前の記事からの続きで、11月24日(水)。
外実習候補地の新宿のレストランで試食を兼ねて昼食をとり、小実習で用いる旅行写真をプリントしてそれを収納するアルバムを購入し、外実習の待ち合わせ場所となりうる新宿タカシマヤを調査したところまで既に書いた。
で、これらの諸案件を片づけて、
次の予定までは5時間余り。さて、どうするか。
アルバムがかさばり、持ち歩くのはちょっと苦痛であった。どうせなら、プリントされた250枚の写真を時系列に並べて、アルバムに収納したい気分であった。とはいえ、これはPCの画像データと照合させる必要がある。結局、ここでいったん帰宅して作業に従事し、その重い荷物を自宅に置いてから再出発することに決める。
15時前に自宅に帰り、250枚の写真をアルバムに収納するなど、だららんと過ごす。
17時過ぎ。再び自宅を出発し、今度は四ツ谷へと向かう。

やはり空腹を満たすため、アトレ四谷1Fにある
スープ・カフェに立ち寄って、夕食をとる。私が注文したのは「カレーとスープのセット」で、今週のカレーは「豚肉と根菜のカレー」、選んだスープは「白海老つみれと冬野菜の西京味噌スープ」、選んだドリンクは「ウーロン茶」であった。
うーむ、上品な質ではあるが、値段の割に量が少ないかな?
そして、19時から21時までは、田中良紹氏の「居酒屋田中塾」に出席。
会場をパッと見渡すと、参加者は約30人。60代以上と思しき高齢の男性が圧倒的に多く、若者は2~3人、女性は4人くらい、といった感じであった。
その冒頭で、田中氏は、
正しいことを言うつもりはない。そもそも何が正しいかは分からない。物事を一面的でなく、あっちからこっちから見ようとするのが私の見方。メディアとは違う見方を紹介したい。
と、ご自身のスタンスを披露。その上で、会場からの質問に答える形(?)で、いろいろな話題をざっくばらんに展開した。以下、私の印象に残ったことを再構成して、エッセンスのみを記してみたい。
二院制について
★二院制はふつう、連邦制国家で採用される。国以上に力のある州が代表を送り込むためのシステム。州代表で構成される上院のほうが優位にある場合が多く、アメリカでは予算は下院が優位であるが、政府人事や外交案件などは上院が優位。
★イギリスには貴族院があるが、チェック機能のみで決定権はなく、事実上の一院制。とはいえ、かつては700年にわたって貴族院のほうが強く、貴族院は下院の法案を否決してばかりいた。しかし、国民の投票で選ばれた下院が税金の使い道を決められないのはおかしいとして、予算案を通さない貴族院の代わりに下院を解散して国民の信を問うたところ、圧倒的な支持を得たことから力関係を逆転させた。小泉郵政解散はこれをマネたのでは。
★日本では戦後GHQが一院制を導入しようとしたが、憲法草案を書いた松本烝治が貴族院議員であったため猛反対。時間切れで妥協が図られ、官選ではなく民選とすることで二院制が維持されることになった。衆議院での再議決には3分の2を必要とする条項を設けるなど、議会への権力集中を妨げ、結局は官僚が民主主義を抑え込むシステムとなっている。
衆参のねじれについて
★衆参両院がねじれてしまうと、国会では重要なことが何一つ決められなくなる。かつての吉田政権がそうであり、国会決議が成立しないので、代わりにGHQの命令によって政策を実現してきた。GHQが消滅してからは保守合同に踏み切って、以来33年間ねじれがなく、日本は冷戦体制の下で高度経済成長を成し遂げた。もっとも冷戦体制は、ソ連による共産主義の拡大を封じ込めるために、アメリカが以前の敵(ファシズム国家)である西ドイツや日本と手を組み、そこを意図的に発展させることで成り立つ体制であったが。
★国民が選挙で3回続けて同じ党に投票して、衆参両院で過半数をとらなければ、政治は国民の思いを汲み取ることができない。これは本当に民主主義なのか。
★ねじれを解消できなければ、参議院で法案を通す際に野党が「何か持ってこい」と要求するので、裏で何らかの「取引材料」が必要となる。政権末期の自民党のように、総理の首をコロコロ変えるしかない。
★現在のねじれを解消するためには、民主党が自民党か公明党と連立を組むか、政界再編を進めるか。連立を組めばマニフェストの実現は遠のく一方。
官僚主導と政治主導、その過渡期について
★こうして、与党のみならず野党を含めた政治全体への失望感が広がるのは避けられない。しかし、これらは官僚主導の体制が100年以上続いたことのツケである。不慣れな人たちが落下傘で大臣になっているのであるから、官僚に丸め込まれて混乱するのも無理はない。10年おきぐらいに政権交代して、与党も野党も実力を磨いていかないと。政治家も国民も今は「勉強」の時期である。
