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カテゴリ:ミュージアム
今日は曇り時々晴れ。三多摩の府中のアメダスによれば、今日の日最低気温は16.6℃(23:30)、日最高気温は21.8℃(12:40)。この最高気温は平年並みであるものの、今までの気温が高かったせいもあり、ちょっと涼しく感じられる。
それでは、昨日の記事の続きで、博物館・美術館めぐりの第2弾である。 東京国立博物館の特別展「大徳川展」を見てきたので、その感想などを述べよう。 徳川将軍家、尾張・紀伊・水戸の徳川御三家、さらに久能山・日光・紀州の東照宮、また寛永寺や増上寺といった徳川家ゆかりの地に伝えられた宝物を一堂に集めて展示するもので、以下の3章で構成されている。 第1章 将軍の威光第1章は、具足・陣羽織・軍扇・火縄銃・太刀といった武器・武具、家康が愛用したという品々、東照宮御影と呼ばれる家康を神格化した肖像画、そのほか歴代将軍の政治や日常生活を物語るような資料が並んでいる。 本展の最初に飾られているのは、家康のシンボルとして有名な、歯朶(しだ)の葉をかたどった鎧兜(歯朶具足)。家康のどでかい金扇馬印も目を引くであろう。吉宗の紺糸威鎧や慶喜の卯花威胴丸なども、実戦では使われなかったにせよ、将軍の権威・権力を象徴するかのようにきらびやかであった。こうした武器・武具を見ていると、戦国の世を制しただけのことはある、と思わずにはいられまい。 また、家康は時計のコレクターであったらしく、1581年マドリッド製の金ピカの洋時計は見事であった。ほかにも家康直筆の色紙や、秀吉との対戦に使われたという碁盤なども興味深かった。 個人的におかしかったのは、徳川光圀所用の葵紋蒔絵印籠。かの有名なテレビドラマ『水戸黄門』で、 ええい、静まれ、静まれい!の台詞とともに用いられる、あの印籠の「ホンモノ」である。思わず「ははぁ」とうなだれてしまいそうになるかもしれない。 (なお、余談であるが、助さんや格さんらは、自分たちであれだけの騒ぎを起こしておきながら、その後に「静まれ」もヘッタクレもなかろう・・・と思うのは私だけであろうか。) 第2章は、徳川家に伝わるコレクションの数々である。さまざまな絵画・書跡、茶の湯に使う茶壷・茶入・茶碗といった道具類、蒔絵などが施された葛箱・硯箱・見台といった文房具類、能で使われる能面や小袖などが陳列されている。 中でも白眉は名古屋・徳川美術館の「源氏物語絵巻」。平安時代・12世紀に描かれた国宝を間近で拝めるのは、実にありがたいことである。 第3章は、将軍家の姫君の婚礼調度や衣装などが展示されている。 いきなり私の度肝を抜いたのは、竹葵牡丹紋蒔絵女乗物。綱吉の正室・信子(関白・鷹司房輔の娘・従姫)が輿入れ(婚礼)の際に用いたと伝えられる、文字通りの「輿」であるが・・・金と黒の装飾がものすごく豪華絢爛なのである。伊達政宗も真っ青といった感じであろうか。その数え方が「1挺」というのにも驚かされた。 とにかくゴージャスな品々のオンパレードである。家光の長女・千代姫が尾張徳川家に嫁入りしたときの初音蒔絵調度はほとんど一式が国宝に指定されているほどで、これらを見ていると、ポカンとして口があんぐりと開いてしまう。大名家の妻子は江戸に住むことになっていたが、だから名古屋の結婚式は派手なのか・・・と、筋違いなことを思ったりもした。 このほか、皇室から将軍・家茂に降嫁した和宮の婚礼調度なども多数あって、こちらも華麗であった。 この第3章を見るだけでも、十分に見ごたえがあると言えよう。 「大徳川展」の「大」を指して「この『大』は、二度とない。」という本展のキャッチコピーは、おそらく正しい。 にっこうをみずしてけっこうというな【日光を見ずして結構と言うな】ほかにも、スペイン語であれば、 Quien no ha visto a Sevilla no ha visto maravilla. (セビリアを見たことのない人は素敵なものを見たことがない。セビージャを見ずしてマラビージャと言うなかれ。)などのことわざがあるが、いずれにせよ、そういう言葉を思い出してしまうに違いない。 図録もゴージャスで、1部3,000円。 それだけお金があれば、あと2回も観覧できるではないか(!)。ゆえに、今回は買わなかった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.11.21 21:18:04
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