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アクスレイ

擬似的3Dシューティング
アクスレイ
1992年9月11日発売

コナミがスーファミ発展期(といっていいのか)に
「スーファミ初のオリジナルシューティング」と銘打って
世に送り出した作品、それがこの「アクスレイ」。
オリジナルとはこの場合「蒼穹紅蓮隊」みたいに
シリーズものじゃない、あるいはシリーズの第一作として
出した作品という意味。だと思う。
ただし開発期間がかなり長かったらしく、
オリジナルシューティングの発売自体は他に先を越されている。と思う。
開発は後に「レイディアントシルバーガン」「斑鳩」で
大いに名を上げることになるトレジャーのメンバー。

概要はここまでにして、このゲームの特筆すべき点は
面ごとに縦、横のスクロール方式が入れ替わり、
(1,3,5面は縦、2,4,6面は横スクロール)
縦スクロールステージは擬似的に3D描写を行っている。
具体的にどんな感じかというと、
ステージの背景、地形が地平線の向こうから現れる感じ。
1面のステージ構成はこのシステムを余すところなく見せつけるように出来ている。
ただし、このシステムのせいで画面上方に行くにしたがって
移動速度が遅くなる(ように見える)、
大型の敵のグラフィックが歪むという弊害も発生している。
おかげで縦スクロール面はかなりやりにくい。
当たり判定もなんかおかしい。
そういう点を鑑みると、このシステムは未完成のもの、と言わざるをえない。

つまるところこのゲーム自体が「実験作」なのである。

だからといって非難するわけではない。
ハードの性能が限られた中で極限の表現を目指した
開発陣の漢気には感服させられる。
実際プレイ動画で最近5面ボスを見たら結構ビビった。
それほどの気合がこの作品には練りこまれているのだ。

で、ゲームとしてどうなのかというと
シューティングとしては十分よくできてる。
音楽、演出も共に一級品。
実際サントラはクソ高い。今現在入手するなら2万ほど捻出する覚悟は必要。

シューティングの華、武装はどうなのかというと
ステージ開始時に3つの部位の装備を一つずつ選び、
適宜ボタン操作で切り替えつつ進むこれまた特異なシステム。
被弾すれば装備していた武器を失い、失った状態でもう一度被弾すればミス。
こういうミスまでに結構な猶予がある仕様なので
(全武装を犠牲にするなら3回被弾してもセーフ)
強引な進め方もできるかも。ミスすれば武装は全部復活するし。
最初に選べるのは各部一種類だがステージが進むごとに
選べる種類が増え、最終面ではそれぞれ3、2、3種類選択可能…
だが、性能にかなり差があるのが困り物なんだな。

3面から使えるニードルクラッカーは
唯一追尾性能持ちなのもあって最強すぎるし
5面から使えるモーニングスターは
高性能初期装備ラウンドバルカンとの二者択一なので
ゴミ以外の何物でもない。
正直なところニードルクラッカーが全武器の存在意義を
食ってしまっているといってもいい。
だがそれでも最終面限定の地形貫通ワインドレーザーを、
ニードルクラッカーを捨てても使いたくなってしまう…

発売当時ファミ通あたりでは酷評されたのもあり
結構粗の目立つゲームではあるが、慣れればさほど気にならない。
(むしろ僕は気にしたことがなかった)
シューティング界でも極めて珍しい、
縦横無尽の演出が彩るこのゲームを一度プレイしてみてはいかがだろうか。
WiiでVC配信もされてます。

ちなみに最高難易度で2週目をクリアすると
次回作を示唆する文章が表示されるが、
アクスレイ2が出たという話は全く聞いたことがないし
実際未だに出ていないようだ。
ということは、商業的には失敗だったわけだな。


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