★他方、国会答弁がなくなり、事務次官会見もなくなった官僚側は必死である。なりふり構わず総力戦を始めている。典型的なのはサボタージュ。尖閣もその一例。以前であれば海上保安庁側が体当たりしてでも領海の外へ追い払ったはず。国内法を適用すれば相手国も同じようにやるのは明白なのに、わざわざ大臣に報告して船長逮捕を進言。そして両国間のギクシャクが表面化すると、今度は那覇地検が何の手続きも経ずに釈放して、国民の怒りを煽る。すべては民主党政権にダメージを与えるためのサボタージュと考えられる。
★臨時国会を召集したのに、与党が補正予算案を出さないのはおかしい。ビデオテープを出すかどうかが「取引材料」になっていた。つまらないことを議論するのは官僚に都合がいい。税の議論が重要なのに、ロッキード以来、スキャンダルの追及を予算委員会でやるようになってしまった。菅政権を見ていると55年体制を思い出してしまう。事業仕分けは本来国会でやるべきこと。国会では税金の使い道をまともに議論していない。
★オウムが事件を起こしたとき、アメリカでは「21世紀型の犯罪」として議会が安全保障の観点から3日間集中審議し、ニューヨークの教団支部を捜査した担当者らが呼ばれた。一方、日本では「捜査中につきお答えできない」という答弁がまかり通る。これで本当に民主国家と言えるのか。行政機関よりも政治家のほうが上ではないのか。公務員は税金で動いているのであるから、納税者に選ばれた政治家に服従するのは当然。軍人は間違った命令でも従う。勝手に「正しいこと」をしてはならない。
歴史の見方について
★官僚の情報操作には100年以上の実績があり、メディアも踊らされてしまうので、本当のことは100年経たないと分からない。半藤一利が幕末史を書こうと思ったのは、「学校で習った歴史(薩長史観)」と「江戸っ子の祖母が語る歴史(佐幕史観)」が違ったから。劇作家の長谷川伸は、相楽総三の悲劇を描いた。戊辰戦争の際に薩長の許可を得て年貢半減令を掲げて赤報隊を率い、新政府軍の先鋒として中山道を進軍していたが、偽官軍とされ諏訪で処刑されるという実話。薩長には都合の悪い歴史でなかなか表には出なかったが、当地に残されていた伝承を知った孫が各方面に強く働きかけたため、彼は靖国神社に合祀されることになった。
★坂本龍馬については司馬遼太郎の作品が有名であるが、まだ薩長史観から脱していない。龍馬は「万民平等」さえ実現できれば、薩長でも徳川でも良かったのである。彼のすごいところは、人間は理屈でなく利益で動くことを知っていた点。薩摩と長州の欲するものを交換するよう提案して、薩長同盟を成立させた。
これからの国民と政治家について
★昨年の衆院選で政権交代が実現して、「日本もやっと民主主義になった」と海外から評価されるようになった。しかし、当の日本人は、そうした評価を知らない。
★官僚とアメリカが主導する今の体制を、どうやったら動かせるか。今は勉強してもらうしかない。正論を100万回唱えても通るわけではない。いろいろなことをやらないとダメ。後藤田正晴が言うように政治は心理学であって、押したり引いたりする手練手管の手法が不可欠。そういう意味で引き方を心得ていた小泉純一郎は喧嘩が上手であった。しかし、民主党も若い自民党も国民も、そのことを分かっていない。正論を掲げて批判をしたからと言って、それで世の中が良くなるとは限らない。
★官僚の知恵は前例主義で、優等生的。しかし、政治家は前例のないことをやらなければならない。法律出身者には無理(?)。人間や欲望といったものを知ることが大切。オバマは、シカゴの貧民を相手にソーシャルワーカーのようなことをしてきた経験がある。日本でも、敗戦の混乱から出てきた政治家と、近年の政治家とでは、差があるように感じる。そういう人を政治家としてリクルートしていかないと。
うーむ、実に見事な卓識ではあるが・・・我々の未来に希望は存在するのであろうか?
まずは私自身に何ができるか、考えなければなるまい。
22時30分過ぎに、再び帰宅。
自宅の郵便受けには、またしても「国庫金振込通知書」が届いていた。今回は
前回の通知に含まれていなかった
10月18日(月)15時30分からのWGの旅費が記載されていたが、以前の表に追加する形でもう一度整理して示してみよう。
午前と午後で旅費の単価が変わるということか? いずれにせよ、よく分からない。