林雪絵のブログ

　最近、横浜市郊外のＨさん宅で、
　不審な事件があいついでいる。
　
　それは、ある晩、
　フリー記者をしているＨさんが、
　自宅兼事務所のリビング・ルームで、
　原稿書きの仕事をしていたときのことであった。
　
　エアコンで、
　淀んだ空気を入れかえるため、
　Ｈさんは、ベランダのガラス窓をあけた。
　そこで、Ｈさんは、
　ある異変に気がついた。

「少ない……」

　いつもなら、ベランダの物干しざおに、
　もっとたくさんあるはずの、
　クリーニング屋のハンガーが、
　ずいぶん少なくなってしまっている。
　たしか、二十数本はあったはずなのに、
　今や、十数本である。　

　そして、その日を境に、
　Ｈさん宅には、
　不思議な現象が、
　起きるようになった。

　翌日に、数本。
　翌々日に、もう数本。

　毎日毎日、少しずつ、
　ハンガーが少なくなっていくのだ……

　ひぇーーーっ、怖い＼(◎o◎)／


xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx

　ていうか、
　こんな書き方をしているのが、
　なんだか、面倒になってきました。
　よって、第一人称の文章にもどします(^_^;)

xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx

　毎日毎日、
　ハンガーが少なくなって、
　ちょっと、不思議な気がした私。

　泥棒、かとも思ったけれど、
　もっと高価なものを盗んでいくならまだしも、
　なんで、ハンガー？

　しかし――
　その後、
　この奇怪な事件も、
　あっけない幕切れを迎えた。

　どうも、
　この事件の犯人は、
　信じられないことに「アレ」――だったらしいのである。


　ある晩、ベランダで、
　コツコツ、コツコツという物音がしたので、
　あわてて外に飛び出した私。
　なんと、そこにいたのは、
　鷹のように大きく、
　丸々と太った、
　巨大なカラスであった。

　なんで、カラス？

　そいつが物干しざおに止まって、
　コツコツ、コツコツと、
　ハンガーを、たたいていた。

　そして、私の姿を認めると、
「ぐわぁっ」
　と、威嚇するように叫んで、
　バッサバッサと、飛んでいってしまった。

　つまり、このカラスが、
　毎日毎日、私の家にやってきて、
　ハンガーを持ち帰った犯人らしいのである。

　それにしても、なんでハンガー？

　たくさん集めて、
　金属で、要塞のような巣でも作っているのか？

　世の中には、
　こんなレベルでも、
　不思議なことが、いっぱい起こる。