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NOと言える三多摩~言泉「やまと」後悔日誌

NOと言える三多摩~言泉「やまと」後悔日誌

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言泉「やまと」

言泉「やまと」

2006.12.03
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カテゴリ:映画
昨夜、オールナイトでまた2本見てしまった。

まず一つは『007 カジノ・ロワイヤル』。
世界的なテロ組織との取り引きによって富を得る「死の商人」ル・シッフル。テロ事件が未遂に終わって巨額の損失を出した彼らは、新たな資金調達を求めてモンテネグロでのカジノ・ロワイヤルで賭けに出る。一方、彼らの資金源を絶つべく英国諜報機関MI6は、やり手の新任諜報部員ジェームズ・ボンドを、財務省の才媛ヴェスパー・リンドとともに、カジノ・ロワイヤルへと送り込む・・・。

作品を見終わった後では、「あれだけ頭がいい男なら、もっと早く気がつくだろうに!」などと、いろいろ難癖を付けることも可能である。しかし、実際に見ている間は、手に汗を握るスリリングな展開にぐっと引き込まれて、そんな冷静な分析はできないはず。ワクワクドキドキしたい人には文句なくおすすめの1本である。また、ダニエル・クレイグ氏とエヴァ・グリーン氏の美男美女コンビも魅惑的で、思わずため息が出てしまうかもしれない。
それにしても、ヴェネツィアで建物が倒壊するシーンはどうやって撮影したのであろうか。リアルに撮影する許可が下りたのか、それとも何らかの合成なのか。素人の私にはよく分からなかった。

もう一つは『武士の一分』。
藩主の御膳の毒見役を務める下級武士・三村新之丞は、本当は剣術の道場を開きたいと思いつつも、美しい妻の加世や奉公人の徳平とともにつつましく暮らしていたが、毒見で貝の毒にあたって失明してしまう。一族から「出仕できなくても家禄を保てるよう、藩の有力者に頼み込め」と言われた加世は、番頭の島田藤弥に会って快諾を得るが、その代償として無理やり貞節を汚される。そのことを知った新之丞は妻を離縁し、島田に果し合いを挑む・・・。

レビューサイトをちらっと見たところ、主演に木村拓哉氏を起用したことについて賛否両論が出ているらしい。それは彼が演じたキャラクターを「キムタク」と見るか「新之丞」と見るかで意見が分かれるようである。私は後者の立場であり、作品全体の評価を揺るがすほどの違和感は覚えなかったし、むしろ、なかなかの好演であったと感じた(もっとも、当初の予告編で、へっぴり腰で刀を構えて絶叫する彼の姿を見たときは、私も一抹の不安を覚えたものであるが・・・)。
しかし、彼以上にいい味を出していたのが、加世役の檀れい氏や徳平役の笹野高史氏であろう。この2人のいぶし銀のような演技に加えて、従前の山田洋次監督作品にしばしば見られるような不用意な笑いがほとんどなかったことは、高く評価できると思う。

また、「剣術の道場を開きたい」という新之丞の心情を吐露する場面で、「身の丈に合わせた衣服を着せるように、それぞれの人(の体格や技量)に合わせた教え方をしたい」といったせりふがあり、日本語教育に携わる私としては思わず「そうそう」と共感してしまった。
そういう、まっすぐでひたむきな生き方に価値を置きたい人にとっては、間違いなくおすすめの1本である。私の個人的なランキングでは、今年見た実写の邦画の中では確実にベスト3に入るであろう。

なお、この作品の評価と、いわゆる「武士道」をどう評価するかは、別の次元の問題である。
明治以後にステレオタイプ化された言説としての「武士道」と、歴史的実態としての「江戸時代の武士の生き方」は、必ずしも一致しない・・・と私は思うのであるが、それはまた別の機会があれば書いてみたいと思う。





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Last updated  2007.11.21 15:57:15



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