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カテゴリ:ミュージアム
今日は朝から日差しが強烈に照りつけ、気温が上がった。三多摩の府中のアメダスによれば、最低気温は14.9℃(04:00)、最高気温は29.5℃(14:00)であった。また、東京都では、「予報」「学校情報」「注意報」「警報」の4段階がある光化学スモッグ情報のうち、第2段階の「学校情報」を、区西部と多摩北部(←注:この地域区分は東京都独自のもので、気象庁の地域細分とは異なる)に発令していた。それほど暑かったのである。
さて、今日は、公約実行(?)の第2弾として、美術館めぐりをしてきた。 最初は、東京ミッドタウンに移転して間もないサントリー美術館の開館記念展I「日本を祝う」。 本展覧会のコンセプトについては、『図録』に見事な文章が掲載されていた。少々長くなるが、その全文を引用しておく。 ごあいさつ私が付け加えるべき説明は、もはや何もあるまい。 ゆえに、あとは、私が見て個人的に感じたことを、いくつか述べるにとどめる。 まず、南蛮やオランダから渡来した船や人をモチーフとした、屏風(狩野派)、燭台(織部焼)、大鉢・茶碗(有田焼)などが興味深かった。そこに描かれた南蛮船は「宝船」に、南蛮人は「福神」に見立てられている・・・という解釈が、とても面白い。古来、財宝や幸福というものは、海の外からやって来たのである。 また、天空の青をこよなく愛する私としては、薩摩切子や長崎びいどろの藍色ちろりなどの色に、心を奪われてしまった。 私自身としては、絵画よりも、工芸のほうが好きかもしれない。というのも、絵画は、今も昔もただ眺めるだけで、用途は何も変わらない。それに対して、工芸は、今は見るだけであるが、昔は何らかの用途で実際に使われていたはずである。誰がどんな場面でどのように使っていたのか・・・と、想像するのが楽しいのである。 そういう意味で、今回の展覧会で一番私の目を引いたのは、打掛、小袖、能装束といった着物である。実にきらびやかで、まさにハレの着物(晴れ着)であった。 私がサントリー美術館に到着したのは10時25分ごろ。そんなに大きな美術館ではなく、ショップを含めて30分ほどで見終わった。外に出ると、ちょうど東京ミッドタウンの営業開始時刻の直前で、1階付近は入場を待ちわびる群集で埋め尽くされていた。開店後、しばらく様子を見て回ると、1階のPizzeria-Trattoria Napule(イタリアン)や地下1階の鈴波(魚介味淋粕漬)などで、ものすごい行列ができていた。東京ミッドタウンを訪れたのは今回が初めてであるが、これらの店はそんなに評判が高いのであろうか・・・。 次は、そこから徒歩で5分もかからない場所にオープンした国立新美術館の開館記念「大回顧展モネ 印象派の巨匠、その遺産」。 チケット売り場に到着すると、なんと「40分待ち」の表示が出ていた。さすが、巨大なプロ野球チームを保有する新聞社が主催しているだけのことはあり、大した動員力である。そこで、私自身は「空腹の解消」を図るべく、先に近くのファーストフード店で食事を取ることにした。その後、11時35分ごろに再び来ると、まだ「40分待ち」が出ていた。やむを得ず、九十九折(つづらおり)の行列の最後尾に並んで、待つことにした。しかし、20分ほどで会場の入り口に達することができた。 モネの絵は、何と言うべきか・・・「空気」を感じさせる作品が多い。 霧の都ロンドンを題材とした連作などは特にそうで、夕暮れ時のぼやーっとしてはっきり見えない光景を描かせると、彼に勝る画家はいないのではないか・・・と、思ってしまった。 ちなみに、個人的なお気に入りは『アルジャントゥイユのセーヌ川』(1873、オルセー美術館)。青い空と、川岸のポプラ並木と、川面の反射が、何とも印象的な作品であった。 サントリー美術館に比べれば、会場は非常に広々としている。が、入場者の数も半端ではないため、落ち着いて鑑賞することは不可能であった。やや急ぎ足で見て回り、12時25分ごろに会場の外に出ると、行列の最後尾の表示は「20分待ち」に変わっていた。昼飯時に絵画を見ようなどという殊勝な輩は多くないのである。 こうして、今日は一日、美術三昧となったわけである。 なお、余談ではあるが、サントリー美術館のチケットの裏面を見ると、 本展半券をお持ちいただくと、本展ならびに次回「水と生きる」展に100円引きでご入館いただけます。と、どこかの携帯電話会社の広告のような小さな文字で書かれていた。まあ、このサービスを使わない手はあるまい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.11.21 18:57:47
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