[BON VOYAGE+64] 後日談/はじめてのおつかい(?)実習、収拾不能。
2006年12月に購入し、2007年8月以降はほぼ毎日使ってきたシェーバーが、昨日の朝、外刃に刃こぼれができてしまった。そこで、昨日、仕事からの帰りに、ビックカメラ立川店に立ち寄った。当初は替刃を購入するつもりであったが、途中で気が変わり、メンズシェーバーを物色。盛んに宣伝されている「ラムダッシュ」のカタログや実物とにらめっこしていたら、店員さんに声をかけられた。彼女にいろいろと聞いてみると、以前はブラウンが一番よく売れていたんですが、4枚刃(の商品)が出てからは、こちらが売れていますね。とのことであった。新機種の発売を間近に控え、現行の機種に「緊急値下げ」の赤札がついていたこともあり、4枚刃ながら余計な洗浄器のついていないES-LA52を購入することに決めた。税込みで21,100円であった。で、今朝、実際に剃ってみると・・・うーむ。それほどでもない、といった感じであろうか。私の顔の立体構造(特に贅肉のつき方?)に問題があるのか、皮膚をあっちこっちの方向に引っ張って何往復もさせないと、うまく剃れない。結局のところ、今まで使っていた1枚刃のシェーバーと、所要時間はほとんど変わらない。ただ、剃りにくい部位はともかく、剃りやすい部位は確かに深く剃れているような印象が残った。単に気のせいかもしれないが・・・。さて、それでは、本題である。今日は、私が担任をしている今期のクラスで初の外実習があった。最初から最後まで教師が引率する形ではあるものの、バスに乗って、スーパーとドラッグストアと100円ショップを回り、教師たちから依頼されたものを買ってくる・・・という内容の実習であった。なお、この実習を行う前には、日本での買い物(商店)についての知識とか、バスの乗り方・降り方についての知識とか、「すみません、~、どこですか?」といった会話練習とか、実際の硬貨を使いながら3桁の数字の発音・聞き取り練習とか・・・をしてきた。あと、私自身に関しては、事前に現物の有無および実勢価格を調査し、学生たちの課題が成立するかどうかを細かくチェックしていた。直前に母語で注意・確認をしてもらってから、いざ出発しようとすると・・・あれっ?学生が1人足りない。「○さんは?」と聞いてみると、学生たちはスーパーの方角を指差しながら「自転車」と答えた。どうやら、バスには乗らずに自転車で単独行動を起こしたらしい。おいおいおい・・・いきなり出端を挫かれる形となった。1人少ないながらも、まずはバスに乗ってスーパーへと向かう。普段の私なら「バス共通カード」を使うところであるが、今回は自ら手本を示したほうがよかろうとの判断から、常に私が先頭に立ちつつ、学生と同様に整理券を取り、降車時に硬貨と整理券を投入。これが功を奏して、バスでの移動は特に問題なく終わった。その後の段取りとしては、最初にスーパーを見て、次にドラッグストアを見て、最後に100円ショップを見る・・・という流れであった。しかし、番狂わせの事態が、次々と襲いかかってこようとは・・・。まず、バスを降りたときに、横断歩道の信号が点滅を開始していたのであるが、学生2人が先に渡ってしまった。そのうちの1人は、われわれの到着を待たずに姿を消していた。前期の新宿実習以来となる、『沈黙の艦隊』でいうところの「失探(ロスト)」である。かくして、学生2人を見失った状況下で、ひとまずスーパーへ。メモとジェスチャーを駆使しながら「10時50分にここに集合」と学生たちに伝えてから、いったん解散。ところが・・・100円ショップで買い物をする課題を与えられていた学生の一部は、さっさとスーパーを出て、100円ショップへと向かっていったらしい。それを知ったほかの学生が動揺し、筆談で「行ってもいいか」「私も早く行きたい」と主張し始めた。「後で行くから待て!」という私の指示が、なかなか通じない。そこで押し問答をしている間に、スーパーで買い物をする課題を与えられていた学生たちが、次々と買い物を済ませつつあった。彼らがどのような方法で課題の商品を見つけたのか、観察する余裕は全くなかった・・・。結局、学生たちが勝手に移動を始めてしまったので、先に設定した集合時間とは関係なく、なし崩し的に100円ショップへと移動せざるを得なくなっていた。100円ショップでは、自転車で単独行動をしていた例の学生を発見。もはや注意する気力を失っていた私は、彼の課題の達成状況だけを確認して、あとは放置。ほかの学生の動きを追うことに専念したが・・・私が把握できたのは、ほんの一部の動きだけであった。その後。10時50分過ぎには、単独行動者1人を除く残り全員が、各自の課題を済ませた上で、当初のスーパーの集合地点近くの喫煙スペースに集まっていた。ああっ、タバコに関する指示を出し忘れていた・・・が、後の祭りである。まあ、いいや。幸か不幸か今回はドラッグストアでの課題がなかったため、誰も店内に入っていないはずであったが、いまさら引き返して引率するのもバカバカしかったので、予定よりもかなり早いけれども、このまま研修施設に帰ることにした。再びバスに乗るわけであるが、一部の学生からは「距離が短いから歩いて帰ろう」という声もあった。たとえ短距離でもバスに乗る練習が必要、と言いたかったけれども、私にはそれを伝えるだけの母語運用能力が欠如していた。しかし、間もなくバスが来たので、それに乗車して帰還した次第である。ちなみに、自転車で単独行動をしていた学生は、われわれよりも30分ほど遅れて、教室に戻ってきた。以上の行動の良かった点と悪かった点については、この翌日の授業で、フィードバックをしてもらうことになる。要するに、学生たちの多くは既に買い物に慣れていて、現に一部の学生は上述のスーパー/ドラッグストア/100円ショップで買い物をした経験があるらしい。とりわけ勝手に行動した学生たちにとっては、もはや楽勝であったからこそ、そのような振る舞いをしたのに違いない。ただ、今後日本で生活していく上で、「集団行動」というものを理解していく必要があるのは、確かであろう。もっとも・・・逆の視点から見れば、日本には「集団行動」のルールが多すぎるような気もする。特に学校教育の現場では、あれもダメ、これもダメ・・・と、何かと規制ばかりで、うんざりしてしまう。ルールは所与のものではなくて、自分たちで話し合って決めていく・・・ぐらいの気概が必要なのでは? まあ、そうした発想に乏しいからこそ、国際舞台での競争に出遅れて、損をするばかりになってしまうのであろうが・・・。ともあれ、いろいろなことを考えさせられた実習であった。