音楽雑記帳+ クラシック・ジャズ・吹奏楽

2016/02/08(月)17:59

Stacey Kent: Tenderly

ジャズ(971)

ステイシー・ケントの新譜を聴く。 ソニー傘下のOkehレベルへの移籍第1作。 このレーベルどういうレーベルかよく分からない。 個人的には、マイナーなレーベルのいろいろな録音を集めてディストリビュートしているレーベルのように思う。 ステイシーのディクションはとても美しく、言葉を聞いているだけでうっとりとして来る。 おまけに今回は彼女の得意なスローバラードがふんだんに楽しめる。 彼女の歌はそれほど感情を込めているように見えない。 もちろん絶唱型ではない。 それなのに情感がこもっていて、聴いていると、そこに何とも言えない魅力を感じる。 今回はホベルト・メネスカルのギターが大きくフィーチャーされていて、夜のムード満点な仕上がり。 ホベルト・メネスカルはブラジル出身の名ギタリストだそうだ。 ボサノヴァの大御所で日本にもたびたび来ているとか。 美しく味わい深いフレーズが次々と出て来る。 機会があれば、この方のアルバムを聴いてみたい。 ギターとのデュオが5曲あり、しかもドラムスがないので、ムーディーなことこの上ない。 5曲でテナーやフルートも加わっているが、個人的には全曲ギターとのデュオでもよかった。 照明を落としてブランデーでも楽しみながら聴くと、至福の時が訪れて来るようだ。 曲によるばらつきはないが、特に気に入ったのは、タイトルチューンの「テンダリー」のアンニュイな気分、少し気取った「That'sAll」。 全体に薄味だが、ディクションが美しいので、歌いすぎないのに味わい深いという彼女の魅力が十全に発揮されている。 ピッチも完璧だ。 ディストリビューターのコピーによるとクリント・イーストウッドやカズオ・イシグロのフェイヴァリット・シンガーとしても知られるそうだ。 私の場合は、とあるショットバーで聴いたのが最初で、マスターから名前を教えてもらった。 それ以来お気に入りの歌手の一人になってしまった。 マスターに感謝しなければならない。 その節は有難う御座いました。 ところで、ブックレットを見ようと思ったら、ふやけている。 水に濡らした覚えがないので、何故か考えていた。 やらかしそうなのは、妻なのだが、知らないという。 よくよく考えてみたら、CDを置いていたのが玄関の下駄箱の上で、そこにあった花瓶が猫に倒された可能性が強い。 猫が悪いのではなく、そこに置いた私が悪いのだ。 これからは置かないようにしたい。 Stacey Kent: Tenderly(Sony 88875156782) 1.Only Trust Your Heart 2.Tangerine 3.The Very Thought Of You 4.Embraceable You 5.There Will Never Be Another You 6.Tenderly 7.No Moon At All 8.If I m Lucky 9.Agarradinhos 10.In The Wee Small Hours Of The Morning 11.That s All 12.If I Had You Stacey Kent(vo) Roberto menescal(g) Jeremy Brown(b)(except 8,12) Jim Tomlinson(ts)(1,3,6,10) Recorded at Curtis Schwartz Studios,Ardingly,England

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