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NOと言える三多摩～言泉「やまと」後悔日誌

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2010年08月の記事

全10件 (10件中 1-10件目)

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［BON VOYAGE+119］　後日談／航空券と神戸三ノ宮の宿を確保。

昨年と同様に、10月3連休には、日本語教育学会秋季大会が開催される。今回の会場は、神戸大学鶴甲第1キャンパス国際文化学部であるらしい。［BON VOYAGE+101］でもわずかながら示唆しているように、私自身は1997年12月に神戸市内で宿泊したことがある。このときは珍しく3連泊もしたのであるが、主要な観光スポットはおおむね見尽くしたような気がする上に、その後1998年9月から2006年4月までの約7年半もの間、横浜市内に住んでいた経験も手伝って、横浜に雰囲気が似ている神戸を訪れることにはほとんど食指が動かなかったのである。ゆえに、もともと学会員でもないので、今回の大会には参加しないつもりであった。（むしろ、稲穂の風景でも見に行きたい気分であった。）ところが・・・迷走（？）のきっかけは、職場の常勤会議での連絡事項。日本語教育学会から秋季大会のプログラムが届いていますが、あまりに大きくて貼る場所がないので、折りたたんだまま棚に入れておきます。興味のある先生は見ておいてください。パッと見た限りでは、確かに巨大なポスターのようであった。が、どこの棚に入れたのかよく分からなかったため、私は学会のホームページ上で閲覧することにした。すると、ほほぉ、そういう組み合わせで来たか・・・ふーん、なるほどねぇ・・・と、当事者に筒抜けになるので具体的なコメントは差し控えるけれども、とある個所に思わず目が留まってしまった。今月の家賃を振り込んだ際に感じたのであるが、今は銀行口座の残高が異様に少ない。「塾」の分科会などに足繁く通っているため、その交通費やら飲食費やらで私の持ち出しが増えているのかもしれない・・・といった懐事情もあって、この10月3連休に神戸へ行くことは完全に想定外であった。しかしながら、もし行くとしたら、どういうスケジュールが可能であろうか。と、シミュレーションを始めてしまったのが、運のツキ（？）であった・・・。東海道新幹線は6月に関西大学千里山キャンパスで開催された日本言語政策学会の大会に参加したときの帰り道で利用しているし、7月には方面が異なるものの上越新幹線や秋田新幹線に乗車している。それゆえに、仮に関西方面へ出かけるのであれば、陸上の交通機関よりも、1～2月に屋久島を訪れて以来の空路を使いたい気分であった。（くだらないダジャレで表現すると、「飽きた新幹線」といった印象か？）　　ANAインターネット国内線予約サービスで空席照会をしてみると、10月9日（土）の朝の「空席」で最も安い運賃は、ANA411（東京羽田06:35→大阪神戸07:45）の特割Cが12,100円、ANA013（東京羽田07:00→大阪伊丹08:05）の特割Cが11,100円。「神戸空港から神戸市内へのアクセス」と「伊丹空港から神戸市内へのアクセス」を加味しても、料金的には後者のほうが安上がりであると判断。羽田空港にアクセスする時刻の面でも、後者のほうが断然有利であろう。神戸市内では特に観光をするつもりがない（強いて言えば、海軍操練所跡を訪れて感慨にふける程度か？）ので、2泊は無駄である。支出を切り詰めるためにも1泊に抑え、10月10日（日）の夜には東京へ戻りたい。再び「空席」の最安値を確認すると、ANA416（大阪神戸21:05→東京羽田22:20）の旅割が12,100円、ANA150（大阪関西21:20→東京羽田22:30）の旅割も12,100円で同額。アクセスから言えば当然、前者のほうが安く済む。しかもこの出発時刻なら、空港で大河ドラマ『龍馬伝』を見ることができるに違いない。うーむ、神戸空港か・・・実現すれば、初のお目見えとなる。次に宿であるが、神戸空港から帰ることを意識すると、空港に直結するポートライナーの三宮駅の近辺が最適であると思われた。というのも、会場の神戸大学へは身軽に行きたいので、余計な荷物をコインロッカーに預ける場合に最もコストがかからないからである。で、楽天トラベルで「インターネットができる部屋」を検索してみたら、★出張応援！★LAN・朝食無料★シングル禁煙ゆったりプラン（★大型ベッドでゆっくりお休みください(ベッド幅140cm)★）JR三ノ宮駅「東出口」より徒歩にて2分という部屋が6,300円。まあこんなものであろう。うーむ。ここまで妄想が膨らんでしまったら、もはや後戻りはできまい。金欠気味の状況も忘れて、航空券と宿の予約を一気に済ませた次第である・・・。

