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NOと言える三多摩~言泉「やまと」後悔日誌

NOと言える三多摩~言泉「やまと」後悔日誌

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言泉「やまと」

言泉「やまと」

2008.03.05
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カテゴリ:読書
二十四節気の一つ、啓蟄(けいちつ)である。とは言え、私自身は既にミツバチを見ているので、何をいまさら・・・といった気分かもしれない。
なお、今日は曇り時々晴れ。三多摩の府中のアメダスによれば、日最低気温は3.0℃(24:00)、日最高気温は10.2℃(12:20)であった。

さて、今日の本題は読書ネタである。
未読の本が次々と「積ん読(つんどく)」の状態になっているものの、1か月ほど前に購入した新書4冊のうちの3冊目を数日前に読み終えたので、その感想などを記してみよう。



それは、高橋克徳氏+河合太介氏+永田稔氏+渡部幹氏の共著による『不機嫌な職場 なぜ社員同士で協力できないのか』(講談社現代新書)。
第一章 いま、職場で何が起きているのか
第二章 何が協力関係を阻害しているのか
  1 進む組織のタコツボ化
  2 評判情報流通と情報共有の低下
  3 インセンティブ構造の変化
第三章 協力の心理を理解する
第四章 協力し合う組織に学ぶ
  1 グーグル
  2 サイバーエージェント
  3 ヨリタ歯科クリニック
第五章 協力し合える組織をつくる方法
  1 役割構造に対する工夫
  2 評判情報に対する工夫
  3 インセンティブに対する工夫
最終章 協力への第一歩の踏み出し方
上の見出しを見ての通り、第一章では「現状の確認・整理」、第二章では「原因分析」、第三章では「現状とその原因に対する社会心理学的考察」、第四章では「先進事例研究」、第五章では「問題解決の方法論」、最終章では「行動への第一歩」といった流れになっている。

で、第二章の原因分析を要約すると、以下の3点にまとめられるであろう。
1)成果主義の導入によって個人個人の成績評価に結びつきにくいグループワークが軽視されていく一方で、顧客からの要求が高度化することによって仕事の専門化・細分化が進み、組織のタコツボ化が起きる。

2)社員旅行や社内運動会などは、それ自体がもはや魅力を失っていることもあり、効率性を追求するマネジメントによって削減の対象とされてきた。その結果、社員の多面的な人物情報が流通する場や機会も少なくなり、人的ネットワークの機能低下により、お互いを個人的によく知らないために社員同士で協力関係を構築することが難しくなっている。

3)以前は「一生同じ会社にいる」ことが当たり前であり、同じ会社に居続けられるような行動を取ろうとする動機付けが機能していた。しかし、昨今ではそうした長期雇用が保証されていないため、社員は自らを守る必要から、社外でも通用するスキルアップを期待するようになっている。
この原因分析を、第三章では理論的に、第四章では具体的な事例を通じて、それぞれ検証を試みている。その上で、第五章ではこれらを工夫することによって問題解決を図ろうとしているのである。

このような変革に際しては、リーダーの果たすべき役割が重大ではあるが、社内のルールだけを改善すれば済む問題ではなく、社員一人一人の意識にも働きかけていかなければならない。当然、一朝一夕にできるものではなかろう。
取材した会社は、社内の関係性が明らかに変わりはじめたと感じるまでに「三年くらいかかった」と口を揃えて言う。<p.145>
と、具体的な時間の目安を示してくれているところも、興味深かった。

いやぁ・・・本書は、読んでいて楽しくなる内容ばかりではないけれども、鋭い指摘が多く、いろいろと考えさせられた。
これは会社組織に限った話ではなく、学校や地域といった日本社会全体に応用できそうな気もする。不機嫌な日本社会をほぐすためには、一体どんな「せんたく」が有効なのであろうか?





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Last updated  2008.03.06 00:37:54



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