Dｒ.須藤明治の健康ひとくちメモ

最近、いろいろとブログをのぞいてみると、「痩せ薬」のサノレックス錠(マジンドール)の話題に目がとまりました。医師の処方箋で出される薬です。

サノレックスは、摂食調節中枢に直接作用し、神経終末におけるモノアミン(ノルエピネフリン,ドパミン,セロトニン)の再吸収を抑制させます。そして、摂食を抑制させたり、消化吸収を抑制させたり、消費エネルギー促進をもたらして、痩せるという仕組みです。

つまり、脳の食欲中枢に働きかけて食欲を抑えるという薬です。食欲がなければ食べませんので、結果的に痩せるということですが、主要な薬理学的特性はアンフェタミン類ということですので、「覚醒剤」の化学構造と大変似ているわけです。覚醒剤を投与されると興奮状態で食欲もわかず不眠不休で体が動かせるということを聞いたことがあります。あくまでも、適切な医師のコントロール化で処方してもらいたいものです。

私は、睡眠と食欲、交感神経系と副交感神経系のスイッチに今後のダイエットのカギがあるのではないかと考えています。睡眠導入剤では、経口投与後に異常な食欲がでるという人の話を聞いたことがあります。

　精神の正常なコントロールこそが、生活習慣病を予防しメタボリックシンドロームに歯止めをかけるのかもしれません。結局、実行に移すのは本人次第なのですから、そのような人をどれ位思いやり、その人のことをどれくらい考えてあげられるのか、そして、本人がその忠告や指導を心から受け入れて、実行してくれるかが重要になってくるのだと思います。