2010.08.31
［BON VOYAGE+118］　後日談／文化庁日本語教育大会。

昨夜は21時ごろに就寝し、今朝は00時50分にいったん目が覚めた。ふと携帯電話を見ると、何やら点滅している。Eメールを2件受信していたことに気づく。1件目は、実家の姉から。明日から2泊3日で北海道へ行くので、実家を留守にするとのこと。ああ、姉は父が70歳の古希を迎える機会に、両親に旅行をプレゼントするって言っていたっけ。いいなぁ・・・。2件目は、かつて編入学した大学（2001年4月～2003年3月）の同期生から。研究室の恩師が9月28日に海外派遣留学へ出発するので、その前に飲み会を開催したいとのこと。日程は先生の都合により9月18日（土）・・・って、白銀週間の初日ではないか！　連休なら、もっと別の使い道があるのでは？（とはいえ、今年は「塾」の最終回が近いため、どこかへ旅行に出かけるのは難しいと予想されるけれども。）うーむ。回答はしばらく保留させてもらおう。それから、いろいろと考え事などをした後で、05時30分ごろから仮眠。30分程度で意識を回復させるつもりであったが、起床したのは06時50分であった・・・。急いでシャワーを浴びて、髭を剃り、朝食を取ってから、08時15分ごろに自宅を出発。国立からJR中央線で吉祥寺に出て、京王井の頭線で渋谷を経て、さらに東急田園都市線で三軒茶屋へ。09時45分ごろ、昭和女子大学に到着。大学の入り口では、警備員に行く手を遮られ「どちらへ行かれますか」と声をかけられる。女子大に男が入り込むのであるから、このご時世では無理からぬ対応であろう。が、私が「文化庁の日本語教育大会です」と答えると、サッと通してくださった。さて、今朝は自宅で朝食を取ったころから、腹部に妙な痛みを覚えていた。当初は胃痛かとも思ったが、ちょっと違う感じであった。やがて、例の尿路結石の痛みのうちの、「腎臓が圧迫を受けることによる激痛」の始まりであるような気がしてきたので、大学のトイレでひとまず坐薬を使用して、様子を見ることにした。何はともあれ、文化庁日本語教育大会である。これは毎年この時期に開催される恒例のイベントで、8月10日（火）の記事で紹介したように、私自身はニューズレターの記事の取材のために職場から派遣されたのであった。プログラムとしては、次の通りである。10:00～10:05　開会あいさつ（文化庁文化部長）10:05～10:30　日本語教育施策説明（文化庁文化部国語課、文部科学省初等中等教育局国際教育課）10:30～12:00　特別講演「違いを楽しみ力にかえる～ことばの壁を越えて」（羽衣国際大学准教授）13:00～13:45　文化審議会国語分科会日本語教育小委員会における審議状況の説明「「生活者としての外国人」に対する日本語教育の標準的なカリキュラム案について」（文化審議会国語分科会日本語教育小委員会主査）13:55～15:25　パネルディスカッション「標準的なカリキュラム案の可能性」（進行役＝東京外国語大学教授）●「現場・連携のシステム～現場の取組みを支える仕組みづくり」（広島県企画振興局国際課長）●「標準的なカリキュラム案から具体的なカリキュラムへ」（群馬県日本語教育支援政策研究会副代表）●「山形市国際交流協会　生活講座事業の紹介」（山形市国際交流協会事務局次長）●「標準的なカリキュラム案の特徴と課題」（学習院大学教授）15:45～16:45　「生活者としての外国人」のための日本語教育事業報告会●日本語教室の設置運営：「地域で学ぶ日本語教室」（多文化まちづくり工房代表）●日本語指導者養成：「日系人のための日本語支援者養成講座」（NPO法人可児市国際交流協会事務局長）●ボランティアを対象とした実践的研修：「地域ボランティアブラッシュアップ講座」（有限会社トヤマ・ヤポニカ代表理事）16:45～17:30　「生活者としての外国人」のための日本語教育事業協議会（進行役＝財団法人海外技術者研修協会AOTS日本語教育センター上席日本語専門職）聴衆の主たる関心は当然ながら「標準的なカリキュラム案」にあったようで、午後の前半が最も混雑していた。まあ確かに、この話が一番お勉強になったのは事実である。日本語教育事業の事例報告などは、研究者というよりは現場の実践者による発表であったせいか、少々こなれていない印象を受けたりもした。ただ、個人的には午前の特別講演もそれなりに興味深かったので、ここではそちらを紹介しておきたい。講演者は、羽衣国際大学准教授のJ.A.T.D.にしゃんた氏。スリランカ出身で、母語はシンハラ語。1987年に来日。京都YMCAで日本語を学んでから立命館大学に入学。本当は学部4年で就職したかったが「国籍条項」の壁に阻まれ、やむなく進学して経済学博士号を取得。2年前に結婚し、妻は福井出身の日本人。ネイティブ並みの日本語を関西で身につけただけのことはあって（？）、ユーモアに富んだ話術が実に魅力的。多文化共生にかかわる小ネタを連発する様子は、『ダーリンは外国人』や『日本人の知らない日本語』に通じるものがあった。以下、講演の中で私の印象に残ったことを、いくつか記してみよう。●居酒屋などで「日本語うまいね」「箸の使い方うまいね」と言われることがよくあるが、それは文字通りの意味ではなくて、「あなたと話したい」という信号。●文化的に「違いがある」ことに対する日本人の反応は、3種類に分かれる。　1）違いに気づかない。　2）違いがあるのは知っているが、怖い。　3）違いを楽しみ、違いから学ぼうとする。●違いを楽しもうとする際に、3つの壁がある。　1）ことばの壁。　　例：スリランカで内戦が起きたのは、1言語のみを国語にしようとしたため。　2）制度の壁。　　例：就職先・銀行ローン・消防団における「国籍条項」の存在。　3）こころの壁。　　例：妻の両親が当初結婚に猛反対したのも「思い込み・偏見・決めつけ」のせい。●日本語教師には、2つの役割がある。　1）学習者に日本語を教える。　2）日本社会とのパイプになる。●所属する集団（国とか民族とか）の傘に守られるのではなく、傘の外に出てみることも重要。「国際」交流だけではなく、「民際」交流も進めるべき。●シンハラ語の挨拶「アーユボーワン」。直訳すると「命たくさん祈願します」。ところで、私自身の体調については、相変わらず冴えなかった。坐薬を使用したとはいえ、激痛がわずかに残っていたのである。ゆえに、昼休みは、食事を取りたいという気分にはならず、座席を離れることなく軽く仮眠を取ったりして過ごした。この日は夕方から永田町で「塾」および分科会の打ち合わせが予定されていたが、出席を断念。欠席する旨の携帯メールを送信し、大学近くの味噌ラーメン専門店「味噌一」三軒茶屋店で冷しぶっかけ味噌らーめんを食べてから、直帰した次第であった。

2010.08.27
［BON VOYAGE+117］　後日談／クラス再編計画始動、など。

8月22日（日）。終日だららんと過ごす。8月23日（月）。私の職場の学生たちは、通常2か国の出身者で構成される。7月22日（木）に入所したC国出身者（4世帯14人）に対する研修は7月29日（木）に開講しているが、R国出身者（3世帯7人）が1か月遅れて先週19日（木）に入所したので、彼らに対するインタビューとプレイスメントテストが今日実施された。その結果、クラス分けは、とんでもないことに・・・。既習者クラス：　高齢者1人（午前のみ）＋青年1人（全日）未習者クラス：　高齢者1人（午前のみ）＋中年1人（健康上の理由で午前のみ）後期高齢者クラス：　後期高齢者3人（週2日程度、午後のみ）7人しかいないのに、3クラスに分割？　いや、一部は既存のクラスと統合して、2か国金剛クラス、もとい混合クラスを立ち上げるつもりであるらしい。その再編の際に、「上のクラス」でアップアップしているC国の中年1人を「下のクラス」へ移す措置も視野に入れるとのこと。結局、今期のクラス編成（の見込み）を整理すると、以下のようになる。担任クラス午前（3コマ）午後（2コマ）S先生C国（上のクラス）＋R国（既習者クラス）壮年1人＋青年2人高齢者1人＋青年1人壮年1人＋青年2人青年1人K先生C国（下のクラス）高齢者4人＋中年3人私中年3人T先生R国（未習者クラス）高齢者1人＋中年1人 R国（後期高齢者クラス）週2 後期高齢者3人Y先生C国（特別クラス）ろう者2人 O先生C国（スクーリングクラス）週2 介護者1人昨期の混合クラスでトラウマのあるS先生は、ちょっとブルーが入っていた・・・。この3月に退職して海外の大学で日本語を教え、一時帰国して7月28日（水）に職場に顔を出した元同僚は、しばらく郷里の実家で過ごしていたようである。が、今週木曜に再び離日するということで、今日から東京に潜伏（？）しているらしい。飲み会を希望する旨の携帯メールを同僚が受信したので、その同僚とたまたま帰りが一緒になった私も付き合うことになった。実家では飲んだくれていた（？）らしく、この日は珍しいことに（？）おとなしく飲んでいた。8月24日（火）。先週金曜のスクーリングに関して、ベテランの先生からダメ出しを食らう。いわく、第1課までしかやってきていないと自己申告したDさんには、先の第2課に進むよりも、第1課の内容を確実にするほうがいい、と。でもねぇ・・・手持ちの材料が少なく、第1課でできることはほとんど残っていなかったのである。（経験豊富な非常勤の先生ならいろいろと蓄積があるかもしれないが、われわれ常勤には）待ち課題などのストックが十分にないのに、どうやってやれとおっしゃるのか。・・・と、逆ギレしそうになったものの、反省点として認識しつつも軽く受け流した。昨日飲んだ元同僚が午後、職場に出現。必要な資料のコピーなどをしていた。来年3月に東北新幹線（東京～新青森）で導入される新型車両E5系の愛称が「はやぶさ」に決まったことは［BON VOYAGE+85］で触れたけれども、今度は山陽・九州新幹線（新大阪～鹿児島中央）の速達列車の愛称が「みずほ」になる見込みらしい。かつて東京と九州（熊本および長崎など）とを結んだ寝台特急の愛称であるので、山陽・九州新幹線で採用されることに違和感はない。しかし、「みずほ」はやや鈍くさいイメージがあり、「のぞみ・ひかり・こだま」の関係に対応する「みずほ・さくら・つばめ」の優劣順序を考えると、「つばめ」が最速で「さくら」が次のような気もしてしまう・・・。8月25日（水）。朝、また来月も都内の施設で通信教育のスクーリングを担当するよう申し渡される。とはいえ、月1回程度の機会で、私自身の経験値をアップさせることはできるとしても、お客さんとしての学生を満足させることにつながるのか、疑問が残る。この組織は、いわゆる「CS」の発想を持っているのであろうか。日本語教育業界は、純然たるビジネスとは異なる面が多くあるとしても、（サービス残業的なボランティアらに依存する体質ではなく）真のサービス業としてお金が循環していく仕組みを考えていかないと、サービスの質を向上させようという発想は生まれにくいかもしれない。「上のクラス」で難儀気味の中年1人に、クラスの異動について内々に打診したらしい。すると・・・こちらの空気を読んだのか、すんなりOKが出たとのこと。私が副担任を務めるクラスで、明日から「お預かり」することになった。仕事からの帰りに、自宅のドアの鍵を開けて中に入ろうとした瞬間、iPod用のインナーイヤーヘッドホンが何かに引っかかり、耳の穴が強烈に引っ張られた。私の耳は大丈夫であったけれども、ヘッドホンのコードのゴム被膜が部分的に裂けて、中の銅線がむき出しになってしまった。うーむ。2007年2月以来、3年半の付き合いであったが、ここで選手交代である。安くて速いamazonで同じ製品を注文した次第であった。8月26日（木）。クラスを移った中年1人は、若い世代に囲まれていたプレッシャーから解放されたのか、積極的に発話するようになったという。その豹変ぶりに、こちらが戸惑いを覚えてしまう。民主党の代表選が、意外な展開（御家騒動？）へ。単なる自己保身や自己権益の追求ではなく、この国とこの星に暮らす人々のために、何をどうやって実現していくのか・・・という戦略を、問いたいと思う。夜、お急ぎ便ヤマトで自宅にヘッドホンが届く。どういうわけか、高音の表現力が向上した一方で、中低音がややボケているような印象を受けた。気のせいであろうか。

