|
カテゴリ:読書
今日は晴天の一日。三多摩の府中のアメダスによれば、日最低気温は-1.3℃(04:20)、日最高気温は13.8℃(14:40)。今季39日目の冬日であった。
さて、まずは横道の小さなエピソード。 2日前の[VOYAGE-471]では、鉄道ネタに関して、 また、新幹線車内アナウンスは、東海や西日本じゃなくて東日本であれば、私の食指も動いたであろうに。と書いたけれども、何気なく検索していたら、新たな事実に気づいた。実は、そういう目覚まし時計は、既に商品化されていたのである(!)。 うーむ。八戸駅到着前アナウンス「はやて 八戸行き」よりは、むしろ東京駅発車後アナウンス「Maxやまびこ 仙台行き&つばさ 新庄行き」とか同「あさま 長野行き」のほうが魅力的に感じるものの、思わず食指が動いてしまった・・・。 送料を比較してみると、前者が税込600円、後者が税込525円。また、商品到着の日時指定は、前者が5日目以降、後者が4日目以降とのことであった。どちらが好都合かは、もはや火を見るよりも明らかであろう。勝負あり(!)ということで、後者で注文してしまった次第である。 それでは、今日の本題に移ろう。 このところ新書三昧が続いているが、今度は2月20日(水)に川崎で購入した新書3冊のうち、最初の1冊目を読み終えた。そこで、その読後感などを記してみたい。 吉岡幸雄氏の『日本の色を歩く』(平凡社新書)である。 本書の著者は、1946年京都市生まれ。早稲田大学卒業後に美術工芸の書籍編集や広告の仕事に携わり、40歳を過ぎた頃に家業の植物染屋「染司よしおか」を継いで5代目当主となったとのことである。化学的な合成染料には出せない日本の伝統色の現場を訪ね歩くのが、本書の目的らしい。 著者の職業柄から、何らかの作品を制作する現場に関する文章が中心ではあるが、それだけにとどまらない。雪舟(1420~1506)の『天橋立図』にヒントを得て、そうした水墨画のような冬景色を求めて丹後半島を訪れたり、あるいは熊野の火祭に参加した折に、氏子の白装束を着せてもらったエピソードを紹介したり・・・と、色にまつわる旅の随筆集といった様相を呈している。 印象としては、司馬遼太郎氏の『街道をゆく』に似ているかもしれない。過去の歴史的な事象についてあれこれと想像を含めながら解説しているかと思えば、今度は現代に戻って著者の目で見たままの旅の風景を記述したりして、視点が実に自由自在なのである。司馬遼太郎氏のペンネームをもじって「コシバさん」とでも名乗ればいいのに・・・などと、馬鹿なことをふと考えてしまった。 私自身は何度も書いてきたように、伝統工芸のようなものが好きである。本書を購入した直後に「全国工芸職人展」なる催し物に足を運んで、桜染の淡いピンク色に心を奪われたエピソードからも、そのことはお分かりいただけると思う。 そうした私にとっては、カラーの口絵があるのもうれしい限りで、非常に興味深い内容の1冊であった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.03.08 15:53:57
[読書] カテゴリの最新記事
|