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カテゴリ:後日談
1月26日(火)。
毎期末の恒例行事ではあるが、この日は上司との間で面談があった。 前期に担当した業務を振り返りつつ、来期の要望などを把握するのが狙いである。 ただ、二つ前の記事でも示唆したように、今回は特別な質問が追加された。 残るか、それとも去るか・・・の、選択肢の確認であった。 私は「現時点ではまだ何も考えていない」と、答えるにとどめた。 それに対して、上司からは「今後は移民政策の枠組みの中で生き残っていく方法を考えたいので、その方面に明るい(?)●●君にはできれば残ってほしいと思うけれども、いかんせん今の人員は維持できないからなぁ」と、歯切れの悪いコメントを頂戴した。 その後、上司は、修了式の日の夜にNK学会の会長と飲んだ、というエピソードを明かしてくれた。 今までは外務省系のKK基金が、その学会の主要なスポンサーとなっていたが、外郭団体を取り巻く事情はどこも厳しく、ご時世によりスポンサーを降りることになったらしい。 そこで、その会長は、われわれに、学会の新たなスポンサーにならないか、と持ちかけたそうである。 冗談じゃない! われわれのほうこそ、スポンサーがほしいくらいなのに!と、笑い話に終わった・・・とのことである。 この業界の先生方は政治力に乏しい、という現実が、改めて浮き彫りになったような気がする・・・。 ところで、話題は少々それるものの、上述の移民政策に関連して、言及しておきたいことがある。それは「外国人の地方参政権」についてである。 定住化・永住化しつつある在日外国人に対して、どのような権利を付与すべきなのか、という総合的な議論がほとんど見られないまま、参政権の問題だけを取り上げようとしているように見えるけれども、それは果たしてどうなのであろうか。 思い出していただきたい。 セクショナリズムから脱却できない官僚に任せておくと、「整合性を欠いた、チグハグな、つぎはぎだらけの施策」が打ち出されるばかりで、結果として現場では無駄が多くなる。そうした無駄を克服するための手段として、「政治主導」というお題目が唱えられたはずである。 この初心を忘れてはならない。 教育・福祉・医療といった地域住民サービスの保障や、身体的・精神的・経済的な自由の保障など、いろいろな課題がある中で、「地方参政権」を単独で議論するだけでは、整合性を欠いた無駄な施策に終わってしまうように思われる。 外国人政策を結局どういう方向にもっていきたいのか、というトータル・ビジョンを取りまとめるほうが先ではなかろうか。 とにかく、私としては、昨今の問題設定のあり方に、違和感を覚えてしまうのである。 1月28日(木)。 私が普段担当しているのは来日直後の半年間の研修であるが、この初期研修だけで日本語がうまく使いこなせるようになるわけではない。それぞれの生活場面やライフステージ(学生/社会人/子育てあるいは退職後の家庭人)などに応じて、さらなる学習の積み上げが不可欠である。 そうした日本語学習のひとつの方法として、遠隔学習課程がある。 主に紙媒体の教材で学習し、課題を郵送して添削を受けるという、要するに「通信教育」である。が、必ずしもそれだけではなく、時には講師と対面して直接指導を受けるという、「スクーリング」の機会を伴う場合もある。 前置きがやや長くなってしまった。 この日の午後と翌29日(金)の午前は、都内の早稲田奉仕園で「スクーリング講師研修会」が開かれ、全国各地の現場から40数人の講師が参加した。 年に1度のこの研修会を主催しているのは私の隣の課であるが、なぜか私も動員された。 昨年度は新人研修の一環として参加させられたけれども、今年度は小グループに分かれて討議する際に話し合いが沈滞しないよう、盛り上げ役(サクラ)としての動員である。 「前期の残務処理がまだ終わっていないのに、妙な仕事を増やすなよ!」と内心反発しつつも、スクーリング経験のない私は、事前にサクラとしてのレクチャーを受けて臨むことになった。 しかし・・・「高齢学習者へのスクーリング指導」という今回のテーマは、経験の浅い講師にとっても身近な話題で、話し合いは活発に行われた。サクラは全く不要であった。 この研修会の1日目は、比較的早い時間帯に解放(?)された。 せっかく都心に来ているのであるから、帰る前に、何か別の用事も果たしたいと思った。 そこで、私が訪れたのは・・・丸の内オアゾの丸善丸の内本店4階にある、松丸本舗。 昨年10月23日のオープン以来、いつか行きたいと思っていたけれども、実現しないまま時が過ぎ去っていた次第である。 ![]() うーむ。松岡正剛氏の博覧強記ぶりが実感できそうな、見事な品揃えであった。 ただ、残念なことに。 職場で自分の仕事ができなかったので、自宅に持ち帰る書類が多く、いつになくカバンが重くなっていた。そのせいで、店内を回っているうちに、持病の腰痛が悪化してしまったため、さほど長居はせずに帰宅の途に就いたのである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.02.02 06:32:12
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