2010.08.26
［BON VOYAGE+116］　後日談／ハナミズキ。花言葉は「返礼」。

かつて私が大学生であったころ、私個人は東洋占星術にハマっていた。今もなおハマっているではないか・・・という突っ込みはさておき、1991年に出版された『愛の六十花占い』という本では、生まれた年・月・日の干支（六十花甲子）を60種類の花に置き換えて、運命や性格の分析を試みていた。それによると、私の生まれた年（辛亥年）の花はコチョウラン、月（庚寅月）の花はカイガラソウ、そして日（戊辰日）の花はハナミズキであった。この、植物としての「ハナミズキ」については、［VOYAGE-350］でも紹介したけれども、東京市が贈った桜（ソメイヨシノ）の返礼としてワシントンD.C.から贈られたという、歴史上のエピソードが有名である。この逸話によって、花言葉が「返礼」となったのでは・・・と思ったりもする。いずれにせよ、アメリカから渡ってきて日本に根を下ろした存在ということで、「私自身の前世から現世への流転」を象徴しているようにも感じられ、個人的には「♪この木　なんの木　気になる木～」なのである。今日の本題に入る前に、もう少し余談を続けておく。「ハナミズキ」と言えば、近年では2004年2月11日にリリースされた一青窈氏の楽曲もよく知られている。この歌は、2001年9月11日にアメリカ同時多発テロ事件が起きた際、氏が友人からもらったメールに触発されて作詞したものであると言われている。ところが・・・私個人としては、この曲にさほど共感を覚えないのである。特に、♪君と好きな人が百年続きますようにという歌詞にしらけてしまうらしい。というのも、『機動戦士Zガンダム』を見て育った世代の私としては、開発者のM.ナガノ博士が百年続くことを願って命名した、クワトロ・バジーナ大尉専用の金色のモビルスーツ「百式」を思い出してしまうからに他ならない・・・。しかしながら、藤沢周平氏の小説を映画化した作品に一青窈氏の曲が多く使われている縁もあって、彼女のベスト盤『BESTYO』は私のiPodにも収録されている。ここで、ようやく今日の本題に入る。今日は8月1日（日）の映画サービスデイ以来、ほぼ3週間ぶりに映画館に足を運んだので、その感想などを記してみよう。1本目は『ハナミズキ』。映画館では20歳代と思しき若い女性が観客の大半を占め、いつになく客層が偏っていた。そうした女性たちはおそらく、原作者（？）としての一青窈氏、主演を務めた新垣結衣氏、その相手役として共演した生田斗真氏、のいずれかのファンなのであろう・・・。で、上述の前振りでも触れているが、一青窈氏の大ヒット曲「ハナミズキ」をモチーフにしたラブ・ストーリーである。1996年、道東（北海道東部）。母子家庭ながら東京の大学への進学を目指す高校生の紗枝が、とある事件に巻き込まれるところからストーリーは始まる。それから2006年に至るまでの、10年にわたる男女のすれ違いを描いていくことになる。うーむ。日本と海外の双方を舞台とした数年スパンの遠距離恋愛モノって、以前どこかで見たことがあるような気もするなぁ・・・と思って私の脳内検索エンジンを起動してみると、2件ヒットした。それは、『冷静と情熱のあいだ』（2001）『未来予想図　ア・イ・シ・テ・ルのサイン』（2007）の2本。前者はイタリア、後者はスペイン、そして本作はアメリカとカナダである。場所こそ違うものの、途中で既視感に襲われることも少なくなかった・・・。ストーリー展開そのものは、「こんなことは普通あり得ないだろ」と言いたくなるくらい、かなりドラマチック。とはいえ、劇的な出来事が起きる前には必ずその1～2分前に「予兆」があるので、十分に先読みが可能。本作を見ている間は展開がドラマチックであることにあまり気がつかないはずである。巧みな脚本と演出による勝利とも言えよう。個人的に印象に残ったのは、自分に会うために遠路はるばる北海道から上京してくる康平を喜ばせたくて、紗枝があれこれ準備する場面。既に都会暮らしに慣れてきた紗枝としては、東京式の最高のもてなしをしようとするわけであるが・・・田舎暮らしの康平にとっては、自分が田舎者であるという劣等感を味わうだけで、何も楽しくないのである。このギャップを事前に予想できない紗枝が、私としては見ていて痛かった。まあ、（第三者ではなく）当事者の発想というのは、そうしたワナに陥りやすいのかもしれないが・・・。あと、一青窈氏の作詞を生み出すことになった「9.11」に関しても、やや間接的ではあるが、本作の中できちんと描かれている。この事件への言及は避けて通れないはずなので、その点では評価しておきたい。キャストの演技は、可でも不可でもないといったところか。主役級はさておき、薬師丸ひろ子氏らの脇役陣がいい味を出していたように感じた。北海道・道東、アメリカ・ニューヨーク、カナダ・ノバスコシア。これらの風景は、実に心地よかった。ビジュアル的には悪くなかったけれども、唯一のクレームは、本作の時代設定においてJR中央線の車両は（間もなく引退する）201系であったはずであるが、現行のE233系がしっかり映っていた点。景観年代のズレはやむを得ないか？一青窈氏の楽曲は、当然ながら「真打ち」として最後に登場する。2本目は『ベスト・キッド』。1984年の同名映画をリメイクしたアクション・ドラマ。母の転勤に伴いアメリカ・デトロイトから中国・北京へとやってきた母子家庭の少年ドレは、異文化での習慣になじめず近所の子どもたちにもイジメられていたが、ふとしたきっかけからマンション管理人のハンに助けられ、彼からカンフーの手ほどきを受けることに・・・。ドレ役には『幸せのちから』のジェイデン・スミス氏、ハン役にはジャッキー・チェン氏。日本語吹き替え版のため声優のおかげかもしれないが、ジャッキー・チェン氏の円熟した演技には感服した次第である。私自身はもともとの原作を見ていないので色眼鏡なく見ることになったが、ストーリー的には特に破綻もなく、ときどき笑いの要素もあって、面白かった。また、主人公がスケートボードに乗るシーンは『バック・トゥ・ザ・フューチャー』へのオマージュが感じられ、思わずニヤリとしてしまった。日本語教師としての私は、非漢字圏から漢字圏に移住する人々の苦労にも注目した。が、文字はともかく音声的には、そんなに苦労していないように思われた（？）。3本目は『魔法使いの弟子』。史上最強の魔女であるモルガナらの悪の勢力を打ち破るため、魔法使いのバルサザールは数百年もの間、今は亡き大魔法使いの後継者を探してきた。その運命を持つ若者デイヴを現代のニューヨークでようやく見出し、自分の弟子にしたものの、彼は気弱な物理オタクに過ぎなかった・・・。製作はジェリー・ブラッカイマー氏、主演はニコラス・ケイジ氏という『ナショナル・トレジャー』シリーズのコンビによるアクション・ファンタジー。まあ、人物設定がやや込み入っているなど、分かりにくい要素はあるし、突っ込みどころも満載ではあるけれども、それなりに楽しめるに違いない。「♪必ず最後に愛は勝つ～」みたいなラストの展開は意外（？）。ディズニーの名作アニメ『ファンタジア』へのオマージュも、ほんのわずかながらある。

