないままでいると、 その抑えられたエネルギーは少しずつ蓄積し、閾値を越えた時に、 非行となって表現されたり、心の病になって表現されたりします。 反抗は、親にとっては子どもの心を見つめる機会であり、 子どもが親(自分)と違う価値観をもっていることを認めるきっかけであり、 ある意味「自分の思い通りには行かないものだ」とあきらめをつけるチャンスです。 だから、「この時期は、反抗して当たり前だから」「思春期だからしょうがない」と思って、 本人の心に耳を傾けるのを忘れてしまったら、反抗する意味がなくなってしまいます。 「あなたが反抗的なのは、思春期だからよ、大人になれば親に感謝するようになるわ」などという親の言葉は、どれほど子どもの心を逆なでするか、理解できますよね。 子どもの反抗は、流すところは流しながらもしっかり受け止めてあげたいものです。 親が望むような道を歩んでくれなくても、期待にこたえてくれなくても、 子どもが発達障害を持っていても、イライラさせられたとしても、 どんな子であっても、愛し、許し、受入れようと、親も努力のいる時なのだと思います。 思春期は、親が自分を変えるときなのだなと、しみじみ思っています。 みなさんはいかがですか? Akiko このシリーズは、ここまでです。 数多くの励ましやメッセージをありがとうございました。 返信が書けずにいますが、心から感謝しています。

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