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NOと言える三多摩~言泉「やまと」後悔日誌

NOと言える三多摩~言泉「やまと」後悔日誌

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言泉「やまと」

言泉「やまと」

2007.05.23
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カテゴリ:ミュージアム
今日は朝から日差しが強烈に照りつけ、気温が上がった。三多摩の府中のアメダスによれば、最低気温は14.9℃(04:00)、最高気温は29.5℃(14:00)であった。また、東京都では、「予報」「学校情報」「注意報」「警報」の4段階がある光化学スモッグ情報のうち、第2段階の「学校情報」を、区西部と多摩北部(←注:この地域区分は東京都独自のもので、気象庁の地域細分とは異なる)に発令していた。それほど暑かったのである。

さて、今日は、公約実行(?)の第2弾として、美術館めぐりをしてきた。

最初は、東京ミッドタウンに移転して間もないサントリー美術館の開館記念展I「日本を祝う」。
本展覧会のコンセプトについては、『図録』に見事な文章が掲載されていた。少々長くなるが、その全文を引用しておく。
ごあいさつ
 サントリー美術館の開館を記念して、当美術館のコレクションの全貌をご覧いただける二つの展覧会を開催いたします。それが、「日本を祝う」展と、「水と生きる」展の、開館記念展です。〈祥〉・〈花〉・〈祭〉・〈宴〉・〈調〉という祝祭性にあふれる五つのテーマで構成された「日本を祝う」展は、サントリー美術館の館蔵品から、開館というハレの場にもふさわしい、華やかな作品を選りすぐりました。暮らしを彩ってきた一点一点の作品を通して、人々の願いや喜び、日本文化の豊かさを心ゆくまでご覧いただければ幸いです。
 一九六一年「生活の中の美」をテーマに掲げ、大手町・パレスホテルに開館したサントリー美術館は、今回の六本木・東京ミッドタウンでの開館にあたっても、創設以来の基本理念を継承していきます。さらには、新しく「美を結ぶ。美をひらく。」という将来への指針を設定し、大人と子供、洋の東西、古いものと新しいものなどを、日本の美を仲立ちにして、ダイナミックに結びながら、そこに新しい感動、発見、楽しさをひらいていきたい、と考えています。
 隈研吾氏の目指した新美術館は「和のモダン」─「伝統」と「現代」の融合した空間です。そこには、木や紙など日本独自の素材が用いられ、都心の居心地のいい空間が実現しました。赤坂見附時代のサントリー美術館から移築した茶室「玄鳥庵」や、新たなホール、カフェ・ショップも設置しており、多彩な楽しみを提供していきます。子供から大人まで、誰もが美術を身近に、気軽に楽しめる存在でありたい。都心の美術館として、美を鑑賞するだけでなく、美とともに過ごせる、心うるおす時間を提供する場所を目指していきたいと考えています。
 新しいサントリー美術館の活動に今後ともご支援賜りますよう、何卒よろしくお願いいたします。
サントリー美術館
館長 佐治信忠
私が付け加えるべき説明は、もはや何もあるまい。
ゆえに、あとは、私が見て個人的に感じたことを、いくつか述べるにとどめる。

まず、南蛮やオランダから渡来した船や人をモチーフとした、屏風(狩野派)、燭台(織部焼)、大鉢・茶碗(有田焼)などが興味深かった。そこに描かれた南蛮船は「宝船」に、南蛮人は「福神」に見立てられている・・・という解釈が、とても面白い。古来、財宝や幸福というものは、海の外からやって来たのである。

また、天空の青をこよなく愛する私としては、薩摩切子や長崎びいどろの藍色ちろりなどの色に、心を奪われてしまった。

私自身としては、絵画よりも、工芸のほうが好きかもしれない。というのも、絵画は、今も昔もただ眺めるだけで、用途は何も変わらない。それに対して、工芸は、今は見るだけであるが、昔は何らかの用途で実際に使われていたはずである。誰がどんな場面でどのように使っていたのか・・・と、想像するのが楽しいのである。
そういう意味で、今回の展覧会で一番私の目を引いたのは、打掛、小袖、能装束といった着物である。実にきらびやかで、まさにハレの着物(晴れ着)であった。

私がサントリー美術館に到着したのは10時25分ごろ。そんなに大きな美術館ではなく、ショップを含めて30分ほどで見終わった。外に出ると、ちょうど東京ミッドタウンの営業開始時刻の直前で、1階付近は入場を待ちわびる群集で埋め尽くされていた。開店後、しばらく様子を見て回ると、1階のPizzeria-Trattoria Napule(イタリアン)や地下1階の鈴波(魚介味淋粕漬)などで、ものすごい行列ができていた。東京ミッドタウンを訪れたのは今回が初めてであるが、これらの店はそんなに評判が高いのであろうか・・・。

次は、そこから徒歩で5分もかからない場所にオープンした国立新美術館の開館記念「大回顧展モネ 印象派の巨匠、その遺産」。
チケット売り場に到着すると、なんと「40分待ち」の表示が出ていた。さすが、巨大なプロ野球チームを保有する新聞社が主催しているだけのことはあり、大した動員力である。そこで、私自身は「空腹の解消」を図るべく、先に近くのファーストフード店で食事を取ることにした。その後、11時35分ごろに再び来ると、まだ「40分待ち」が出ていた。やむを得ず、九十九折(つづらおり)の行列の最後尾に並んで、待つことにした。しかし、20分ほどで会場の入り口に達することができた。

モネの絵は、何と言うべきか・・・「空気」を感じさせる作品が多い。
霧の都ロンドンを題材とした連作などは特にそうで、夕暮れ時のぼやーっとしてはっきり見えない光景を描かせると、彼に勝る画家はいないのではないか・・・と、思ってしまった。
ちなみに、個人的なお気に入りは『アルジャントゥイユのセーヌ川』(1873、オルセー美術館)。青い空と、川岸のポプラ並木と、川面の反射が、何とも印象的な作品であった。

サントリー美術館に比べれば、会場は非常に広々としている。が、入場者の数も半端ではないため、落ち着いて鑑賞することは不可能であった。やや急ぎ足で見て回り、12時25分ごろに会場の外に出ると、行列の最後尾の表示は「20分待ち」に変わっていた。昼飯時に絵画を見ようなどという殊勝な輩は多くないのである。

こうして、今日は一日、美術三昧となったわけである。
なお、余談ではあるが、サントリー美術館のチケットの裏面を見ると、
本展半券をお持ちいただくと、本展ならびに次回「水と生きる」展に100円引きでご入館いただけます。
と、どこかの携帯電話会社の広告のような小さな文字で書かれていた。まあ、このサービスを使わない手はあるまい。





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Last updated  2007.11.21 18:57:47



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