2010.08.21
［BON VOYAGE+115］　後日談／スクーリングは授業にあらず。自学自習の補助なり。

通信教育のスクーリング講師として、都内の施設へ直行直帰で出張。ついに、この日がやってきた。朝、自宅で髪の手入れやら髭剃りやら朝食やら、余裕たっぷりに出発の準備をしていたら、出発目標時刻を超過してデッドラインの通勤特別快速に乗り損ねてしまい、始業時刻（09:30）の約15分後に施設に到着することに・・・。まあ、初めて来たので、延着の理由はどうにでもなる。しかし、そんな状況でも全く焦りを覚えないとは、自分でも不思議なくらいの落ち着きぶりであった。まずは元同僚に依頼された荷物を渡す。既に新しい仕事になじんでいるように見え、環境の変化に適応するのが苦手な私としてはうらやましい限りであった。さて、この施設の印象としては・・・総務と教務が同じ部屋で仕事をしているのが新鮮に映った。今の私の職場とは異なり（？？？）、総務がてきぱきと事務をこなしているように見える。元同僚の解説によれば「ほかに行き場がなくて総務に移ってきた人たちと、総務一筋でやってきた人たちの、違いでは？」とのこと。他方、部屋の後ろの隅に目を転じると、窓際の柱の陰に、1人の紳士がこちらに背を向けて座っていた。机の周辺にはいろいろなものが山積していて、雑然とした雰囲気。「一体このおじさんは誰？　雑用担当の窓際族？　それとも外部のSEか何か？」と、訝しく思っていたところ・・・やがて職員との会話が聞こえてきて、その内容から役職が判明。どうやらこの施設の一番偉い人（トップ）らしい。それにしても、トップが後ろ向きに仕事をするってどうよ？　部屋のレイアウトがヘンである。午前は、午後の本番に向けて準備作業を行いながらも、スクーリングの担当者から簡単なレクチャーを受けたりして終わった。時間的にあまり余裕がなかったので、昼食は近くのコンビニで調達。そして午後。本日の私のお相手は、次の3人であった。13:00～15:00 Aさん（仮名）＝60歳代、来日26年　続・入門日本語文法文型コースA、1回目Bさん（仮名）＝60歳代、来日21年　生活場面日本語「消費生活」コース、1回目15:15～17:15Cさん（仮名）＝50歳代、来日9年　入門日本語文法文型コース、1回目Dさん（仮名）＝20歳代、来日3年　入門日本語文法文型コース、1回目当初の予定では4人のはずであったが、Aさんは都合が悪くて出席できないと事前に連絡を受けていた。同じ時間帯に違うコースの複数の学生に対応することは決して珍しくなく、むしろそちらのほうが常態化している。その場合、一方の学生とやりとりする間は、他方の学生に何らかの課題を与える形（いわゆる複式）で進めることになる。で、前半の学生はBさん1人。コース初回なので簡単にオリエンテーションをした後で、自己紹介をしてもらった。故国では地方政府で経理を担当していたが、月末が少し忙しい程度で、仕事中に新聞を読むのが日課であったという。来日するときには、上の子が大学2年生、下の子が中学生。上の子は大学を卒業してから来日すべきかどうか悩んだらしいが、故国の大学を卒業しても日本では全く役に立たないと判断して、一緒に来日。日本語学校で勉強してから某国立大学（私の自宅の最寄りにある！）の経済学部に入学し、卒業後の現在は大手総合電機メーカーの管理職として故国での事業展開に従事しているとのこと。その配偶者は短大卒の日本人で以前は銀行に勤めていたが、結婚後に辞めて専業主婦になったらしい（うーむ、バブルの香りがする？）。また、下の子も必死に勉強して上の子と同じ大学の商学部に入り、交換留学で1年間サンフランシスコに行ったりした後、卒業してコンピュータ製品やサービスを提供する大企業に入社。やはり故国での事業展開に従事して忙しいようで、いまだに独身とのこと。話からは、自分の子どもたちを誇りに思う様子がよく伝わってきた。まあ、この努力家の母にしてその子あり、といったところであろうか。来日21年ということで、日本語は母語話者に限りなく近いものの、若干ながら母語話者とは異なる面も見受けられた。二つほど例を挙げると、まず一つには自分自身の内面の葛藤を描写する際、「これはどうしたらいいでしょうか？」というように疑問文が擬似的な会話体になる点。もう一つにはある種の過剰般化であるが、母語話者なら「受験する」と言うところを「試験に参加する」と言うなど（でも意味は十分に通じる！）、汎用性の高い便利な語彙を多用する傾向が見られた点である。長い自己紹介の後は、10分程度の休憩を挟みつつ、通信教育でよく分からなかった項目をBさんがメモ書きしていたので、それらを一つ一つ確認していく作業を実施。今回、Bさんが勉強してきたのは、スーパーやコンビニなどの売り場やレジでの会話とその知識（第1課）、ファミリーレストランやファーストフードといった外食場面における会話とその知識（第2課）。Bさんは外食をほとんど利用しないとのことで、私への質問もそちらの分野に集中した。●「アイスコーヒー」と「アイスクリーム」では、「アイス」の意味が違う？（前者は冷たい、後者は凍っている）●ファミリーレストランのランチメニューの読解（スープは付いてくるが、パンとライスはどちらか一方を選ぶ）●「ソース」と「醤油」の違いは？●「ハンバーグ」と「ハンバーガー」の違いは？●「グラタン」って何？●「しつこい」ってどういう意味？といった感じである。次回（1か月後）の日時と学習予定を確認した上で、お開きとなった。続いて、後半の学生はCさんとDさんの2人。前半のBさんと同様に、コース初回なので簡単にオリエンテーションをした後で、名詞文（第1課）のチェックを兼ねて自己紹介をしてもらった。2人とも現在は専業主婦であるものの、来日9年のCさんは語彙量が豊富でいろいろなことを表現できるのに対して、来日3年で子育て真っ最中（2歳と6か月の2人）のDさんは自分自身のことや日常生活にかかわる語彙量がまだ少なく、また私の日本語による指示も通じにくいようで、Cさんの助けを借りながらどうにかやりとりしていた。この2人の間で日本語の力にかなりの差があるような気がしたため、まずは第1課の語彙・表現を筆記する小テストを実施。やはりCさんはスラスラできた。Dさんはやや大変そうで、しかも入門レベルにありがちな清濁・拗音・長音・撥音を含む「音声」と「文字表記」の対応が完全ではない様子も見て取れた。また、自己申告によれば、Cさんは第4課まで勉強してある一方、Dさんは第1課までしか勉強していないとのこと。これは複式に切り替えたほうがいいかも・・・と私は判断し、10分ほどの休憩の合間に、その準備をした。休憩の後で、まずはDさんに存在文（第2課）の小テストを渡し、教科書を見ながら自分で解くように指示。他方、Cさんとは教科書の問題を口頭でやりとり。Dさんの小テストが終わったころ、Cさんには教科書のCD聴解問題をやってもらい、その間にDさんとは教科書の問題を口頭でやりとり。Cさんが聴解問題に手間取っていたので、Dさんとのやりとりが終わってからは、2人一緒に聴解問題をやってもらった。そして、次回（1か月後）の日時と学習予定を確認し、この日のスクーリングはすべて終了。ベテランの先生からは事前に「通信教育のスクーリングは授業ではなく、あくまでも自学自習の補助手段」と指導を受けていた。ゆえに、私自身が気張っても仕方がなく、無理に背伸びをしようとはせずに、今の自分にできるベストを尽くせばいい・・・と、私は割り切っていたので、とにかく無心で臨み、あっという間に時間が過ぎて、さほどの疲労感も覚えなかった。うーむ。ビギナーズ・ラックの要素も多分にあるけれども、なせば成る　なさねば成らぬ　何事も　成らぬは人の　なさぬなりけりといった気分であろうか。仕事の後は、新宿西口に美味しいイタリアンがあるというので、元同僚と夕食へ。こうして、通信教育のスクーリング講師としてのデビューを果たした次第であった。

