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NOと言える三多摩~言泉「やまと」後悔日誌

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言泉「やまと」

言泉「やまと」

2007.02.15
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カテゴリ:やまとことば
今日の日中は晴れていたものの、強風が吹きつけ、体感温度的にはやや寒く感じられた。
また、日が暮れてから空を見上げてみると、雲がほとんどなく、多くの星が観察できた。
こういう日は、地表の熱が雲に遮られることなく大気圏外へ逃げてしまうため、放射冷却によって朝晩の冷え込みがきつくなる。暦の上では「春」とはいえ、健康管理にはまだまだ注意が必要であろう。

さて、留学生のチューターをしていて発見したことであるが、彼らを指導する際にややこしい日本語表現の一つに「先」という語彙がある。「先日」といった場合は「過去(時間的に前)」を指すが、それとは対照的に、「3日先」といった場合は「未来(時間的に後)」を表していて、同じ漢字なのに正反対の意味が含まれているわけである。

私の電子辞書に搭載されている『明鏡国語辞典』によれば、「さき(先)」の意味は次のようになる。
1)細長い物の先端。特に、とがった物の先端。⇔しり
2)進んでいくものの一番前。先頭。⇔あと、しり
3)ある基準より空間的に前の方。前方。
4)展開する物事の、それに続く部分。
5)順序で、前のほう。
6)《多く上に比較の格助詞「より」を伴って》物事が優先される意を表す。
7)時間的に、ある基準より以前。特に、現在からあまり遠くない過去。前。⇔あと、のち
8)時間的に、ある基準より以後。これから。将来。
9)動作の及ぶ相手や場所。
この、相反する7)と8)の意味が、どうして同じ語彙で表現できるのであろうか。
電車に乗っていると、しばしば「この先、カーブが続きます。お立ちの方は・・・」といったアナウンスを耳にすることがある。この例文の中の「先」は、空間的には基準点よりであるものの、その場所に到達するとき、時間的には基準点よりになっている・・・という逆転現象が存在することに気づくはずである。つまり、こうした「時空のねじれ」が、「意味のねじれ」を生む一因になっている可能性が指摘できそうである。

なお、英語の接頭辞「pre-」が「以前の」という意味と「あらかじめ」という意味を併せ持っていることを考えると、これと同じような語彙はどの言語にもありそうな気がする。対照言語学的にいろいろと調べてみると、面白いことが分かる・・・かもしれない。





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Last updated  2007.11.21 17:08:08



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