音楽雑記帳+ クラシック・ジャズ・吹奏楽

2014/04/14(月)21:39

セッションズ

映画(596)

首から下がポリオのため麻痺している男が、セックスに悩みカウンセリングを受けるお話し。 1999年に49歳で亡くなった詩人のマーク・オブライエンによる記事「On Seeing a Sex Surrogate」が基となっている。 映画を見る前タイトルは気に留めていなかったのだが、見ている間に音楽でも使われる言葉なことを思い出した。 この映画では多分「授業」みたいな意味だと思う。 半身不随にもかかわらず明るく前向きに生きるマーク・オブライエン役のジョン・ホークスの演技が素晴らしい。 セックス・サロゲート(代理人)のシェリルを演じているヘレン・ハントは大胆な演技を要求されてさぞ大変だったと思うが、いやらし感じはなく、とても好感のもてる人物像を演じていた。 撮影当時50歳近い年なので、身体はだいぶゆるんでいるが、見苦しいほどではなかった。 何よりも気品のある美しさと明るいまなざしが、マークでなくても引き込まれる気がする。 マークの悩みを聞く神父役のウィリアム・H・メイシーの落ち着いた演技も味わい深い。 マークの世話を焼くヘルパーのヴェラ役のムーン・ブラッドグッドは、殆どが善人の中でちょっと変わった女性を演じていて、印象に残る演技だった。 マークにまつわるほかの女性たち(アマンダ、スーザン)もなかなか印象深かった。 障がい者の性という難しいテーマの映画だが、主人公の明るさに救われた。 エンディングはなかなか感動的で、少しうるうる来てしまった。 映画を見ていると、セックス・サロゲートという仕事は、セラピストの能力のほかに、介護の精神、奉仕の精神なければ勤まらない大変な職業だと感じた。 それだけ、誇りを持っていることも感じられる。 さすがにアメリカならではの職業ではないだろうか。 日本ではセックスセラピストと称している人はいるようだ。 代表的なのは「スローセックス」を提唱しているアダム徳永という方らしい。 ただ、日本ではあまり表に出てくることはない。 表に出てとは言わないが、こういう悩みを持っている人は障がい者に限らずいるので、知られるようになることは必要だと思う。

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