2010.08.20
［BON VOYAGE+114］　後日談／夏の日。小さな出来事の数々。

8月15日（日）。3週間ぶりに、実家のある湘南の図書館へ。貸し出し期限が過ぎていた本を返却しつつも、一部は再び借り直して、そのまま三多摩の自宅に帰還。8月16日（月）。出勤してみたら、机の上にメモが置いてあった。私を含む大多数の教員が休んだ先週金曜に、私の教え子（1年半前の修了生）が職場に遊びに来たとのことである。私から残暑見舞いをもらったのがよほどうれしかったと見えるが、他の先生からは「普通は来る前に、電話の1本でも入れるでしょうに」「まあ、その勝手気ままさが、あの国の国民性ですから」などと、ダメ出しを食らっていた。NHK総合の『鶴瓶の家族に乾杯』（海外スペシャル）では、Mr.マリックがウラジオストクを訪れていた。ロシアへの関心を強めている私としては、興味深く拝見した次第である。8月17日（火）。朝、通勤途中の西武国分寺線で爆睡（？）。東村山に到着してもしばらく意識が回復せず、あやうく国分寺方面に折り返してしまうところであった。自分ではそんなに疲れているとは感じないが・・・そのうちセブン上司が夢枕に現れて「これ以上、地球にとどまることは非常に危険だ」と忠告するかもしれない（？）。夜になって、3週間ぶりに尿路結石の痛みが再発。尿路結石の痛みには本来2種類ある。まず一つは、尿路をふさいだ結石が尿の排出を妨げ、行き場を失った尿の水圧が（ポンプとしての）腎臓に加わることによる痛み。これは脇腹から背中や腰にかけて激痛が走り、のたうち回るほどの苦しみに見舞われるタイプである。もう一つは、鋭利な結石が尿管などを直接的に傷つけることによる痛み。こちらは血尿を伴う場合が多いものの、前者ほど広範囲に及ぶ激痛にはならない（つまり、ピンポイントで鈍痛に襲われる）のが一般的である。最悪のパターンは前者と後者のコンビネーション（同時多発テロ？）であるが、3週間前に私が遭遇したのは左の脇腹付近を中心とする後者の痛みであった。以来、水分摂取量を通常の1.5倍から2倍くらいにまで増やし、豊富な水量で結石を流し落とす作戦に着手していたけれども・・・ある意味ではその効果があったようで、今日の痛みはもっと下の部位（恥骨付近）で起きた。またしても坐剤のお世話になってしまったことは言うまでもなかろう。8月18日（水）。所沢では17時52分から18時52分にかけての1時間に67.0mmの非常に激しい雨を観測。多摩北部在住の同僚からは18時02分に携帯メールで「ひどい雨　どしゃ降りだよ」、また18時から西武ドームで福岡ソフトバンクホークスとの試合を観戦していた同僚によれば「滝のような雨で、どこかで災害が起きるかと思った」とのことであった。もっとも、私個人は、雷雨の影響をほとんど受けなかった。この日は週に1度の定時退勤日であり、なおかつ「塾」の分科会を中心とした有志の会合に参加するため、高田馬場で軽く夕食を取りつつもCafe Miyama渋谷東口駅前店のマイスペース（貸し会議室）まで足を運んだからであった。夜に帰宅してみると、郵便受けにJCNマイ・テレビの大型封筒が入っていた。封筒の表面には重要　ケーブルテレビ宅内定期保守業務実施のお知らせと書いてあり、中には次のような文面が記されていた。　皆様がお住まいの住宅には、弊社CATV設備が導入されており、全てのテレビ放送（1ch～12ch）を、弊社より全戸へ配信させていただいております。　つきましては、テレビ放送（地上アナログ波／地上デジタル波）を安定した画像でお届けするため、宅内定期保守業務を全室対象にて実施させて頂きます。　今回の宅内定期保守業務は、ご入居者様の任意で行わせて頂きます。費用負担も一切ございませんのでご安心ください。　安定したテレビ放送を配信する為に必要な作業です。ご多用中大変恐縮ではございますが、何卒ご理解、ご協力の程、宜しくお願い致します。さらに読み進めていくと・・・指定された5日間の中から希望日時を選び、同封の「訪問日調査票」に記入して大家に提出する、という仕組みらしい。ところが、私の自宅のテレビアンテナ回りは非常に散らかっていて、人が入り込める状態に復元するまでにはかなりの時間と労力を要すると思われる。とてもではないが、そんな余裕は今の私にはない。というわけで、今回は対応できない（お呼びでない？）旨を記入して、大家に提出。8月19日（木）。明日はいよいよ都内の施設で通信教育のスクーリング講師としてデビューを飾ることになるが・・・仕事のイメージが今一つ湧かない。「出たとこ勝負」にならざるを得ないようである。で、職場のとある先生からは、出張先で荷物を受け取り、職場に持って帰ってほしいとの依頼を受けた。また、今月1日付で異動した元同僚からもメールが入り、職場に置いてきた荷物の一部を明日届けてほしいとのことであった。私は運び屋かよ・・・。2006年11月に開設した当ブログが、この日70,000アクセスに到達。ありがたき幸せ。この次の日の記事が分量的に長くなりそうなので、手短ではあるが今回はとりあえずここで終わりにしておく。

