音楽雑記帳+ クラシック・ジャズ・吹奏楽

2020/02/24(月)18:25

グノー:ファウスト 1859版

クラシック音楽(1135)

​​ グノーの歌劇「ファウスト」がレコード芸術2月号のリーダーズ・チョイスで評論家から推薦されていた。 気になったのでSpotifyで聴き、あまりにも素晴らしいので、結局ハイレゾをダウンロードしてしまった。 ハイレゾはPrestoほかFnacに絞っているようで、少し高かったが\3350でPresto musicから購入。 CDは180ページの解説がついたBru Zaneお得意のハードカバー書籍型の装丁で、パッケージとしてはとても魅力的なのだが、ハイレゾに比べるとだいぶ高い。 ハイレゾはCDのブックレットと同じ内容のPDFがついていて、大変ありがたい。 それに、PDFだと一括して翻訳できるのも大きな利点だ。 この録音の売りは1895年の初版が使われていること。 通常の版が5幕まであるのに対し、4幕仕立てで優美なバレエ音楽も含まれていない。 オペラ・コミック形式で台詞も全て入っている。 演奏時間は2時間40分ほどで5幕版よりは30分ほど短い。 普通の華美なサウンドと比べると、甘さを排した透明感のあるサウンドがいい。 何よりもルセの引き締まったテンポで繰り広げられる物語がいい。 時折古楽特有の硬質で荒々しいサウンドも聞かれ、適度な刺激になっていて悪くない。 凝縮された美しさは、グランドオペラ風に改訂された作品にはみられない魅力がある。 歌詞を見なくてもその楽しさがよく分かる演奏はそれだけで、面白い演奏だろう。 歌手が大変充実している。 特にファウストを歌ったベンジャミン・ベルンハイムの素晴らしさには称賛の言葉もない。 歌を聴いているだけで、その美麗な声と美しいディクションに夢中になってしまう。 メフィストフェレスのアンドリュー・フォスター=ウィリアムスは狡猾さはよく出ているし、セリフもうまい。 声の力ではベルンハイムには完全に負けているが、ベルンハイムと比べられるのは分が悪い。 ヴェロニク・ジャンスのマルグリートはうまい。 ただ、清楚という感じはなく、力強さ?が目立つ。 軽やかさと声の透明度がもう少し欲しいところだ。 その他、脇を固めるヴァランタン役のジャン=セバスチャン・ブやヴァグネル役のアナス・セガンなど、まさに声の饗宴に酔いしれる思いだ。 ということで、久しぶりにフランス語の美しさにすっかりはまってしまった。 Gounod: Faust(1859version) (Bru Zane 1037)24bit 44.1kHzFlac Benjamin Bernheim(tn) Véronique Gens(s) Andrew Foster-Williams(bs) Jean-Sébastien Bou(br) Anas Séguin(br) Juliette Mars(s) Ingrid Perruche(s) Les Talens Lyriques Flemish Radio Choir Christophe Rousset Enregistrement réalisé à la Salle Gramont du Conservatoire Jean-Baptiste Lully de Puteaux les 10, 11 et 13 juin 2018 et au Théâtre des Champs-Élysées le 14 juin 2018

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