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カテゴリ:雑筆
今日は曇りのち時々晴れ。三多摩の府中のアメダスによれば、日最低気温は19.4℃(01:20)、日最高気温は27.4℃(14:20)であった。
それにしても、あっと言う間に7月も終わりである。早かったなぁ・・・。 ただ、8月1日の前日だけあって、油断は禁物である、と言っておく。 さて、昨日の記事の続きで、参議院議員選挙の結果について述べよう。 今日の記事では、今回の選挙結果が意味することを考えてみたい。 この結果だけを見れば、「民主党の圧勝」もしくは「自民党の惨敗」と言えよう。まあ、一種の連座制で与党の公明党が議席を減らしたのは理解できるとしても、野党の共産党や社民党までもが議席を減らしているのはなぜであろうか。 今回の選挙では「年金記録漏れ問題」「不明朗な事務所費処理」「閣僚の軽率な問題発言」などが有権者の投票行動に大きな影響を与えたことは間違いあるまい。しかし、単にそれらだけであれば、与党の自民党・公明党のみならず野党の共産党・社民党をも巻き添えにする歴史的な大敗北にはならなかったのではないか。 つまり、もっと別の要因が複合的に働いている可能性も考えられるのである。 以下に、私個人の仮説を示す。 2005年9月11日の衆議院議員選挙では与党が圧勝した。時の小泉首相が「郵政民営化の是非」を問うために解散し、そのワンフレーズだけで有権者がナイーブな判断を下したためであった。しかし、選挙によって権力にお墨付きを与えられた与党は、「郵政」以外の部分も有権者に支持されたと勘違いしてしまったらしい(今もなお勘違いしている?)。 その思い込みによるボタンの掛け違いは、与党にとっても、有権者にとっても、ともに不幸の始まりであった。小泉首相は自らの後継者として安倍氏を指名し、「寄らば大樹の陰」として党内の有力者が次々に追従する中で発足した“お友達内閣”は、戦後レジームからの脱却と称して党の宿願とも言うべき「憲法改正」や「教育再生」に着手する。ところが、有権者の側としては、そういう「郵政」以外の要素を支持したわけではなく、何かが違うと感じ始めていた。そのような形でモヤモヤしたガスが充満していく間に、「年金記録漏れ問題」が浮上して、有権者の不信感が一気に高まった。この問題に対する不信感自体は収束するかに見えたが、「不明朗な事務所費処理」や「閣僚の軽率な問題発言」などが続々と明るみに出ると、その火花が、充満したガスに引火して、今回の選挙で大爆発(炉心溶融?)を起こしたものと思われる。 野党の共産党・社民党が敬遠されたのは、安倍内閣と同様に、復古主義的あるいは懐古趣味的な政策を掲げるだけで現状を打破する意欲が感じられず、ひいては政権担当能力が疑問視されたためかもしれない。「たしかな野党」が必要、ではなくて、確かに野党は必要なのである。ただ、必要とされる野党は“万年野党”ではなく、イザというときには現実に政権を担当しうる、地に足の着いた野党であろう。 要するに、今回の選挙で示された民意は、「民主党が支持された」あるいは「自民党が支持されなかった」ということよりも、むしろ「ごく一部に過ぎない身内の既得権益や過去からのしがらみにとらわれるのではなく、有権者の声を真摯に受け止めて、国民全体の利益のために現状を打破しうるチカラが求められた」のではなかろうか。 そのためには、現実に政権を担当しうる二大政党が、政策を競い合ってお互いに切磋琢磨することによって、有権者の選択肢を増やしてその顧客満足度を高めるような、分かりやすくて信頼できる政治過程およびシステムの確立が急務となる。 そういう意味では、空気の読めない安倍首相が「続投」を表明したことは、短期的には望ましくないものの、長期的には望ましい結果をもたらす可能性もある。というのも、今までは、自民党が選挙に負けたとしても、なぜか次の首相も再び自民党の中から出てくる・・・という、わけの分からない状態が長く続いていたからである。こういう不明朗な状態に終止符を打つためには、選挙に敗れた自民党の中から、安倍首相に代わる人材を輩出させないこと(首の挿げ替えによる党内での政権のたらい回しを認めないこと)が重要なのである。 逆に、民主党にとっては、ここからが正念場となる。ただ単に審議を拒否したり妨害したりするだけでは、有権者の期待を裏切ることになろう。期待されていない人が失敗しても、大したことはない。しかし、期待されている人が失敗してしまったら、その反動はとてつもなく大きくなる。今回の与党の惨敗によく学んで、決して勘違いをしないように気をつけていただきたい。「策士、策に溺れる」という言葉があるが、ともすれば策に溺れがちな小沢党首が戦術を弄しすぎないことを願うのみである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.11.21 20:05:26
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