2010.08.19
［BON VOYAGE+113］　後日談／東京プチ紀行。立川→六本木→上野→半蔵門。

お盆休みで一時的に都心の人口が減少していることを見越して、今日は気分転換の目的で「東京プチ紀行」に出かけてきた。ルートとしては、以下の通りである。2010年8月14日（土）「はなまるうどん」立川駅南口サザン店（朝食）立川10:20→（JR中央線中央特快、東京行き）→三鷹10:32／10:34→（JR中央線快速、東京行き）→荻窪10:40／10:48→（東京メトロ丸ノ内線普通、池袋行き）→霞ケ関11:18／11:19→（東京メトロ日比谷線普通、中目黒行き）→六本木11:24サントリー美術館（見学）六本木12:23→（東京メトロ日比谷線普通、北越谷行き）→上野12:49東京国立博物館（見学）上野14:10→（東京メトロ銀座線普通、渋谷行き）→三越前14:16／14:22→（東京メトロ半蔵門線普通、中央林間行き）→半蔵門14:30「にほんごの凡人社」麹町店（買い物＝不発）半蔵門15:05→（東京メトロ半蔵門線急行、中央林間行き）→永田町15:07／赤坂見附15:14→（東京メトロ丸ノ内線普通、荻窪行き）→荻窪15:38／15:43→（JR中央線快速、高尾行き）→国立16:07まずは朝食。どこで腹ごしらえをしようかな・・・と、いろいろ検索していたら、私の好きな「はなまるうどん」が立川駅南口のグランデュオ立川1Fに出店していることをキャッチ。うーむ、いつの間に・・・どうやら7月20日（火）にオープンしたらしい。知らなかった。早速ここで定番メニューを注文し、満腹感と幸福感（？）に浸ってから、立川を出発。お盆期間の真っ最中ではあるものの、上りの中央線（特に中央特快）はかなり混んでいた。若いお母さんが幼い子どもをあやしながら大型のベビーカーを押して乗り込んでいたが・・・車内の混雑度から言えば、真ん中の車両よりも一番前とか一番後ろとかのほうが空いているし、そもそも中央特快よりも快速のほうが空いているはずである。何もこんなに混んでいる車両に乗り込まなくてもいいのに・・・などと思ってしまった。とはいえ、子育てをしている親の苦労はよく分からないので、双方にとっての最良の解決策は見いだせないまま、私は黙って吊革につかまって立ちつくすしかなかった。三鷹と荻窪と霞ケ関で乗り換えて、六本木で下車。最初の目的地は、東京ミッドタウンのガレリア3Fにあるサントリー美術館である。入館に際して、携帯サイトの割引券画面を提示。100円割り引いてもらった。なお、この「携帯割」のほかにも、和服で来館すると100円割引となる「和服割」などがあるので、事前にチェックしておくといい。美術館の混雑具合はさほどでもなく、通常の土日と同じくらいであろうか。お盆の影響はほとんどないように思われた。で、現在開催中の展覧会は「誇り高きデザイン　鍋島」。鍋島の青磁釉は、何とも涼しげで、この季節には最適・・・という理由で見に行ったのであるが、「桃」のような吉祥柄や「毘沙門亀甲」「雲雷」「水車」（！）といったモチーフを図案化したものなど、器に描かれた文様が実にバラエティーに富んでいて、見ていて飽きないコレクションであった。「どれが一番のお気に入りかな？」と、思わず「雨夜の品定め」状態（？）に陥ってしまうかもしれない。あと特筆すべきは、現代の十四代・今泉今右衛門氏が2007年から2010年にかけて創り出した作品群。もはや青磁ではなく、灰磁とでも呼ぶべきであろうか・・・薄墨色の巧みな濃淡によって、春夏秋冬の風物を描いているのである。とりわけ雪の結晶をデザインしたものは、あまりの美しさに、ため息が出てしまった。続いて、上野へ移動。次の目的地は、上野公園にある東京国立博物館である。東京国立博物館を訪れるのは3月20日（土）の特別展「長谷川等伯」以来のことであったが・・・お盆のせいなのか、それとも企画のせいなのか、予想していたほど混雑していなかった。　↓むしろ、途中の国立科学博物館で開催されていた特別展「大哺乳類展－海のなかまたち」が30分待ち。子どもたちに人気のありそうな場所はそれなりに混雑していたようである。で、この平成館で開催中の特別展は「誕生！中国文明」。古代中国の政治・経済・文化の中心地として栄えた河南省に伝わる青銅器・金銀器・漆器・陶磁器・壁画・彫刻・文字資料などを一堂に集めた展覧会である。個人的に興味深かったのは、玉（ぎょく）に対する信仰。特に、肉体の腐敗を防ぐと信じられた翡翠色の玉で死者の全身を鎧のように覆う「金縷玉衣（きんるぎょくい）」などは、どことなく『天空の城ラピュタ』のロボット兵（の原型？）を彷彿とさせ、圧巻であった。お土産を売るコーナーに立ち寄ってみると、いつもの展覧会とは雰囲気がちょっと違う。売り場の人は、中国から直接来ているのであろうか。たどたどしさの残る発音からして、日本語母語話者ではないらしい。販売員同士では中国語で話し、欧米系と思しきお客さんには英語で話しかけるなど、商魂たくましい様子が印象的であった。さて、普段なら平常展は見ないで帰るところであるが・・・今日は気まぐれで本館へと足が向いた。しかも平成館からは最も遠い方面まで歩いてしまった次第である。そこに鎮座していたのは、特集陳列「二体の大日如来と慶派の彫刻」。東京・真如苑蔵の大日如来坐像（重要文化財）という案内表示が、私の目に留まった。ん？　これって、ひょっとして・・・2008年3月にニューヨークのオークションで1280万ドル（約12億5000万円）で落札された、運慶の作とみられる例の仏像なのか？　まさに「お宝」を拝見する気分であった。この後は、三越前を経由して、半蔵門へ。最後の目的地は、麹町にあるにほんごの凡人社である。しかしながら・・・今日は、これといって目新しい教材はなかった。まあ、この書店は、日本語教育の潮流を知るための定点観測ポイントであり、来ることに意義があるとも言えよう。ところで、半蔵門駅の1番出口付近にはマクドナルドがあったはずなのに、いつの間にかサンマルクカフェに変わっていた。帰宅してから調べてみたら、マクドナルドは3月末に閉店し、サンマルクカフェは7月12日（月）にオープンしたとのこと。ということは、前回、私が凡人社へ足を運んだ5月8日（土）には、異変に気づかなかったようである。うーむ。5月末に閉店した谷保駅前のマクドナルド跡地は一体、どうなるのであろうか・・・。ともあれ、永田町・赤坂見附と荻窪を経て、帰宅の途に就いた。帰りの中央線の車内でも、複数のベビーカーを見かけた。私はiPodという「耳栓」を持参していたので平気であったが、元気な子どもの叫び声に顔をしかめる乗客もいた。子育てをどうやって社会全体で支えていくか。子ども手当をばらまくだけでは解決しない問題が、横たわっているようにも感じた。

