000000 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

NOと言える三多摩~言泉「やまと」後悔日誌

NOと言える三多摩~言泉「やまと」後悔日誌

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Headline News

Calendar

Archives

Category

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

言泉「やまと」

言泉「やまと」

2008.03.08
XML
カテゴリ:読書
今日は晴天の一日。三多摩の府中のアメダスによれば、日最低気温は-1.3℃(04:20)、日最高気温は13.8℃(14:40)。今季39日目の冬日であった。

さて、まずは横道の小さなエピソード。
2日前の[VOYAGE-471]では、鉄道ネタに関して、
また、新幹線車内アナウンスは、東海や西日本じゃなくて東日本であれば、私の食指も動いたであろうに。
と書いたけれども、何気なく検索していたら、新たな事実に気づいた。実は、そういう目覚まし時計は、既に商品化されていたのである(!)。
新幹線メロディ&ボイスクロック<JR東日本エディション>
(えきねっとショッピング)
新幹線メロディ&ボイスクロック 東北・上越新幹線(JR東日本エディション)
(ハンズネット)
うーむ。八戸駅到着前アナウンス「はやて 八戸行き」よりは、むしろ東京駅発車後アナウンス「Maxやまびこ 仙台行き&つばさ 新庄行き」とか同「あさま 長野行き」のほうが魅力的に感じるものの、思わず食指が動いてしまった・・・。

送料を比較してみると、前者が税込600円、後者が税込525円。また、商品到着の日時指定は、前者が5日目以降、後者が4日目以降とのことであった。どちらが好都合かは、もはや火を見るよりも明らかであろう。勝負あり(!)ということで、後者で注文してしまった次第である。



それでは、今日の本題に移ろう。
このところ新書三昧が続いているが、今度は2月20日(水)に川崎で購入した新書3冊のうち、最初の1冊目を読み終えた。そこで、その読後感などを記してみたい。

吉岡幸雄氏の『日本の色を歩く』(平凡社新書)である。
第一章 朱の色を歩く
  1 備中吹屋への旅 ─朱と弁柄についての考察
  2 姫路書写山と根来寺に赴く ─室町期の「朱」を見る
第二章 赤の色を歩く
  1 紅花紀行 ─伊賀と山形の紅花を訪ねる
  2 奥多摩・御岳山にのぼる ─古社にのこる茜染の鎧
  3 正倉院宝物 ─天平の美を伝える
  4 ペルー紀行 ─コチニールとの出会い
  5 古都の「赤」散策 ─紅葉の彩りと蘇芳
第三章 藍の色を歩く
  1 石清水八幡宮に赴く ─山藍の青と緑
  2 阿波徳島藍紀行I ─吉野川が育む藍
  3 阿波徳島藍紀行II ─藍造りの苦労
  4 ジャパンブルーの美 ─小泉八雲と筒描
第四章 黒の色を歩く
  1 瓦の彩りと職人の魂 ─奈良元興寺散歩
  2 燻し瓦の黒を訪ねる ─藤岡市の瓦工場へゆく
  3 丹後紀行 ─冬の季節に墨色を思う
  4 吉岡憲法黒の色彩 ─京都の染屋の歴史をたどる
  5 石清水八幡宮に黒を求める ─紙衣と八幡黒
第五章 白の色を歩く
  1 熊野火祭に参加する ─白の装束が火に映える
  2 東京の地名から古代の色を探る ─麻布と白の発見の旅
  3 別府温泉紀行 ─明礬の白を訪ねて
  4 「胡粉」の白 ─琵琶湖竹生島と法隆寺
第六章 黄と黄金の色を歩く
  1 日本人と「黄金」 ─金を用いた美術作品
  2 伊吹山紀行 ─刈安の黄を求めて
  3 宇治万福寺で思うこと ─黄蘗の薬効と色彩
  4 黄の染材を再考する ─梔子の花と実
  5 蓮から糸と色を取り出す ─蓮華寺の幡、袈裟の制作に携わって
  6 四国・西予市野村町を訪ねて ─霊木「桑」との自然風土
第七章 紫の色を歩く
  1 京都「紫」散歩 ─陽春の色を訪ねて
  2 高貴なる紫を追って ─帝王紫と紫草
  3 戦国武将から江戸紫まで ─紫好みの系譜
  4 紫草の復活に向けて ─大仏開眼一千二百五十年法要の「紫衣」
本書の著者は、1946年京都市生まれ。早稲田大学卒業後に美術工芸の書籍編集や広告の仕事に携わり、40歳を過ぎた頃に家業の植物染屋「染司よしおか」を継いで5代目当主となったとのことである。化学的な合成染料には出せない日本の伝統色の現場を訪ね歩くのが、本書の目的らしい。

著者の職業柄から、何らかの作品を制作する現場に関する文章が中心ではあるが、それだけにとどまらない。雪舟(1420~1506)の『天橋立図』にヒントを得て、そうした水墨画のような冬景色を求めて丹後半島を訪れたり、あるいは熊野の火祭に参加した折に、氏子の白装束を着せてもらったエピソードを紹介したり・・・と、色にまつわる旅の随筆集といった様相を呈している。

印象としては、司馬遼太郎氏の『街道をゆく』に似ているかもしれない。過去の歴史的な事象についてあれこれと想像を含めながら解説しているかと思えば、今度は現代に戻って著者の目で見たままの旅の風景を記述したりして、視点が実に自由自在なのである。司馬遼太郎氏のペンネームをもじって「コシバさん」とでも名乗ればいいのに・・・などと、馬鹿なことをふと考えてしまった。

私自身は何度も書いてきたように、伝統工芸のようなものが好きである。本書を購入した直後に「全国工芸職人展」なる催し物に足を運んで、桜染の淡いピンク色に心を奪われたエピソードからも、そのことはお分かりいただけると思う。
そうした私にとっては、カラーの口絵があるのもうれしい限りで、非常に興味深い内容の1冊であった。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2008.03.08 15:53:57



© Rakuten Group, Inc.
X