2010.08.14
［BON VOYAGE+112］　後日談／雷の母は秋田市付近に上陸して三陸沖へ、など。

8月9日（月）。昨夜からの雨は午前中に上がったとはいえ、気温はあまり上がらなかった。結局、この日の三多摩の府中の最高気温は28.9℃。連日の真夏日から脱して、やや涼しい一日であった。来週金曜に都内の施設で通信教育のスクーリング講師としてデビューすることになっているので、職場でベテランの先生から事前に説明（レクチャー）を受けた。仕事からの帰りに、ふと思い立って新宿の東急ハンズへ。かれこれ10年くらい使ってきた財布は、小銭がたくさん入って膨らむと経年変化で構造的に隙間ができやすくなり、たまに硬貨が外に滑り落ちてしまうこともあったため、ついに買い換えを決心したのである。あれこれ迷った結果、渡喜商工のラップ・オイル・カーフ・レザー（日本製）の折り財布を選んで購入。国産原皮の中でも希少価値の高い仔牛の革（カーフ）を使用。やわらかな手触りに仕上げるためにオイルを2度浸透させるなど、通常の何倍もの時間をかけて染色処理を行っています。是非、キメが細かくしなやかな手触りを実感してください。帰宅後、財布の中身を詰め替えてみた。病院の診察券やら各種のポイントカードやらいろいろなサービス券やら、利用頻度や重要度の低いカード類を大幅に整理したが、それでもパンパンになってしまった。8月10日（火）。このブログで以前、某新聞社のカメラマンが私の職場に出入りし、私のクラスの外実習にも同行した件について触れた。その記事はボツになってしまったのか・・・と、ずっと気をもんでいたところ、終戦の日が近づく中で、ようやく昨日の夕刊に掲載されたようである。帰郷の孤児　なお試練ズームアップ（YOMIURI ONLINE）職場の同僚たちは「さすが、プロが撮ると違うね」と、写真の見事さにすっかり感心していた。上司から、また新たな任務を言い渡された。8月27日（金）に昭和女子大学で開催される文化庁日本語教育大会に参加せよ、とのことである。「「生活者としての外国人」に対する標準的なカリキュラム案について考える」というテーマなので、日本語教育小委員会のWGに協力する際の前提知識として役に立つし、ついでにニューズレターの記事の取材もできる・・・という理由であった。来週のスクーリングに続いて再来週のこの大会と、金曜は2週続けて都内へ出張することになる。教案の準備と連絡を前倒しで行わなければならず、実に面倒である・・・。夕方には、都内某所で「塾」の分科会の打ち合わせに顔を出す。仕事にしても「塾」にしても、いろいろな作業を同時並行的に処理していく必要があり、何とも忙しい（というか、精神的に落ち着かない）。8月11日（水）。スクーリング講師研修会を10月下旬に開催する旨の通知を、北海道・東北・首都圏・東海北陸・近畿・中国四国・九州の7センターおよび（北海道・宮城県・東京都・愛知県・大阪府・広島県・福岡県を除く）40府県の担当課に宛てて発送する準備を進めている。その決裁文書は既にトップまで回って戻ってきたものの、文書番号を取得するため、総務課の高天原出身者に指示を仰いだ。高天原流の文書作成のルールを絶対的に信奉しているらしく、決裁後ではあるが「ここは半角ずらしたほうがいいね」などと、実に細かい点にまでチェックが入った。私自身もかつては地方の役所に勤務し、税務では数字を間違えないことを、また人事では人の氏名や補職名を間違えないことを、それぞれ徹底的に叩き込まれた経験を有する。が、こういう決裁文書を持ち回る（など、内輪にしか通用しない形式的な事物にエネルギーを注ぐ）のは苦手で、あまり好きにはなれなかったのである。軽度のトラウマが蘇りそうになりつつも、どうにか克服。上のクラスで個別学習相談があり、例の中年1人の意向を確認したところ、他の若い学生ほど早くないにしても、少しずつ伸びてきていることを本人なりに実感しているとのこと。担任も納得し、しばらくは今のクラスで様子を見ることに決まった。8月12日（木）。私の副担任のクラスでも個別学習相談を実施。午前だけの高齢者4人は、文字（ひらがな）は今のところ問題ないものの、むしろ語彙表現を覚えるのに苦労しているらしい。また、午後もある中年2人は、授業はもっと早く進んでも大丈夫と自信を示し、自宅（自分一人）では自学自習できない会話を中心に練習したいという要望が出た。もっともな話である。よろしい、やっていこうではないか。帰り際にバス停で同僚と一緒になり、最近の職場の様子に関して意見交換をした。教材開発プロジェクトの人選などに見られるように、上司による仕事の割り振り方が杜撰という点で見解が一致。また、スクーリング講師研修会の今年のテーマが決められた背景事情を報告すると、「あんなにグラグラしているもの（能力評価）を研修で使っても（お客さんは）何も得られないよ」と、私と同様に危惧を表明していた。2010年台風4号は、17時ごろ秋田市付近に上陸。その後は奥羽山脈を横断し、盛岡市付近や宮古市付近を経て、三陸沖に抜けた。2日ほど前、この台風が東シナ海を北上して韓国の済州島に接近していたころ、私は職場の同僚から「関東地方への影響は？」と質問された。天気を司る水の神や雷を司る天空の神が演出しそうなことを想像してみると、台風は偏西風に流され、上陸するとしたら東北地方になるので、関東南部への影響は（海岸の波浪を除けば）小さいのでは・・・と予想したのであるが、だいたいその通りになった。しかし、ご丁寧に（？）私の父方の先祖の地に上陸するとは、痛み入る次第である。ちなみに、この台風のアジア名はディアンムー（中国語で「雷の母」）で、2004年台風6号と同じ。6年前の前回も、日本上陸を果たし、四国地方や近畿地方を縦断している。8月13日（金）。お盆休みということで、授業は休講。私自身も有給年次休暇を消化した。やりたいことは山積しているけれども、自宅に引きこもってブログ記事の更新をした程度であった。

2010.08.13
［BON VOYAGE+111］　後日談／そして堂々たる尊厳の獲得である。

私自身はじっくり考えて、納得してから行動に移すのを好む。しかし、近頃は新しい課題が増えて、考える時間を十分に取らずに行動する場面が多くなった。サッカーに例えると、一人でドリブルを続けるというよりも、ワンタッチでパスをつないでいくようなイメージであろうか・・・。いずれにせよ、「忙しさの質」が変化してきたのかもしれない。8月3日（火）。退所したばかりの教え子から、手紙が届いた。先日、ほかの先生がその家族宛てに送るものがあるというので、私も便乗して阿波和紙の一筆箋に一言したためて送ったところ、お礼の意味でわざわざ返信をくれたのである。ところが・・・宛名の私の名前は敬称略。完全に呼び捨てであった。愚か者！　余の顔を見忘れたか！と、御庭番2人（私が見ていたころは才三と茜だったかな？）を率いて成敗（！）したくなったものの、グッとこらえる。昨期は研修期間がやや短かったせいもあり、私のクラスでは手紙の書き方をまともに指導しなかったのである。私自身の「身から出た錆」とも言えよう。ただ、どういうわけか、ほかの先生の宛名は、ちゃんと「～先生」となっていた・・・。8月4日（水）。私の印象に残る出来事は特になかった（と思う）。強いて挙げれば、今朝は7時間くらい眠ったはずであるが、何となく眠り足りないような気がする点であろうか。8月5日（木）。今週月曜のスクーリング講師研修会の打ち合わせに引き続き、面談で提示のあった新規業務の第2弾として、通信教育の教材を開発するプロジェクトが始動。学齢期の子どものいる親を対象とした教材開発なのに、プロジェクトのメンバーは全員、子育ての経験がないらしい・・・。上司の人選には「適材適所」という概念が存在しないのか。無理が通れば道理が引っ込むとは、このことであろう。ご都合主義も甚だしい。午後には、第2次クラス編成に向けての会議が開かれた。要するに、当初のクラス分けが適正か否かを判断するための情報交換である。ここで議論の中心となったのは、上のクラスの中年1人。授業中はメモを取るのに必死で、若い世代と一緒に授業を受けていると、口頭練習の際にアウトプットの面でどうしても見劣りしてしまう。本人の努力は認めるけれども・・・今のクラスで続けられるかどうかは疑問であった。とはいえ、まずは本人の意向を調査する必要があろうということで、来週の個別学習相談を経てから結論を出すことになった。仕事が終わってからは、都内某所での「塾」の分科会の打ち合わせに参加。この準備のために今朝はあまり眠っていないので、私の脳は酸欠気味であったが・・・うーむ、やるべき課題が多すぎる。8月6日（金）。職場の公衆電話が、「利用者の減少」という理由により、撤去された。NTT側から再三の要請を受け、その都度拒否していたのであるが、ついにそれに屈したわけである。でも、月額8.4円のユニバーサルサービス料って、こういう不採算地域（？）のサービスを維持するために払っているのでは？夕方には「塾」の第7回に出席。議員（ボスキャラ）は広島へ出張していたので来るはずもない。今回の内容としては、二つの分科会の中間発表を行い、相手チームに意見や質問を求めるというものであった。そこでわれわれのチームから「卒塾後の活動」について提案し、塾生の間ではおおむね了解を得たが・・・相談役からは（安易にウンとは言わない）議員本人を説得するのが難関かも、とアドバイスを受けた。その後、分科会で作業をしてから、赤坂見附の居酒屋での懇親会にも付き合った。8月7日（土）。立秋。暦の上では秋を迎えた。先月25日以来、三多摩の府中では猛暑日を観測していない上に、空気がやや乾燥して風もさわやかで幾分はしのぎやすい日などもあって、盛夏のピークは過ぎたかな・・・という印象を覚えつつある今日この頃であった。私自身は完全休養日。終日だららんと過ごした。で、ネットサーフィンをしていたら、美しいカナダを走り、心を洗われて想うこと？風間深志の南北アメリカ大陸縦断（asahi.com）というタイトルの記事が目に留まり、片言の英語しか話せない私にも親切に接してくれたおおらかな国民性に思いをはせながら、思わず熟読してしまった。うーむ。日本とカナダの看護師のあり方を比較するこの記事を読んで、私はふと次の言葉を思い出していた。本艦の理想は　あらゆる人間・民族の　完全なる自立！そして　堂々たる　尊厳（ディグニティ）の獲得である（かわぐちかいじ『沈黙の艦隊』VOYAGE-37）日本では、既得権益を死守しようとする人々の制度設計によって、人間の「尊厳」というものが奪われてきたわけである。上士も下士も関係ない世界を築くには、まずは米軍の庇護から自立するための海軍操練所を設立することから始めるべきか？？？8月8日（日）。ほぼ1か月前に購入した「かもめーる」を使用して、かつての教え子宛ての近況報告を兼ねた残暑見舞いを一気に作成。本当なら実家のある湘南の図書館に行こうと思っていたが、今一つ気分がすぐれなかったこともあり、ちょっと保留。来週のお盆休みまで延期することにした。

2010.08.08
［BON VOYAGE+110］　後日談／映画2本、ウルトラクイズの思い出、大河ドラマなど。

7月31日（土）。完全休養日。終日だららんとして、とにかく英気を養った。8月1日（日）。毎月1日は「映画サービスデイ」。今月は日曜日に当たるため、この日に映画を見ないわけにはいかない。夏休み期間中ということもあって、小学生・中学生・高校生などで劇場は非常に混雑していた。映画館に足を運ぶのは7月10日（土）以来であるが、事前に予約して2本見てきた。1本目は『インセプション』。「レオ様」ことレオナルド・ディカプリオ氏と「ケン様」（？）こと渡辺謙氏の共演によるサスペンス・アクション。監督は『ダークナイト』のクリストファー・ノーラン氏。渡辺謙氏が「サイトーさん」という役を演じていたり、妙に東洋趣味（オリエンタリズム）っぽい和風の部屋が出てきたり、日本の新幹線（車内にこんなコンパートメントあったっけ？）に乗っていて急に京都で降りるという設定があったり、東京の美しい夜景を見せてくれたり・・・と、日本のファンへのサービス（すなわち、日本での興行収入アップ）を忘れていない点が見事と言える。夢の中の夢の中の夢・・・というように、夢の階層構造の中を行ったり来たりしているのが面白かった。が、作品全体を通じて何らかのメッセージ性があるようには思えなかったので、まあ「話題作」の域を越えるものではないのかも。2本目は『トイ・ストーリー3』。1995年（日本公開は翌1996年）の『1』、1999年（日本公開は翌2000年）の『2』に続く、大ヒット・シリーズの3作目。「大人にこそ見てほしい」など、批評家の反応が良かったため見に行った次第であるが・・・主人公のウッディが予想外ではあるものの最も納得できる決断を下す最後の場面で、私は思わず涙が止まらなくなった。いろいろな意味で示唆に富む、大人必見の「感動作」と評しておこう。映画を見た後は、2か月ぶりに美容室で髪を切ってもらい、サッパリした。8月2日（月）。職場の今期の副担任業務は、今のところ、かなり楽である。が、面談で提示のあったいくつかの新たな業務が、今週から動き出してきた。その第1弾として今日は、10月下旬に開催が予定されているスクーリング講師研修会の打ち合わせに参加した。今年のテーマは、「若い世代の学習者への会話力（コミュニケーション力）を伸ばす指導を考える」というもの。それ自体としてはありがちな内容であるが、文化庁が進めている検討項目の一つである「日本語能力の評価」に無理やりリンクさせて、われわれの取り組みを日本語教育業界や所管官庁にアピールしようと企んでいるらしい。要するに、スクーリング講師のためというよりは、「大向こう」のウケを狙っているわけである。一体、誰のために仕事をしているのであろうか、この職場の上司たちは。とはいえ、私の職場でもまだ完全には確立していない能力評価を絡めるのは・・・あまりに野心的で、背伸びしすぎである。自分で自分の首を絞めることになるのでは？なるほど・・・そういうことか。スクーリングの経験に乏しい私がなぜ起用されたのか、事情をようやく理解できた。このテーマ設定では、最近の担任業務に精通している人間でないと、取り扱うのが難しいからである。仕事からの帰りに、JR中央線の車内の液晶ディスプレイで、こんな映像が流れていた。新常識！結婚式○×クイズ（楽婚）「貯金はない？」「時間もない？」「みんなに楽しんでもらいたい？」「結婚式したい？」といった問題が出されると、若い男女が前方の大きな白い○×のパネルに向かって疾走し、○のパネルを突き破っていく。（なお、車内では見られない特典映像（？）として、ウェブ上では「楽婚知ってる？」という問題に誤答するカップルも登場。）むむむ。思わず私の目に留まってしまった。結婚式云々は、この際どうでもいい。どうでもよくないのは、このクイズ形式である。これって『アメリカ横断ウルトラクイズ』のグァムやサイパンで行われていた「突撃○×どろんこクイズ」のパクリではないか！かつて私は「ニューヨークへ行きたいかーっ！」という絶叫に呼応し、初めて出場した1992年（第16回）の国内第1次予選では○×のボールを持って東京ドーム球場のグラウンドを疾走したが、7問目で惜しくも敗退。その15年後に夢を実現すべくニューヨークを目指したものの、わずか14時間しか滞在できずトロント経由で「東京直行」。「前世はアメリカ」と言われてからは、番組テーマ曲の音源を入手して聴きまくるなど、筋金入りの『ウルトラクイズ』フリークであった。その私に言わせれば・・・中途半端なパクリは許さん！！！どうせなら、泥に突っ込んでほしかった気もする。ちなみに余談ではあるが、ググっていたら「婚活はアメリカ横断ウルトラクイズと同じ？」などと抜かしている輩がいるらしい。婚活に「国内第1次予選」とか「成田空港でジャンケン」とかあるのか？　違うだろっ！！！帰宅してから、amazonでDVD2枚とCD2枚を注文。DVDは、『トイ・ストーリー』の『1』と『2』。灯火管制のせいでテレビでは『2』を最後まで見られなかったため、『3』を見たときにカウガールのジェシーがどうして一緒なのか、また羊飼いのボー・ビープがどうしていないのか・・・といった経緯が、分からなかったからである。CDは、NHK大河ドラマ『龍馬伝』オリジナル・サウンドトラックの「Vol.1」と「Vol.2」。今年の大河ドラマは当初、とりわけ配役にあまり期待していなかったのであるが、実際に見てみると、いつになく面白くてグイグイと引き込まれていくのを感じる。「塾」の分科会で進めていることが亀山社中のようになってきた（？）こともあり、気分で買ってしまった。なお、この佐藤直紀氏の音楽は、私のコレクションでは2003年1～3月に放送されたTBS日曜劇場『GOOD LUCK!!』のオリジナル・サウンドトラック以来となる。

2010.08.02

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